FC町田ゼルビアvsガイナーレ鳥取:観戦レポート

町田×ゼルビア=攻略不能

 FC町田ゼルビアは前半11分に上げた得点を守りきって勝利した。スコアこそ僅差だが試合全体を見渡せばFC町田ゼルビアの完勝といえる。ガイナーレ鳥取に全くといってもいいほどいい場面を作らせず、両サイドを制圧しただけでなく、常に自分たちのペースで試合を運べていた。さすがにガイナーレ鳥取の守備も伊達ではなかったが、FC町田ゼルビアは以前観させていただいた佐川印刷SC戦よりも正確で力強くなっていた印象がある。

 そして何よりも地域決勝で見せた勝負強さを発揮しているのが大きい。勝負の時間である前半序盤にセットプレーからきちんと得点すると、あとは無理せずにやり過ごしてみせた。今のFC町田ゼルビアは強い。断言してもいい。FC町田ゼルビアを止められるチームはいない。

FC町田ゼルビア 1-0
(1-0)
ガイナーレ鳥取
前半11分 森川宏雄

ここからJリーグ-町田-鳥取

酷暑を味方につけた町田

 個人的に町田市陸での夏場の観戦はジェフリザーブズ戦、佐川印刷SC戦に続いて3回目になる。最初はその蒸し暑さに驚いたが、今さら取り上げるほどの話題でもない。夏場に酷暑と某会長が喜びそうなシチュエーションであり、本来は選手にとってやっかいな気候だ。しかし、FC町田ゼルビアはアウェーチームを苦しめる蒸し暑さを味方につけている。

 FC町田ゼルビアはボール保持者に積極的にプレスを仕掛けて相手の体力と集中力を奪う。アウェーチームは例外なくその気候に体力と集中力を奪われるので本来のパフォーマンスを発揮できない。そして前半の早い時間帯、つまり勝負の時間に確実に得点を決めている。打てども打てども入らなかった時期が懐かしいぐらいだ。当然、ゆっくりするときはゆっくりするし、そして何より重要なのはキチンと守りきること。これらのプロセスを自分たちのペースで敢行するのだが、試合運びは3回の観戦で確実に上達しているから驚きだ。ここからJリーグ-町田-鳥取

やったぜ町田!観客数倍増!

 FC町田ゼルビアの弱点の一つにホームスタジアムである野津田公園町田市陸上競技場へのアクセスの悪さがある。小田急の鶴川駅か町田駅よりでている野津田車庫行きのバスに乗って、野津田車庫からシャトルバスに乗り換えなければならないというなんとも面倒な仕組みになっていた。アクセスが悪い場所には行く気にはならないものだ。しかしその問題も過去のものとなった。ついに、鶴川駅から競技場直通の無料シャトルバスを運行することになったのだ。

 「町田倍増計画」と題されて行われた観客増員計画はシャトルバスの運行に留まらない。ボランティアによる街頭の告知活動も強化している。今日に限れば少年団の招待も大目だった様子だし、大所帯のちびっこチアリーディングは一緒に親御さんも連れ出して来れたことだろう。そしてそこに掛けてきたのがサンリオピューロランドの企画。見事なコンボで会場を楽しませ、「スタジアムに行けばサッカー以外の楽しみもある」というのをアピールできたことだろう。

 そして後半に発表された観客数は3861人。やはりみなさん気になっていたのだろう。今季最高の観客動員に自然と歓声が起きた。そしてその4000人弱がFC町田ゼルビアを後押しして、FC町田ゼルビアは最後まで集中を切らすことなく1?0という美しいスコアで不調の強豪を一蹴した。捨てるところはなにもない。町田倍増計画は非常にエコロジーで最高の結果を生んだ。
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動けないガイナーレ鳥取

 長距離のバス移動に加えてこの蒸し暑さ・・体が重く、出だしで非常に堅くなってしまったのは同情の余地がある。両サイドウィングにボールを収めてもそこから展開するだけの集中力を保つことが出来ず、とにかくボールが回らない。さらにはビハインドを負ったことで気持ち的にも参った感がある。完全にFC町田ゼルビアの術中にはまってしまった。

 低迷するガイナーレ鳥取だが、こうなるのは自明だったのかもしれない。ガイナーレ鳥取のボールがよく動いて攻撃的なサッカーは面白く、効果的なのは以前の観戦レポートでお伝えしたとおりである。しかしこのサッカーで勝つにはより一層強い集中力と体力を必要とする。春先では有効だった戦術だが、暑くなると同時にその勢いも収束した。ガイナーレ鳥取のサッカーの物理的な限界が訪れたといえる。

 しかし限界だから仕方がないと済ますわけにはいかない。いまこそ自らのスタイルを捨てて夏季し様の省エネサッカーをするべきではないだろうか。勝つには不十分かもしれないが、心身ともに削ってリスクを犯して負けるぐらいなら、アウェーは引き分け狙いという割り切りも必要と思う。戦力は十分に足りているので可能なはずだ。
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ヴィタヤ采配の疑問点

 ところで、スタメン表を見てその面子に驚いた。先週までジェフリザーブズでプレーしていた奥山がいきなり先発起用されているのだ。わずか一週間でフィットできたのかと思って蓋を開けてみれば実際はそうではなかった。

 確かに、的確なボール裁きや縦への突破などジェフで見せたプレーは健在している。しかし、どう見ても周りと合っていないのだ。自身の領域である右サイドで状況を打開しても、中で構えているのがいつもの面子と違うだけでプレーからメッセージが読み取れず、結果的に完全に浮いていた。

 今まで先発で使用していた選手を押しのけてまで使う必要はあったのか。まして負けている状況で後半31分まで交代させなかった意図が分からない。

 もうひとり気になるのがFWのハメドだ。ハメドは本当に先発に値する選手なのか。確かにアフリカ系ならではの一発の力強さとテクニックは素晴らしい。前節のオーバーヘッドも見事であったし、この試合でも枠に飛ばなかったが日本人には出来ない強烈な一発をお見舞いしている。

 一番引っかかっているのがそのサッカー選手らしからぬ体系だ。映像で見ていて特に腹周りの脂肪の付き方は尋常でないと思っていた。しかし改めてプレーを見たところで(暑さのせいもあったのだろうが)その体系が完全に足を引っ張っているように思える。周りの選手も彼を信頼しているゆえにボールを集めるのだが、それゆえに攻撃の流れを止めてしまっている気がした。以前観戦したアルテ高崎戦と横河武蔵野FC戦ではベンチスタートだったので気にならなかったが、90分通して見たところで改めて疑問に思った。ハメドは一発狙いならまだしも90分通して使う選手ではないというのが私の見解なのだが・・。
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夏、町田の順位速上々!?

 スコア以上に対照的な結果を得た両者。ガイナーレ鳥取は昇格のライバルであるニューウェーブ北九州に追い抜かれて4位に、FC町田ゼルビアは順位はさることながら、気が付けばその4位ガイナーレ鳥取と勝点4差まで縮めることが出来た。例外なく混戦になってきた今年のJFL。夏の暑さを味方につけたカワセミの季節がやってくる。

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