トキめき新潟国体サッカー競技成年男子準決勝結果

京都府(白)vs栃木県(緑):観戦レポート

 京都府の先攻で始まったPK戦は両者3人目まで全員が入れる。戦況が変わったのは京都府の4人目のキッカー中井義樹のとき。中井が左隅を狙って放ったシュートは栃木県のGK井野正行ががっちりとキャッチした。この瞬間がターニングポイントとなった。勝利の可能性がグッと近づいた栃木県の選手はハーフェラインから飛び出して喜びをはじけさせた——まだ終わっていないのに。サッカーの神様はそれを見逃さなかった。続く栃木県4人目のキッカー高秀のシュートも止められてしまったのだ。

 5人目は京都府の樋口大輝がきっちりと決めたのに対し、栃木県の前田和也がシュートを枠外にやってしまい試合終了。どんでん返しでPK戦を制した京都府は喜びを爆発させてバックスタンドから声援を送っていた関係者やファンの元へ全員で駆け寄り、勝利を分かち合った。

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京都府 1-1
(1-0)
0ex0
4PK3
栃木県
前半24分 15塩沢勝吾 後半13分 7高秀賢史

 いつになく多くの人で賑わった五十公野公園だった。紫のビブスをまとった報道陣や地元のかたがた。しかし、お目当ては男子の準決勝ではなく、陸上競技場で行われた女子の決勝「新潟県vs岡山県」だ。決勝の舞台は一味違う。そんな様子をわき目に、公園の奥にひっそりと構えていたのが今回の会場となるサンスポーツしばた。男子の準決勝「京都府vs栃木県」は盛り上がったであろう女子の決勝の裏番組として行われた。決勝の舞台に立つのは俺たち。決勝の舞台裏は静かな緊張感が漂っていた。

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 前回覇者である京都府はJFLの佐川印刷SCで構成されたチーム。1回戦で茨城県を、2回戦で長野県を退けて順当に駒を進めてきた。対する栃木県は関東1部の日立栃木ウーヴァSCをベースに構成されたチーム。1回戦で滋賀県を破り、2回戦ではJFLのソニー仙台FCで構成された宮城県に競り勝つ快挙を成し遂げている。栃木県が再び大物食いをやってしまうのか。それとも京都府が順当に決勝に駒を進めるのか。試合は両者が持ち味を存分に発揮する見ごたえのある試合となった。

 前半は実力で勝る京都府が優勢にすすめる。的確なポジショニングと丁寧なショートパスは、地域リーグのチームで構成された栃木県を前にしただけで際立った。攻撃ではポストプレーやワン・ツーといったシンプルな連携を上手に使ってサイドを縦に突破する。宮城県(ソニー仙台FC)を完封した栃木県の堅守に対しても十分に効果を発揮した。

 先制したのは京都府。24分に平井晋太郎が右サイドの突破から速く低いクロスを上げると、意表を突いた速攻にはさすがに栃木県も対応しきれない。京都府のFW塩沢勝吾がダイビングヘッドで合わせて先制した。

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 栃木県も左サイドに陣取る10を中心に効果的な攻めを披露した。ボールを奪ってからの早い攻めで京都府が留守にさせたサイドの裏を上手に使ってみせた。しかし京都府(佐川印刷SC)もだてにJFLの中堅チームではない。京都府の落ち着いた守りの前に、前半の栃木県はこれといった決定的なチャンスを作れなかった。

 ところで、この手の大会の最大の敵は過密日程だ。私はプレー経験があまりないのでその辛さは分からない。しかし例えば5日間で5試合が行われる全社では3回戦ぐらいでどんな強豪チームでも衰弱を見せる。トキめき新潟国体では過密日程を考慮して35分ハーフで行われてきたが、ハーフが短いとはいえ3日目には疲れは溜まるようだ。後半、京都府はリードした余裕もあったのか、疲れを見せはじめる。守備においても攻撃においても一つ一つのプレーのキレが弱くなり、徐々に攻撃が組み立てられなくなってくる。

 栃木県は京都府の隙を見逃さなかった。後半に入ってもひたすらショートカウンターを主体に攻撃を作っていたのだが、前半では作れなかった決定機を見せるようになった。そして迎えたのは後半13分の同点ゴール。栃木県は高橋駿太が左サイドの突破からクロスを上げる。これは京都府の守備に弾かれるが、そのこぼれ玉を高秀賢史が絶好のポジションで拾った。高秀賢史はこれを冷静にゴール左に流し込んでみせた。栃木県の諦めない姿勢が生んだ貴重な同点ゴールは逃げ切りたかった京都府に大きくのしかかった。

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 延長は疲れ気味だった京都府も半ば意地で元気を取り戻す。攻守を入れ替えては互いに決定的なチャンスを作りあった。それでも両GKを中心に守備陣が粘りを見せてスコアレスでPK戦へ。

 京都府は満を持しての決勝進出。持ち前の実力と経験をいかんなく発揮した。後半は疲れを見せたが、プレーの質と試合コントロールの両方でJFLの実力を存分に見せてくれた。

 栃木県の底なしの体力はどこから沸いてくるのか。バックラインが守備に専念しており、攻守の役割がはっきりしているので効率よく体力をやり取りできるのかもしれない。豊富な運動量は2つのJFLチームを十分に苦しめた。戦術のバリエーションが少ないのはいかにも地域リーグというところだが、バリエーションなどなくてもそれを繰り返すことでチャンスが出来ることを改めて証明した。

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準決勝結果

 2試合共に延長までもつれ込んだ。開催地新潟県は鹿児島県を相手にシュート数で圧倒しながら前半で得点を奪えず。新潟県は後半18分に先制を許してしまう。しかし後半ロスタイムに何とか同点に追いつくと、延長後半に2点を叩き込む劇的な逆転勝利を挙げた。

京都府 1-1
(1-0)
0ex0
4PK3
栃木県
鹿児島県 1-1
(0-0)
0ex2
新潟県

決勝戦!王者vs開催地

11:00 京都府 vs 新潟県 新発田市陸上競技場

 ポゼッションを武器にする新潟県と堅守速攻の京都府。非常にハイレベルな試合が期待できる。新潟県は京都府のサイド攻撃を警戒しながらどこまで自分たちのサッカーが出来るかが試される。新潟県はこれまでは岐阜県(FC岐阜SECOND)、香川県(カマタマーレ讃岐+)、鹿児島県(鹿屋体育大学)とJFL以外のチームと戦ってきた。JFLを戦っているチームを相手に勝利を目指すのはもちろん、チームの実力を計る場としても重要な一戦になる。

 しかしながら、多く駆けつけるであろう新潟県のファンにとってみれば(もちろん新潟県チームとしても)この決勝の舞台が終着地点となる。ここで結果を出さなければ意味がない。新潟県は女子(アルビレックス新潟レディース)が決勝で岡山県(岡山湯郷ベルーレ)に敗れた。少年の部でも新潟県は2回戦で青森県(青森山田高校)に敗れており、新潟県民が成年男子のJAPANサッカーカレッジに掛ける思いは非常に大きい。新潟県は最高の舞台、最高の重圧の中で格上となる相手を討ち取りたい。

 対するディフェンディングチャンピオンとなる国体マスター京都府も負けが許されない。相手が開催地であろうが新潟県はチームのカテゴリでは格下に当たるからだ。「国体のためにあるチーム」としての佐川印刷SCの意地もある。アウェーの雰囲気に飲まれることなく、何とか連覇を達成したい。

3位決定戦

11:00 栃木県 vs 鹿児島県 紫雲寺記念公園多目的広場

 3位決定戦は栃木県と、新潟県に敗れた鹿児島県(鹿屋体育大学)の対戦。鹿児島県チームについては今回縁がなかったので詳しくは分からないが、栃木県は宮城県(ソニー仙台FC)を破り、京都府(佐川印刷SC)と引き分けた結果を自身を胸に挑む。決勝進出は果たせなかったが3位を狙って堂々と戦い抜いてほしい。

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