福島ユナイテッドFC vs ノルブリッツ北海道:観戦レポート

東日本社会人サッカー大会決勝。選抜チームがひしめくなか、単独チームとして臨んでいた優勝候補の福島ユナイテッドFCノルブリッツ北海道が順当にこの舞台へたどり着いた。この対戦カードは昨年の地域リーグ決勝大会のグループリーグで実現しており、その際は福島ユナイテッドFCが5-2で押し切っている。両チーム共に適度な補強でグレードアップを果たしており、その成長した姿を見せつけることになる。北海道リーグ前期優勝のノルブリッツ北海道が昨年のリベンジを果たすのか、東北リーグ昨年王者の福島ユナイテッドFCが実力の違いを見せつけるのか。会場は引き続き川口市青木町運動公園陸上競技場。青空が憎らしいほどの酷暑ではあったが、風がささやかな癒しとなっていた。
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ノルブリッツ北海道が優勢に進める

試合は立ち上がりからノルブリッツ北海道がいい形を作り続ける。ノルブリッツ北海道はワントップのFW17畠山直人をターゲットに、昨日も見せたシンプルな放り込みから得点を狙う。

前半8分、ノルブリッツ北海道は左CKからFW17畠山直人が競り勝って頭で合わせたが枠外に外れる。
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前半16分、ノルブリッツ北海道は左サイドからの放り込みに対してFW17畠山直人がニアサイドへ飛び込んで合わせた詰めきれず枠外に外れた。
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前半21分、ノルブリッツ北海道はFW17畠山直人が相手の最終ラインからボールを奪い、シュートまで持ち込む。不意に訪れた絶好機だったが、シュートはGKに止められた。
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食らいつく福島ユナイテッドFC

予想を覆すノルブリッツ北海道の優勢は福島ユナイテッドFCがお試しメンバーだったから、あるいは日程によるコンディションの差が表れたか。倒れこむ選手が度々表れていたのでおそらくは両方影響していたのだと思う。福島ユナイテッドFCはクタクタになりながらも丁寧にボールを繋いで突破口を探った。

前半27分、福島ユナイテッドFCは右サイドからのクロスにフリーのFW17平岡佑太が頭で合わせたがゆるい弾道のシュートは枠外へ外れる。前半31分にはFW17平岡佑太が一人で中央突破してシュートを放ったが、DFに防がれた。
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福島ユナイテッドの不思議な勝負強さが炸裂

あとひとつのところまでボールをつなぐのだが、攻めきれない。ノルブリッツ北海道がもたもたしていることもあり、そのままスコアレスで終えるのだろうと思えたが、意外な展開を迎えた。前半45分、福島ユナイテッドFCは左サイドから送られたクロスのこぼれ球をMF32小野雄平が遠目の位置から豪快に叩き込む。福島ユナイテッドはこれまでの2試合、どんな状況であろうとリードを奪って試合を折り返してきてきた。この勝負強さがどこに起因しているのか本当に不思議だ。
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後半戦消化モードへ

後半に入るとたちまち試合はこう着した。元々守備的なサッカーをするノルブリッツ北海道に対してリードしている福島ユナイテッドFCも無理をしてこなくなったからだ。無理をして勝ち取る必要もない大会なのでコンディションも考えると健全な考え方だ。実際に福島ユナイテッドFCはここ2試合、守備的な姿勢をとったら失点していない。眈々と時間だけが過ぎ去っていった。

後半14分、ノルブリッツ北海道は速攻からFW17畠山直人が正面から強烈なシュートを放ったが枠外に外れる。
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後半15分、福島ユナイテッドはMF8石堂和人が相手最終ラインでボールを保持し、シュートまで持ち込んだが僅かに上へ外れる。
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これが北海道ナンバーワンの意地

このまま低調な終えるのかというところだが、さすがは北海道ナンバーワンのノルブリッツ北海道といったところか。我慢強く攻撃の機会を待ち続けると、ひとつのチャンスをゴールに結びつける。後半30分、ノルブリッツ北海道はショートカウンターから左に開き、MF6小玉翼の折り返しをMF13相木良介が足元で合わせた。ノルブリッツ北海道が1-1に追いつく。
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北海道勢は全国大会でどうしても下馬評を低くしてしまう。それは例えば3戦全敗した昨年の地域決勝など過去の戦績があるので、そう思わざるを得ない。しかし実際に試合をしている様子を目の当たりにしてみると、彼らは一生懸命にボールを追いかけ、真摯に勝利を求めている。昨年に大敗した相手を前にしても五分どころか上回る勢いで試合を動かしていた。ノルブリッツ北海道だけでなく社会人北海道勢が報われる日が来るのはいつになるのだろうか。

福島ユナイテッドが総力戦へ

追いつかれたことで福島ユナイテッドFCはついにベンチが動き出す。福島ユナイテッドFCは後半34分にMF32小野雄平に替えてDF2岡田亮太を、後半36分にFW17平岡佑太に替えてMF10金功青を投入。MF10金功青は試合中ずっとベンチでうずうずとしていた様子が見て分かった。福島ユナイテッドFCのエンジンMF10金功青が入ったことでいよいよ勝ちにいく。試合は急激にテンポアップした。

急に訪れた激戦を制したのは福島ユナイテッドFCだった。後半40分、福島ユナイテッドFCはFW7時崎塁がペナルティエリア内でボールを保持すると、このプレーがファウルを誘い、PKを獲得する。福島ユナイテッドFCはこのPKをMF10金功青が右上に決めて突き放した。
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福島ユナイテッドFCが初優勝

福島ユナイテッドFCはエースの得点を今度こそ守りきって2-1で勝利。東北王者として臨んだ初めての東日本社会人サッカー大会を制した。振り返れば3試合共に先制してから一度追いつかれ、
突き放すという完璧な試合をしてみせた。厳しい見方をすると、この失点癖を見てしまったからには昇格候補には挙げられない。今回はたまたま地力で劣るチームばかりが相手だったから何とかなったが、2点取らないと勝てない試合をしていてはいずれ足をすくわれる。メンバーがいつもと違っていたからという反論は受け付けない。その言い分が一切通用しないのは福島ユナイテッドFCが去年の地域決勝の時にGK不在という形で十分に体験しているからだ。本大会をメンバーを入れ替えながら臨んだのはそういう経験があったからなのだろう。

しかしチームの雰囲気の良さと不思議な勝負強さは目を見張るものがあった。取られても取り返してしまうのはそれだけ破壊力がある攻撃を組み立てられるからなのだと思うが、果たしてそれだけだろうか。

地域決勝の短期決戦を戦う上で完璧なチーム作りをするに越したことはないが、チームワークとノリで勝ち上がれる大会でもある。かつてJ1をも倒すカウンターと大サポーターを武器に勝ち上がったクラブがあったように、この一体感を12月まで維持できれば十分に全国を勝ち取れるチームになることだろう。
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これでもまだまだ国体予選前

ところで福島ユナイテッドFCノルブリッツ北海道も共に両道県の国体選抜チームとして活動することになっている。他県の国体選抜チームに混じりながらも圧倒的な力を見せつけたあたり、少なくとも他の出場チームよりは大きくリードをしていることみれる。素晴らしい両チームの国体での活躍を楽しみにしたい。

・・っとまとめられないのが東北の福島ユナイテッドFCだったりする。東北地域は実は国体の優勝候補がひしめく激戦区。宮城県(ソニー仙台FC=JFL)や秋田県(ブラウブリッツ秋田=JFL)の壁を突破しなければならない。準備段階の厳しさを目の当たりにするとたかが国体と言われがちな大会でも非常に難しい大会に感じる。今年の国体は岐阜県での開催。観戦予定は1回戦のみだが今から楽しみで仕方がない。
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