東京23FC vs tonan前橋側:観戦レポート

関東リーグ1部開幕戦。関東1部初挑戦の東京23FCがホーム江戸川陸上競技場にtonan前橋を迎えた。共に将来のJリーグ入りを考えているチームで、東京23FCは来季のJFL、tonan前橋は来季のJ3へ向けて動いているらしい。それぞれの目標へ勝負の1年が幕開けた。

天気は晴れだが、爆弾低気圧の余波で風がとにかく強い。午前中に観戦した埼玉県リーグの試合も風が強く試合に影響していたが、この試合は果たして。会場には地元の少年団と思われる小学生の団体が多く招待されており、失礼ながら東京23FCの試合とは思えないくらいに賑わっていた。
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現実で始まった夢物語

かつてないくらいたくさんの「東京23」コールを受けて関東1部の舞台に立った東京23FCだったが、いきなりの苦戦を強いられる。前半0分、tonan前橋はFW36大森亮太が右から持ち込んでペナルティエリアに差し掛かったところでシュートを放つと、これが綺麗にゴール左に収まった。目指すところが違うんだと言わんばかりの電光石火の先制劇で「江戸陸から始まる夢物語」は幕開ける。
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スコアに差ががついたところでtonan前橋は守備に重きを置くようになる。tonan前橋はもともと守備が上手いチーム。国体や全社などのトーナメントで伝統的に結果を残しており、今年のチームもどうやらその伝統は引き継がれているようだ。tonan前橋は3バックの真ん中に入ったDF5ドグラス・ピレスデソウザを中心に隙のない守備ブロックを形成する。攻撃は前線の数人に委ねられた。前半28分、tonan前橋は右からあげたクロスにMF19亀井一が頭で合わせたが、左に外れる。風に乗った速いクロスに合わせられるその技術と思い切りよ。
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東京23FCはこの隙のないtonan前橋の守備網をこじ開ける術が分からなかった。サイドに開いたり、ロングボールを放り込んでみたり、カウンターを仕掛けたりとさすがに手を尽くすが、結果として決定的な場面は一度も作れずに前半の45分を過ごした。
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幕開けた東京23劇場

後半に入るに当たり、手詰まりとなっていた東京23FCがどう変化をつけてくるかがひとつポイントになったが、この疑問に対する答えは提示されなかった。そんなことを考えているうちに再びtonan前橋が襲いかかる。後半1分、tonan前橋はカウンターからゴールに迫った。最後はマイナスに折り返したパスをMF19亀井一がシュートしたが、上にわずかに外れた。
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このままtonan前橋が押し切るのか。東京23FCは攻撃の選手を次々と投入する。気持ちは前がかり。しかしあと一つの歯車がかみ合わない。後半19分、東京23FCは右CKからDF24市村瞬がGKの手前で合わせたが、シュートはポスト?に防がれて決まらない。決まりはしなかったが、ようやく訪れた東京23FCの決定機にスタンドの関心を一気に味方につけた。鬼ごっこをしていた子供達も足を止めて「東京23」コールをはじめる。
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そしてこの勢いに後押しされたか、お約束の東京23劇場が始まる。後半23分、東京23FCは右サイドから放り込んだボールにMF13三沢慶一がゴール正面で頭で合わせて同点とする。
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後半34分、東京23FCは左サイドからのクロスにDF3中山友規が頭で合わせて逆転した。共にクロスから似たような形での得点。3バックという数的な問題なのか、もしかしたら東京23FCは試合中にtonan前橋の弱点を見抜いたのかもしれない。
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tonan前橋の意地

江戸川陸上競技場がびっくりするくらいに盛り上がった。「(この集められたお客さんのうち)どれだけの人がサポーターとして残るのだろう」「1割いたら御の字でしょう」とは観戦仲間との会話だが、この逆転劇で一気にその割合を増やしたに違いない。しかしホームチームが逆転でスタンドを盛り上げた一方で、強豪tonan前橋もそう簡単に屈しない。後半36分、tonan前橋はMF7エマニュエル・アグがゴール正面でDFをかわしつつふらつきながら放ったシュートが右隅に収まって同点となる。東京23FCは逆転した安堵感からか、試合の進め方の意思疎通が出来ていなかったからか、この瞬間は集中を切らしていたように見えた。
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後半38分、tonan前橋はMF14宮崎明浩がゴール正面から放ったミドルシュートが左隅に決まり、逆転する。
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正直、tonan前橋がここまで粘り強い打ち合いが出来るとは思えなかったので驚いた。守れるけど攻めれないというtonan前橋に対する偏見を捨てる必要がありそうだ。

劇的過ぎた序章

試合は3-2でtonan前橋が勝利。tonan前橋の選手らは大観衆の前での劇的勝利に優勝したかのような喜びを見せ、東京23FCの選手らは方を落としながらも、惜しみない拍手と声援を受けた。

おそらくこの会場に訪れていたほとんどの方が東京23FCを初めて観たお客さんだろう。東京23FCとしては勝利を見せられず悔やまれるところだが、1点のビハインドに屈することなく攻め続け、一度は逆転したその勇敢な姿勢はスタンドのお客さん一人一人の胸に刻まれたはずだ。東京都心という世界有数の人口密集地域で、どれだけのサポーターを掴めるかという点でも今年は注目できそうだ。
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それにしてもtonan前橋は本当に強かった。開幕の段階でこの勝負強さを発揮されたとなると、今年1年でどこまで伸びるのだろうか。J3へ向け、秋の来るべき全国の舞台で、このチームがどれだけの高みにいられるか楽しみだ。
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