アルテ高崎vsジェフリザーブズ:観戦レポート

ここは高崎、浜川に訪れた歓喜

アルテ高崎 2-1 ジェフリザーブズ
後半29分 9 久保田 圭一
後半43分 24 大越 崇司
前半39分 18 金沢 亮

 振り向きざまに放たれたそれがゴールネットを揺らしたとき、スタンドの空間が歪んだ。屋根に何ともいえぬ歓喜が反響し、立体的に並べられた観客は座標軸を増やされたようにグニャリとベクトルを赤の24へと向けられ、ピッチにいたそれらも吸いつけられるようにひとつの山になった。まるで優勝をしたかのように喜ぶその塊を冷静になって見るまでに少し時間を要した。完全にのまれていた。
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優ったのはジェフ

 力の差は歴然だった。試合を支配したのはジェフリザーブズ。攻めては徹底して両サイドハーフを利用して一貫性のある攻撃を構築し、守ってはボールを奪うまでのプロトコルをチーム全員が共有しているようにことごとく跳ね返す。J2でも十分に通用しそうなその白チームと、中央を固めて跳ね返すことしか出来ないアルテ高崎を比べたらそれはもう雲泥の差に見えた。それは戦術だけでなく個人に対しても言えることでもある。玉際で強かったのはやはりジェフリザーブズの選手で、アルテ高崎はゆっくりと自陣でボールキープすることすら出来なかった。しかし、この試合を征したのはアルテ高崎だった。

 この結果をフットボールの神様の責任にするのは個人の自由だが、アルテ高崎が逆転できたロジックに対する必然性は当然ある。ポイントとして上げるのは「ジェフリザーブズの得点を1に抑えたこと」と「しぶとく攻め続けたこと」というなんとも普通のことだったりするのだが。
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崩壊へ

 試合の運び方は両者共通していた。前半、とにかく守って前半の終盤に1点、後半はとにかく守り抜く。これは今年飛躍した両者に共通する今期の勝ちパターンだ。それをみごと遂行したのは結果を見て分かるようにジェフリザーブズだ。前半39分に得点すると、あとは耐えて見せた。遂行し切れなかったのは乱暴に言えば若さゆえの過ちが原因だろう。

 兆候は前半からあった。必勝で望んだ両チームはヒートアップし、それがラフプレーとなって主審を忙しくさせた。上位対決らしいといえば聞こえはいいが殺伐とした雰囲気がより一層「無敗」のジェフリザーブズの選手の気持ちを散漫させたように感じた。

 そして転機となったのが後半25分頃のプレー。ジェフリザーブズの選手は自陣で立て続けにファールを犯す。確かに中には笛自体が怪しいこともあったが、その笛の原因となったプレーのひとつがペナルティエリア内で起こればそれは失点に値する。そんな簡単なことも忘れている様だった。

 自滅だ。
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気持ちで掴んだ勝利

 ジェフリザーブズの自滅はアルテ高崎の忍耐勝ちとも言える。前半終了時でリードを奪われたのは失策だったが、後半開始から久保田の投入で前線を厚くし、攻撃的に出たのがまず一つ目の正解だ。そして決して守備を怠ることなく単発でも攻撃をしぶとく仕掛けていったことが2つ目と3つ目の正解といえる。しぶとく守っていれば得点機会は必ず訪れる。誰もが知っている基本的な哲学にならった結果が最高の結果をもたらした。

 加えて、リードされていようが雨が強くなろうが絶えることなく選手を鼓舞し続けたアルテ高崎のサポーターも素晴らしかった。「集中!」「切り替えろ!」どこのサポーターも言うようなありふれた単語だが、それはとても温かく、戦場というよりもアットホームさが勝るJFLでしか味わえない、やさしい雰囲気だった。
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11節にして初黒星

 ジェフリザーブズがついに敗れた。この結果を受けてジェフリザーブズがどう変化するのかは非常に興味深い。無敗のプレッシャーから解き放たれて逆に伸び伸びとプレーするようになるのか、自信を喪失したままズルズルと順位を下げていくのか。ジェフというチームの腕の見せ所だ。しかし開幕10試合負けなしというのが素晴らしい記録であり、今年最高の功績の一つとなるのは誰もが認める事実である。
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