ジェフリザーブズvs松本山雅FC:観戦レポート

こんな相手に負けられない

 最下位。昨年は前期に最強の守備を武器に好調を維持し、天皇杯のJFLシードをも勝ち取ったジェフが苦戦している。今期は未だ勝利が無く、引き分けで積み重ねた勝ち点はわずかに3とリーグを見渡しても断トツに少ない。チームはJFL昇格以来初の低迷を続けている。一方、松本山雅FCは15位。ジェフリザーブズに比べて勝利こそあるものの、軌道に乗れずズルズルと順位を下げている。いよいよ降格ラインが見えてきてしまった。昇格3チームのなかでも最も成績が悪く、何とか盛り返したい。「こんなチーム相手に勝てなかったらおしまいだ」。不調同士の対戦に両チームのサポーターからはそんな雰囲気がにじみ出ていた。

 戦前、「WIN BY ALL!」ジェフサポーターが試合前にいつものタイミングでコールをする。すると松本山雅FCサポーターも負けじと「ONE SOUL!」のコールを放ち、簡単な宣戦布告を終えた。

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低調すぎた前半戦

 小雨が降り続ける中で幕を切った試合は非常に低調なものだった。互いにサイドから攻撃を試みるのだが、なかなかチャンスを作れず、シュートすら放てない状況が続いた。ホームのジェフリザーブズはサイドを突破しては次々にクロスを配給した。ところがターゲットマンがなかなか競り勝てず、クロスはことごとく弾かれた。それでもジェフリザーブズはゴール前のFKやCKのセットプレーのチャンスを多く得たが、生かしきれなかった。

 松本山雅FCもまた両サイドから上手くボールを運んでみせた。こちらはクロスもままならず、サイドで行き詰まる状況が続いた。両者似たような同じ症状で苦しんだ前半だった。

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福田健のゴールでジェフリザーブズが先制

 後半に入り、前半と違いを見せたのはジェフリザーブズだった。サイドを起点に溜めを作ることができて、サイドから中央へ進入できるようになった。よりゴールに近いところで起点が作れるようになったことで前半に作れなかった決定機を量産しだした。

 そして試合は後半12分に動く。鳥養祐矢が右サイド中央よりでボールを受けて松本山雅FCのDF2人を引きつけると、空いた前方のスペースに山なみの軌道でボールを蹴りこんだ。そこに走り込んだのは福田健だった。福田健はボールを丁寧にトラップすると、GK原裕晃と一対一のシーンを迎える。黄色の観客が一斉に固唾を飲み込んだ次の瞬間には、福田健の左足を離れたボールがゴールネット右隅に突き刺さっていた。

 勝てそうな相手からようやく奪った先制点。この得点を起爆剤に、ジェフリザーブズが息を吹き返すことになる。ジェフリザーブズは走量がおよそ2割程増し、ボール保持者を追い回しては焦る松本山雅FCを混乱に陥れた。途中出場だった宮内亨の前線でのボールキープも効いていた。ジェフは全ての歯車が咬み合わさったように生き生きとボールを追いかけ続けた。

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飛べない雷鳥・・復活の鍵はCF

 率直に、松本山雅FCは重傷だ。攻撃の形が全く見えてこず、守備も焦りから飛び込み癖が見られて、簡単にほころんだ。地域決勝で優勝した強い松本山雅FCはJFLではこんなものなのだろうか。

 一つの提案として、テコ入れをするなら攻撃だ。松本山雅FCは昨年までサイドを利用したカウンター性の攻撃を得意とした。あのサッカーを再現するにはCFがもっとポスト役になってDFを引き寄せ、サイドにスペースを作れるようにしなければならない。そうすることで昨年までで培った松本山雅FCのサッカーをJFLでも再現できるのではないだろうか。

 CFからのチャンスメイクが出来たのが前半24分に作った場面。ショートカウンターから木島が中央でボールキープしたことでDF3人の注意を引くことに成功してゴール前にスペースが生まれた。このシーンでは木島が右前方にスルーパスを送り、柿本が走りこむことでチャンスを迎えたがDFに競り負けてあと一歩の呼吸が合わなかった。

 CFにボールを集める、それだけだ。当然周りもそれと連動して動かなくてはならないが、これだけで状況を打開する糸口が見えてくるに違いない。

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WIN BY ALL!でジェフリザーブズが今期初勝利!

 策も無く、もがくだけとなっていた松本山雅FCは守備的な斎藤智閣を削って大西康平を投入することで3トップにした。しかし行き当たりばったりの攻撃では得点の形が見られず、全員守備のジェフの前にはパワープレーもパフォーマンスで終わった。

 ジェフリザーブズは終盤に松本山雅の攻撃が激しくなると全員が守備に徹した。そして松本山雅FCの無造作な波状攻撃を凌ぎきった。これぞWIN BY ALL!全員で守りきり、全員でもぎ取った今期初勝利。チームはようやく最下位を脱出し試合後にはサポーターも含めた全員で歓喜を分かち合った。

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ジェフリザーブズ 1-0
(0-0)
松本山雅FC
後半12分14福田健
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