中京大学FC vs Chukyo univ.FC:観戦レポート

東海社会人リーグ1部。かつて中京大学FCは東海リーグ1部の上位争いに常に顔を出すチームだったらしい。東海社会人リーグのパンフレットに目を通すと、上位に「中京大FC」の名前がひょこひょこと顔を出す。そんな中京大学FCも2010年に2部降格という屈辱を味わうのだが、見事に1年で1部に帰ってきた。・・Chukyo univ.FCを引き連れて。

中京大学FCが中京大学サッカー部の2軍であれば、Chukyo univ.FCは3軍に相当する。パンフレットを読むと確かにChukyo univ.FCの方が若い選手を揃えている。ところが成績を見てみると、Chukyo univ.FCが勝ち点7で6位、中京大学FCが勝ち点0で8位という成績。それどころか昨年の2部での対戦は1勝1分でChukyo univ.FCが優っており、リーグ戦もChukyo univ.FCが1位、中京大学FCが2位という成績だった。今年も東海リーグファンの中では「3軍の方がいい」と好評らしいのだ。試合会場は中京大学豊田キャンパスにある中京大学グラウンド。
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中京大学FCの完成された速攻

試合開始と共にボールを支配したのはChukyo univ.FCの方だった。Chukyo univ.FCは丁寧にボールを動かして中京大学FCを押し込む。しかし中京大学FCの守備陣が丁寧なディフェンスラインを敷いており一切の侵入を許さない。逆に中京大学FCのカウンター機会が増えていった。

中京大学FCはトップに入ったFW9杉浦一樹を最終ラインの裏にどんどん走らせ、高い位置にボールを収めることに成功していた。前半12分、中京大学FCは右サイドをFW14山下純輝が突破し、折り返しを後方から走り込んで来たFW10早川晃博がシュートを放つ。このシュートはふかしてしまったが最初の攻撃を決定機とした。前半17分にはカウンターからFW9杉浦一樹が抜け出し、波状攻撃をしかける。最後はペナルティエリア内でFW10早川晃博がよく狙ったシュートを放ったが、GKが素晴らしい反応で止めた。
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中京大学FCに生まれた些細で致命的なミス

2軍であるところの中京大学FCの方が確かにゴールに近い。Chukyo univ.FCは前線の選手が役割を果たし切れておらず攻撃の形がなかなか作れずにいる。中京大学FC優位かと思われた展開だったが、事件が起きた。前半22分、Chukyo univ.FCはMF20内木健智が相手GKからボールを奪い、そのままゴールへ流し込んだ。中京大学FCとしてはルーズボールを一瞬お見合いしてしまった非常にもったいなかった場面だった。
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ミスはすぐに取り返すもの

もったいないミスから失点してしまった中京大学FCではあったが、この程度で動じることはなかった。引き続きひたすら鋭いカウンターをしかける。そして追いつくのは思ったより用意だった。前半36分、中京大学FCは右コーナーキックを得ると、ペナルティエリア内の遠いサイドにボールを送り込む。このボールはMF6相場達朗が丁寧に足元に収め、目の前に大きく広がったゴールマウスへとボールを叩き込んだ。今期未勝利の中京大学FCとしては何が何でも勝っておきたいというもの。2軍の面目を保つべく前半で追いついた。
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魅せたChukyo univ.FC中京大学FCを封じる

後半もChukyo univ.FCが先に主導権を握るのだが、今度は一味違った。Chukyo univ.FCは右サイドの高い位置でボールを丁寧に回すことで攻撃の起点を作っていた。その核となっていたのはDF7松井奏多。高いキープ力と挑戦的なスタイルで中京大学FCの守備陣を翻弄していた。
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後半14分、Chukyo univ.FCは周りの選手を囮にDF7松井奏多が右サイドから切り込み、ゴール正面でシュートをはなつ。シュートはDFに当たってGKに処理されたが、Chukyo univ.FCは高度なサッカーを魅せつけた。
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試合はやがてこう着し、身内対戦ならではの笑い声と野次りあいすら起きる。バタバタと攻守を入れ替える展開が続いた。この間、気がつけば中京大学FCのカウンターはまるで機能しなくなる。それもそのはずで、ターゲットの選手を抑えてしまえばそれまでのこと。中京大学FCは後半12分に早くもFW9杉浦一樹に替えてFW23佐野傑を投入していた。

引き離し、追いついてドロー

両チームを比較した時、中京大学FCの完成度の高さは際立った。中京大学FCの方がチーム全体としての意図がよく浸透している。それもそのはずで、中京大学FCのサッカーは非常にシンプルなもの。一口に「守って速攻」。誰もが理解できる簡単なサッカーだ。一方のChukyo univ.FCは完成度が低く感じたものの、いかにボールを動かして崩すかというのを追求しているように思えた。実力がほぼ同じのチーム同士で拮抗した時にどちらが勝るかといえば、ある程度頭をつかうサッカーに取り組んでいる方となる。後半31分、Chukyo univ.FCは最終ラインに空いた穴を見逃さず、MF6澤藤宏和がスルーパスで抜け出してGKと一対一を制した。Chukyo univ.FCが突き放しに成功した。
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試合も終盤に入り、異変に気がつく。テンションが上がったスタンドからピッチに投げられる選手名が手元で記録しているものと違う・・。どうやら中京大学FCChukyo univ.FCを逆に見ていたことが判明した。このレポートは正しい情報に直しているので、「逆に見ていた」など書けば逆に読者さんを混乱させるかもしれないが、情けない失敗談として記録しておく。焦って長良クラブが配布していたパンフを改めて見てみれば、Chukyo univ.FCはホームがエンジ色、中京大学FCはホームが青と記されていることに気がつく。後半44分、中京大学FCは中央突破からFW14山下純輝が抜け出し、GKとの一対一を制すと、同点に追いついた。
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まるで同じでまるで違う

どや顔でTwitter速報をしながら誤情報をばら撒いていたこと本当に申し訳ありません。自分のミスを棚に上げて上から斬りこむが、試合会場にはチーム名を示すものが何もない。そもそも東海社会人リーグの試合をしているかすら定かになっておらず、一見したらただの紅白戦だ。「東海リーグは試合を見せるという考えがない」と東海リーグを戦うチームのサポーターさんが嘆いていたのを思い出す。

東海リーグ1部で実現した中京大学ダービーは中京大学FCが2度のビハインドを追いついて引き分けた。同じチームでありながら大きく性格が違っていたことに驚かされた。そして中京大学FCよりもChukyo univ.FCの方が順位が上な理由もうすらと見えてきた。確かに中京大学FCの方がチームとしては成熟しているが、果たして積み重ねるものがこの先にあるのだろうか。その試行錯誤が試合を通じて感じられなかったあたりに不安が見えた。まだハードルが高いサッカーを目指しているように見えたChukyo univ.FCの方がリーグを終えた時の成績に期待ができる。チームを間違えていた身分なので大きな口は叩けないが、またひとつ興味深い現象を地域リーグに見つけた。

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