トキめき新潟国体サッカー競技成年男子準々決勝結果

香川県(白)vs新潟県(赤):観戦レポート

 昨日に引き続きの観戦となった香川県と新潟県の一戦。香川県は1回戦で千葉県と対戦。JFLのジェフリザーブズを中心に構成された千葉県をスコアレスに抑えてPK戦で勝利するという番狂わせをやってのけており、最高のムードで開催地の新潟県との一戦を迎えた。緒戦独特の緊張感はなく、昨日に比べて比較的リラックスして試合に臨んだ両チーム。特に香川県は相手がJFLか地域リーグかでやりやすさが随分と違うみたいで、千葉県戦の時に比べても活き活きとしていた。

 前半、先に攻勢にでたのは香川県。開催地新潟県が開始と共に守備を固めたことにより、香川県が前係になったかたちだ。相手に主導権を握らせた新潟県は後半勝負かと思われたが、前半の終盤にサイドハーフをぐっと前に押し出して前傾姿勢をとった。すると、この狙いが見事にはまる。香川県はパス回しに少し余裕がなくなったことで新潟県の植田が香川県DFのゆるいパスを逃さずカットし、そのままキーパーと一対一へ。これをしっかりと決めて前半終了間際の素晴らしい時間帯で先制点を挙げた。新潟県恐るべし。攻めさせておいて要所で得点できる、この勝負強さは本物だ。

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 ところで、ハーフタイムには地元の園児たちがトッキッキダンスを披露した。地元民が多く駆けつけた会場は和やかな雰囲気とリードによる余裕から楽勝ムードが漂った。しかし、その空気をかき消すように会場に響いた「香川」コール。香川県から駆けつけたであろうファンからの、まだ諦めるなと言わんばかりの叱咤に奮起したのか分からないが、サッカーの神様は香川県に力をもたらした。

 香川県の反撃は、まず後半開始3分。香川県は三ヶ崎伸穂が前線にボールを放り込む。新潟県の又川淳也がこれを頭で難なく跳ね返すのだが、これが味方に当たり、フリーになっていた香川県の岡本竜之介に綺麗に渡ってしまう。岡本竜之介はこれを簡単に流し込み、思わぬ形で同点ゴールを上げた。そして続く後半13分には岡本竜之介がPA前から放ったミドルシュートが綺麗に突き刺さる。香川県は後半に放ったたった2本のシュートで逆転に成功した。

 盛り上がる香川県ベンチと対照的に静まり返るスタンド。血の気が引く音がするというのはこのことを言うのか。まさかの逆転に驚いたのは新潟県の選手も同じだったようだ。プレーに焦りが滲み出し、がむしゃらにゴールに迫る。しかし勢いに乗る香川県の守備陣はよく集中しており、なかなかゴールを割らせてくれなかった。

 それでもやはり新潟県は強かった。新潟県は右サイド後方で得たFKのクロスからゴール前で混戦を誘発すると、最終的に土井良太が叩き込んで何とか追いつく。新潟県にとって最悪の展開は免れた。

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 続く延長戦も新潟県が一方的に攻め立てる。なかなかチャンスを作らせてくれない香川県はゆっくりとプレーして逃げ切りのPK狙いの様子だった。香川県は2戦続いての番狂わせをやってのけるのと思われたが、現実はそこまで甘くなかった。香川県は延長後半5分にペナルティエリア内でファール(速報内でハンドと書いてましたが、足の裏を見せた危険行為でした。)を犯してPKを献上してしまった。香川県の強運は尽きた。新潟県はこのチャンスをキッチリとものにして残り5分間を耐え抜いた。

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香川県 2-2
(0-1)
0ex1
新潟県
後半3分 6岡本竜之介
後半13分 6岡本竜之介
前半29分 11植田雅之
後半30分 13土井良太
延長後半4分 14宇野沢祐次(PK)

 新潟県は強い。いや、ここは言い換えねば。JAPANサッカーカレッジは強い。相手は同じ地域リーグ上位のカマタマーレ讃岐をベースにしたチーム。実力は同等のはずだ。しかし結果は拮抗しているが内容は新潟県が圧倒していた。一つ一つのプレーに意味があり、狙いを持ってボールを運ぶことができているし、試合のマネジメントも出来る。得点がほしい時間帯にきちんと得点できているのが何よりの証拠だ。今年は地域リーグのチームをいくつか見てきたが、間違いなく昇格候補の筆頭になる。今から決勝大会が楽しみだ。

宮城県(白)vs栃木県(緑):観戦レポート

 「香川県vs新潟県」のまさかの延長突入で移動がギリギリになってしまった第2戦。到着した時には既に入場が始まっていた。会場となった新発田市中央公園は仮設のバックスタンドに地元の中学生が集団で観戦に来ており、特にゆかりのないであろう宮城県と栃木県のどちらを応援するかでもめていた。結果的にその辺はうやむやになったようだが、多くの観客に見守られるなかでキックオフを迎えた。

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 宮城県はJFLのソニー仙台FCで構成されたチーム。対する栃木県は関東1部の日立栃木ウーヴァSCを中心に編成されたチーム。JFL対地域リーグと結果が見えていた試合だった。

 何とも落ち着きがない試合だった。我先に先制点をばと攻撃を組み立てる両者だったが、それぞれの攻撃の起点を徹底的につぶし合ってチャンスらしいチャンスが生まれない。宮城県はロングボールも利用しながら速く丁寧に両サイドの高い位置へボールを運び、攻撃を組み立てようとするも、クロスを上げさせてもらえず、中央に展開しようにもことごとくつぶされた。栃木県はショートカウンター気味に手数をかけずに突破するのを狙っていたようだが、宮城県の的確な守備を崩すことが出来なかった。攻撃を組み立てては跳ね返されるというプロセスを互いに繰り返す展開となった。

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 こういうときは攻撃に緩急をつけるなどして試合にメリハリをつければいいのではないかと思ったのだが、両者の思惑にその方法はないらしく、攻めては取られを繰り返すスピーディな展開を繰り返して前後半の70分を終えた。前後半で放ったシュートは宮城県が3本で栃木県が6本。こんなにシュート数が少ない試合を見るのは初めてかもしれない。

 見方を変えると、それは両者の集中した守備を褒めることが出来る。なるほど、70分間ならチームは全力を出し切ったまま終了できるのか。

 ほころびが見られたのは延長戦に突入してからだった。延長前半の早い時間にそれぞれ決定的なチャンスを作る。まずは3分に栃木県。ショートカウンターから数的優位をつくると、左サイドに走りこんでいたフリーの高橋駿太がシュート。放たれたボールはキーパーの手を逃れて、入ったと思ったがこれはポストに阻まれる。宮城県は4分。右サイドからのクロスを本多進司が正面で合わせるが、体勢も悪く、これは打ち上げてしまった。そう、打ち合いならばこういう展開でないと見ているほうは楽しめない。

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 そして均衡が破れたのは延長後半7分。中央突破から五十嵐朋弥がゴール正面で受けて流し込み、決勝点を上げた。

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宮城県 0-0
0ex1
栃木県
延長後半7分 14五十嵐朋弥

 攻撃対攻撃という絶妙なバランスを保ちながら運ばれた90分間。壮絶なチャンス作り合戦は結果的に栃木県が制したが、いつどちらに転んでもおかしくなかった。もしこれが45分ハーフの試合だとしたら同じように攻撃と守備を繰り返すことが出来ただろうか。おそらく、35分ハーフという短いインターバルの試合だからこそ出来たのだろうと思う。過密日程で選手の体力を考慮しての35分ハーフであるが、この国体独自のルールが国体ならではのサッカーを生み出した。国体だからこそ出来るサッカー、国体でしか見られないサッカーを発見した。

準々決勝結果

 京都府が長野県に対して4得点を奪い、圧勝。優勝候補は着実に準決勝にコマを進めた。九州の大学対決となった宮崎県と鹿児島県の一戦は鹿児島県が接戦を制した。

京都府 4-0 長野県 新発田市中央公園人工芝
宮城県 0(0ex1)0 栃木県 新発田市中央公園人工芝
宮崎県 1-2 鹿児島県 サン・スポーツランドしばた
香川県 2(0ex1)2 新潟県 新発田市陸上競技場

準決勝

準決勝は宮城県(ソニー仙台FC)に勝利した栃木県が優勝候補の京都府(佐川印刷SC)に挑む。2試合連続の大物食いとなるか。地元の新潟県(JAPANサッカーカレッジ)は鹿児島県(鹿屋体育大学)と対戦する。

11:00 京都府 vs 栃木県 サン・スポーツランドしばた
11:00 鹿児島県 vs 新潟県 紫雲寺記念公園多目的広場
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