東海社会人リーグ観戦レポート

 遅くなりましたが、7月25・26日に行われた東海リーグの3試合「コニカミノルタ豊川SCvs矢崎バレンテ」「マルヤス工業vs静岡FC」、「浜松大学FCvs中京大学」の観戦レポートをまとめます。

コニカミノルタ豊川SC 0-4 矢崎バレンテ

 前半は矢崎バレンテのゴールラッシュ。会場に着いたのが遅かったために先制点は見ていないので分からないが、2点目は左CKから頭で合わせてゴール。3点目は右サイドの浅めの位置からGKとディフェンスラインの間に落ちる絶妙なクロスを放り込み、それをきっちりと頭で合わせた。4点目も左サイドからディフェンスラインの裏を狙ったボールを放り込んでGKと一対一の状況を作り出してフィニッシュ。サイドを制するものは試合を制すといわんばかりに両サイドを効果的に使って、コニカミノルタ豊川SCに何もさせないままあっさりと試合を決定付けた。今期の東海社会人リーグの首位を独走している矢崎バレンテ。問題がなければこのまま優勝を手に決勝大会進出を決めることだろう。

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 あえて不安要素を挙げると、5点目が取れなかったことだ。後半、コニカミノルタにサイドを警戒されるとプッツリと機能しなくなってしまった。セーフティースコアで無理に攻めることはなかったのだが、そこでしっかりと得点できる強さを見せてほしかったというのが感想だ。欲に過ぎないが特に前半のうちに5点、6点と取っておかなくてはいけなかった。

 裏を返せば、コニカミノルタ豊川SCはPKと止めたGKを中心に矢崎バレンテの攻撃を4点でシャットアウトした。苦しい表現になったが、後半の粘りには賞賛を送りたい。

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マルヤス工業 2-3 静岡FC

 2強体勢だった東海社会人リーグ1部を引っ掻き回しているのが2位の浜松大学FCとこのマルヤス工業だ。何でマルヤス工業が急に強くなったのか、あるいは静岡FCが弱体化したのかが分かる試合としてみていた。

 試合はいきなり動く。前半4分にマルヤス工業が左サイドを突破すると、前に出ていた静岡FCのGKの頭上を越す見事なループシュートを決めて先制する。更に23分にはショートカウンターから左サイドにボールをはこび、右サイドに展開。フリーで受けた18番がキーパーとの一対一を制して追加点。華麗なショートカウンター2発でマルヤス工業が先制した。マルヤス工業のバックラインの裏を意識したショートカウンターはかなり脅威だ。

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 一方、声も出ず全くと言っていいほど元気がなかった静岡FCは2点のビハインドを負ってようやく目を覚ます。先に言っておくが、いくらなんでも遅すぎる。前半30分に右サイドのクロスから頭で合わせて1点を返すと、35分には右サイドからのパスを中央で受けた選手がマルヤス工業の軽い守備を振り切ってGKと一対一に。これをキッチリとものにして前半のうちに同点に追いついた。

 後半はお互いに警戒しあった故になかなか攻撃の形が作れない。しかし終了間際に静岡FCが何とかゴールをもぎ取って逆転。雨脚が強くなった終盤は個人的にそれどころではなくなり、あまりよく見れていなかったのだが、勝負強さを見せた静岡FCが決勝大会進出に向けて何とか勝点3をもぎ取った。

 勝利した静岡FCだが、立ち上がりに主導権を握られたのは課題だ。静岡FCは上手なサッカーをするのだが、それが必ずしも勝つためのサッカーになっていない。その原因が何なのかは試合を見ただけでは分からない。しかし試合をコントロールする技術が無いのが決勝大会常連になっている最大の原因なのだろう。前半のうちに追いついた勝負強さや、逆転した勝負強さはあることは分かった。ゲームプランをしっかりともって戦えれば悲願は叶うはずだ。

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浜松大学FC 2-1 中京大学

 体感気温は40度ぐらいだろうか。薄手の雲が散乱しているとはいえ、青空から照射される日光は容赦なく大地を暖める。「暑いよ!」と文句を言いながら試合前のアップをする選手らが印象的だった。秋春制移行問題で冬の雪国ばかり引き合いに出されるが、夏の暑い中行われるのも非常に問題だと実感した。合点がいく結論が出ればいいのだが、この話題はこの辺で。とにかく東海社会人リーグ1部の「浜松大学FCvs中京大学」はとても暑い中行われた。

 前半は両チームとも守備的に入る。攻撃に人数をかけず、バックラインを崩さない。両チーム、サイド深くに侵入してクロスを上げるなどの攻撃は試みるものの集中して守っている両者のDFが決定機を与えない。似たような攻撃をするチーム同士の対峙はまるで紅白戦を見ているかの錯覚すら覚えた。

 試合が動いたのは後半8分。浜松大学FCのDFがキーパーへのバックパスを試みるのだがこれをミスしてしまい、ボールはキーパーを追い越してゴールを目指す。プレスに来ていた中京大学はこれを難なく押し込んだ。これで戦況は一変する・・と思われたが、意外にも浜松大は慌てなかった。冷静にそれまでどおりの攻撃を繰り返したのだ。するとこの落ち着きが功を成す。

 11分に右サイドの浅い位置から高くなっていた最終ラインに放り込んだ。すると中京大学のDFはクリアしきれずに流してしまい、抜け出した選手がGKと1対1に。これをきちんと征して同点にした。

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 ところで、この試合は数え切れないほどの警告が飛び交った。暑さゆえなのかヒートアップする両者。激しいタックルも交わし、特に中京大は危険な場所で反則を取られることが多かった。そしてやはりゴール前でのファウルというのは危険なものだ。中京大は後半16分に自陣PA前左でファウルを犯してFKを与えると、低く入ったクロスに対応できず、逆転弾を許した。

 何とか逆転した浜松大学は28分に一人少なくなった中京大を相手にキッチリとボールをキープして5分間のロスタイムもやり過ごし、大学対決を制す。決勝大会進出へ貴重な勝点3を掴んだ。

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盛り上がらない東海リーグ・・カギを握るのは岐阜と三重!?

 東海地方のサッカーチームは強い。地域リーグのレベルを見ても、矢崎バレンテ静岡FCは近年の全社で上位の成績を収めているし、昨年の地域決勝を見ても静岡FCこそチームがまとまらずに惨敗してしまったが矢崎バレンテはJFLに昇格したFC町田ゼルビアと互角の成績を収めている。今回の3試合を見ても矢崎バレンテ静岡FCのサッカーは全国レベルに限りなく近くあり、浜松大学FCマルヤス工業も非常に上手なサッカーをしている。今期観戦した地域リーグの試合を乱暴に比較してみても、関西の上位4チームと遜色ない。FC岐阜以来の昇格チームが出ないのが不思議なぐらいだ。

 そしてこの不思議を解決する糸口になりそうな事実がひとつある。観客がとにかく少なく、興行としてなりたっていないということだ。観客があってこそ緊張感のある試合が出来るのであって、毎試合緊張感がある試合をこなすからこそ本番である決勝大会でのプレッシャーにも勝てる。・・というのは素人の意見なのだろうか。北信越という反例もあるが・・。理論の解説を棚に上げて話をそらすが、それ以前にせっかく地域リーグ屈指の試合が毎週行われるのに、殆ど観てもらえないと言うのは非常にもったいないと思う。

 不思議を解決する2つ目の事実として東海社会人リーグ1部は愛知県と静岡県の2県からしかチームが出ていないこともあると思う。愛知県と静岡県は仲がいいわけでもなければ悪いわけでもない。特に静岡県は名古屋と癒着している岐阜県や三重県と違って、わが道を歩くといった具合に愛知県に関しては全く無関心なのだ、私が知る限りでは。現状の「静岡・愛知プレミアリーグ」では都市間の対抗で盛り上がっている東北や信州、関西、九州のような効果は起きない。

 だからこそ期待されるのは岐阜県や三重県のチームの台頭だ。特に東海2部で首位をひた走る三重県のFC鈴鹿ランポーレや2位争いをしている伊勢ペルソナFCの2チームと岐阜県はFC岐阜の下部組織に当たるFC岐阜セカンドに期待している。岐阜県や三重県のチームの「名古屋にまけるな!」「サッカー王国がなんだ!」という気合がほしいものだ。それだけで盛り上がるかといえば分らないが、たゆんだ1部の最高のスパイスとして岐阜と三重には頑張ってもらいたい。

 以上、会場の振り分けもいっぱいいっぱいと言う東海社会人リーグの現状を知った上で書きました。

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