ゆめ半島千葉国体2010成年男子3位決定戦「群馬県vs千葉県」:観戦レポート

市原臨海に帰ってきたtonan前橋

群馬県選抜チームの元になっているのはtonan前橋という関東1部リーグのクラブチーム。会場は市原臨海、ステージはトーナメントの3位決定戦。昨年の全国社会人サッカー選手権大会、通称で言うところのを全社を思い出さないはずがない。ところで、この際会場とステージは同じだろうという突っ込みは不要でお願いしたい。
本大会であるゆめ半島千葉国体のリハーサル大会として行われた全社の3位決定戦のステージに当時関東2部のtonan前橋は立っていた。相手は北信越リーグ1部のAC長野パルセイロ。諸事情は割愛するが、tonan前橋は格上に当たるAC長野パルセイロに対して勝利を収めて3位に輝いている。しかも先制されて後半ラストプレーで追いつき、延長で覆すという劇的な試合だった。私は割愛した諸事情も全部くるめてその試合を2009年のベストマッチとして記録。一生忘れることのない試合となった。
tonan前橋が群馬県チームとして市原臨海に帰ってきた。昨年の全社では市原市長が印象に残るコメントを残して大会を締めくくっている。「来年も(国体チームとして)この舞台に帰ってきてください」。JFLのチームも普通に出てくる国体で、まさか本当に帰ってくるチームがあるとは思うまい。
試合が始まるまで、3位決定戦の観戦レポートについては以上の様なプロローグから始めようと決めていた。題して「帰ってきたtonan前橋」。ところがいざ試合が始まると私の執筆プランは見事に崩れてしまう。3位決定戦の主人公は開催地千葉県チームが全部もっていってしまった。

千葉県がホームの力を発揮

メインスタンドには幼稚園から小学生まで多くの児童が団体で観戦しに来ており、か弱くもよく通る声援が送られ続けた。バックスタンドには千葉県の青いユニフォームを着たサポーターがジェフリザーブズの応援を元にしたチャントを歌い続ける。これぞホームスタジアム。ピッチの中の選手にもそれが十分伝わったようで、前半開始から千葉県が一方的に攻め込んだ。
4分には右サイドのクロスから4瀬田達弘がポストとなってボールを落とす。5宇野勇気がすかさず落としたボールを拾ってGKと一対一のシーンを作ったが、これは阻まれてしまった。押し込んだ。とにかく押し込んだ。昨日の準決勝でシュート4本だったチームとは思えないぐらいに元気よく攻め立てた。

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群馬県が安定して攻め始めたのは開始から10分がたってからのことだった。群馬県はサイドを上手く使って攻撃の起点を作る。良い崩しは出来ていたのだがフィニッシュのシーンでなかなかかみ合わない。昨日の準決勝でも気になった点ではあったが1日で何とかなるものではない。攻撃が上手くいく時を待つしかなかった。
さらに群馬県はボールを奪われても前線から激しくプレスをかけて千葉県からそれを奪おうと試みる。ところが集中力が高くなっていた千葉県がそれに屈するはずもなく、丁寧に裁かれては攻撃へ転じるのを許してしまった。

前半終了間際に千葉県が先制

35分ハーフの34分。ついに歓喜が訪れる。千葉県は右の6柳明基から左の8福田健へと展開し、攻撃の起点を作る。福田があげたクロスはゴール前で11鳥養祐矢の頭を捉えた。鳥養はダイヴィングヘッドでそれをゴールへと豪快に叩き込んだ。ホームの歓喜あふれるスタジアム。鳥養はチームメイトと喜びを分かち合った後、メインスタンド側に来て宙返りを披露。スタジアムに満ちた歓喜のボルテージをさらに上げた。と同時に開始から随分と痛そうにしていた腰が何ともないことを証明した。開催地千葉県が前半終了間際に先制点を奪っていい流れのままハーフタイムを迎えた。

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後半は群馬県のターン!?

後半に入ると、昨日同様に群馬県が攻勢に出る。全体を押し上げて前線に人数をかけることで攻撃で優位に立った。ところが昨日同様の攻撃を見せたということは昨日同様にカウンターを食らい続けるということになる。後半6分、カウンターから一人抜け出した鳥養にPA内まで侵入されると、丁寧なシュートを放たれる。これはGK鏑木豪が何なく防いだが、ハイリスクな状態は続いた。

まさかの得点取り消し・・

そして事件が起こる。後半22分。千葉県はPA前でフリーキックのチャンスを得ると、少し間を得てから絶妙なタイミングでリスタート。誰もが集中を切らしていたシーンで抜け出したのは途中出場の10佐藤悠希。佐藤は混乱に乗じる形でそのままゴール前へとボールを運ぶ。十分に詰めたところで大きく開いていたゴールにボールを放り込んだ。一瞬の隙をついた千葉県が2点目を追加してみせた。

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納得のいかない形で失点を喫した群馬県は主審にもう抗議。国体らしからぬ一触即発の事態となった。そんなことをしても判定は覆るはずがないのに。
珍しいこともあるものだ。判定が覆った。いや、ゴールの判定を私自身がきちんと確認し損ねていたので正しくは「判定が覆る」というのは誤解かもしれない。プロセスはどうであれ、そこで行われた現象として、千葉県のゴールは取り消され、FKのやり直しとなった。

ゴール取り消しを取り消す追加点

何かしら心当たりがあったのか、勝っていた余裕からか、千葉県の選手はすんなりと再びボールをセットする。最悪の事態は免れることとなった。9蓮沼剛はやり直しのFKで直接ゴールを狙うと、綺麗な軌道を描いてゴールネットを揺らした。やり直そうが直さまいが結果的に2点目が入った。

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反撃したい群馬県

なかなか攻撃が実らない群馬県は2点のビハインドを負った。昨年は1点のビハインドだったからまだ何とかなったのかもしれないが、2点はさすがに難しい。まして千葉県は余裕を持って守っている。群馬県は後半25分にはカウンターから13小川雄司が溜めを作って中央に走り込んでいた10渋谷知史に展開する。渋谷は思い切りのよいミドルシュートを放ったが、ボールは遠く高く飛んで行った。

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余裕の千葉県!GK上野がフィールドプレイヤーとして登場

千葉県は勝利を確信したからか、3位決定戦という舞台だったからか、控えのGK上野拓也をフィールドプレイヤーとして後半33分に投入する。普段からジェフリザーブズを応援しているようなコアなファンしか分からないネタがゲームに投入された。宇野勇気と交代で入った上野はそのまま前線に張り付いてワントップ気味にボールを追いかける。コアなファンからは「上野!ゴール!」と声援を引きだしたものの、知らない人には何が起きているのやらの状態だったに違いない。ゴールはならなかったが、千葉県はずいぶんなファンサービスをする余裕を見せて大会を締めくくった。

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勝った千葉県は3位で大会をフィニッシュ。開催地として最終日まで大会を盛り上げる最低限の役割を果たした。群馬県は敗れてしまったものの地域リーグ単体チームとしての4位入賞は素晴らしい成績。tonan前橋として、10月に山口県で行われる全社へ向けていい経験値を稼いだ。tonan前橋は攻撃に迫力を欠くものの、守備では十分に戦える状態にあり、試合のコントロールも出来る。2年連続で高みへと上り詰めたこのチームが全社で再び晴れの舞台に立つのはもはや波乱でも何でもないだろう。

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