福島ユナイテッドFC vs 横河武蔵野FC:観戦レポート

日本フットボールリーグ第2節。福島ユナイテッドFCはホーム開幕戦に横河武蔵野FCを迎えた。福島ユナイテッドFCは開幕戦でFC町田ゼルビアに、横河武蔵野FCは開幕戦で藤枝MYFCにそれぞれに勝利してこの試合を迎えた。つまりは開幕連勝を賭けた戦いだ。福島ユナイテッドFCはこの試合がJFLホーム初試合となり、記念の試合でもある。試合前には福島市の市長がマイクを片手に「この試合は勝たねばならない」と観客席を鼓舞した。会場は福島市街の外れに位置する信夫ヶ丘陸上競技場。遠くには雪を被った山も見えるロケーションながら、暖かな日差しと爽やかな風に包まれ、絶好の観戦日和となった。
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攻める横河武蔵野FCの逆を突く

試合開始直後に攻勢を仕掛けたのは横河武蔵野FCだった。横河武蔵野FCはサイドで丁寧にボールを回すと、手間をかけずにゴール前へと放り込んでチャンスを作ろうとする。しかしながら福島ユナイテッドFCの守備陣は立ち上がりから的確にこの攻撃の芽を潰しており、横河武蔵野FCにチャンスを与えない。いつ、いかに横河武蔵野FCがこの守備網を崩すか。そんな物語が始まりそうなところで急展開を迎える。

前半9分、福島Uの得点者はMF6鴨志田誉。アシストはMF25白井康介。MF6鴨志田誉は本日1点目。福島ユナイテッドFCは右サイドでボールを保持したMF25白井康介がそのまま絞り込むようにペナルティエリア内へ持ち込むと、頃合いを見計らってボールをファーに送り込む。このボールをフリーで飛び込んできたMF6鴨志田誉が丁寧に合わせて先制点とした。
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カウンターが冴える福島ユナイテッドFC

果敢に攻めてくる横河武蔵野FCに対して福島ユナイテッドFCはひたすらカウンターの機会を伺う態度を示していた。そして結果として福島ユナイテッドFCは引き続き多くの決定機を得る。

前半26分、福島ユナイテッドFCはカウンターからMF10金功青が左サイドを抜け出すと、十分に注意を引きつけてから折り返す。この折り返しをFW28金弘淵が足元で合わせたが、シュートは打ち上げてしまった。
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前半28分、福島ユナイテッドFCは右サイドをFW28金弘淵が突破し、クロスをMF10金功青が頭でピタリと合わせたが、シュートはGKの真正面を突いた。
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前半は福島ユナイテッドFCが1点のリードを奪って終える。

攻めきれない横河武蔵野FC

後半に入っても攻める横河武蔵野FC、カウンターの福島ユナイテッドFCという構図は変わらない。しかし互いに守備の意識が高くて攻めきれず、停滞感に包まれた。そんななか、後半2分、横河武蔵野FCは左コーナーキックからDF4瀬田達弘がニアで頭で合わせる絶好の場面を作る。しかしこのシュートはバーを叩き、その後の波状攻撃も実らなかった。
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勝っている福島ユナイテッドFCとしてはこのまま跳ね返すだけでよいのだが、横河武蔵野FCはそれでは困る。後半15分にはMF18小野祐輔に替えてMF17矢部雅明を、後半21分にはMF6遠藤真仁に替えてDF29上田陵弥を、後半32分にはFW11小林陽介に替えてMF22永露大輔を投入するなど変化を試みたが、とりわけ打開には至らなかった。後半29分、横河武蔵野FCは左コーナーキックからMF7岩田啓佑が直接狙ったが、バーを叩く。
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必死に食らいつくが実らない、横河武蔵野FCの愛すべき手詰まり感が後半を圧倒的に支配する。最後は後半アディショナルタイムにGK1飯塚渉が奪われたボールを取り返そうとファウルを犯してPKを献上する。福島ユナイテッドFCはこのPKをMF10金功青が右隅に丁寧に決めて試合を締めくくった。
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最初で最後の「初JFLホーム開幕戦」を勝利で飾る

試合は福島ユナイテッドFCが2-0で勝利。ワンチャンスで先制して攻めてくる横河武蔵野FCの攻撃をいなし続けるという非常に現実的で渋い勝ち方をした。ゴール前の場面が乏しく、エンターテイメントという意味では物足らないものになってしまった。しかしながらJFLの老舗を相手に最初で最後の「初JFLホーム開幕戦」を勝利で飾った結果そのものは、この日訪れた千人近くものお客さんの思い出としてしっかり刻まれたはずだ。
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それにしても、昨年の全社東北予選の時はホームにかかわらずカテゴリ相応の人数のサポーターしかいなかったのに、半年で異様なまでに膨れ上がっている。メディアの数からしても注目度の高さが感じられた。前節はFC町田ゼルビアを、昨年は天皇杯でJリーグのチームを次々と倒す快挙を成し遂げた、今日の試合から想像するに、おそらくこのような欲のない現実に即した戦い方をしてきたのだろう。「勝利こそが最大のアピール」とは都市伝説のような話ではあるが、福島ユナイテッドFCは昨年から正しくそうして注目を集めてきた。少なくともピッチ内は本当にいい仕事をしている。しかしチームは組織。組織は生もの。良い時もあれば悪い時もある。今の福島ユナイテッドFCは非常に良い波に乗っている。多くのお客さんの心は今のうちにがっちり掴んでおきたい。
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一方で、敗れた横河武蔵野FCは最後まで諦めずに食らいつくグッドルーザーであり、サポーターも相変わらず素晴らしいエンターテイナーだった。彼らの精一杯のサッカーはいつだって見ていて清々しい。今年もムサリクに行くのがとても楽しみだ。
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