横河武蔵野FC vs カマタマーレ讃岐:観戦レポート

日本フットボールリーグ。武蔵野陸上競技場には横河武蔵野FCカマタマーレ讃岐を迎えた。横河武蔵野FCは当ブログではおなじみとなっているが、今年は下位に甘んじてしまっているチーム。とりわけホームで勝てておらず、毎回ではあるが、今度こそのホーム戦勝利を目指す。カマタマーレ讃岐は混沌とする上位グループでも更に上位をキープする実力のあるチーム。Jリーグ準加盟チームのひとつで、昨年は諸条件を満たしながら4位以内という順位条件を満たせずにJリーグ加盟を果たせなかった。今年は諸条件も含めて唯一Jリーグ加盟を果たせるチームということで引き続きの挑戦を行っている。カマタマーレ讃岐は前節が休みだったために2週間のインターバルをあけての試合となった。天気は雨上がりのカラッとした晴天から徐々に雲が厚くなる不穏な空気となっていた。
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猫だましの先制ゴール

開始早々に試合は動く。前半3分、カマタマーレ讃岐は敵陣左サイドでFKを得ると、素早く前線にスルーパスを通し、最後はFW9石田英之が流し込んだ。特に変哲もない位置でのFKだったこと、このシュートがファーストシュートだったこと等を総合しても不意をついた場面。完全に油断をしていたのは観客である私だけでなく、横河武蔵野FCの選手もそうだったのかもしれない。カマタマーレ讃岐が猫だましのような攻撃で早速先制した。
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スコアが動いてからはしばらくカマタマーレ讃岐の好機が続く。今年のカマタマーレ讃岐の試合を観るのは今回が初めてだったのだが、試合展開がとても速いチームという印象をもった。攻守の切り替えがキビキビしていたという点がそのひとつではあるが、パススピードもJFLのレベルを逸していた。特にトップにボールを収めてからシュートまで持っていくスピードは本当に早く、横河武蔵野FCもその速さに慣れるのだけで15分ほどを費やした。
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慣れないスピードに翻弄

横河武蔵野FCが最初の決定機を迎えたのは前半26分のこと。左サイドでボールをもったMF14加藤正樹がそのままペナルティエリア内まで持ち込んでシュートを放ったが、右に大きく外れた。
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横河武蔵野FCカマタマーレ讃岐のスピードに慣れてきたところでカマタマーレ讃岐のシュートラッシュは収まるのだが、無理に合わせた反動で横河武蔵野FCにラフプレーが増え、呼応するようにカマタマーレ讃岐も荒っぽいプレーが増えてくる。J2並のゲームスピードで展開される試合に驚いたのはおそらく審判も同じだったのだろう。基準を引くのが難しい展開で多くの警告が振舞われてしまった。その煽りを食らったのがカマタマーレ讃岐で、前半39分にMF14中島健太が2枚目の警告により退場してしまう。
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前半はカマタマーレ讃岐が1点をリードして終えるのだが、どちらともいえない状況のままに後半の出方を見ることになった。

攻撃の横河武蔵野FCと、守備のカマタマーレ讃岐

後半にはいる前のハーフタイムに横河武蔵野FCが早くも動いてくる。DF3熊谷寛に替えてFW24枠山翔を投入した。誰もが思い描いた守備的なカマタマーレ讃岐に対し、先手を撃つ形でスーパーサブを早くも投入してきた。そしてやはりカマタマーレ讃岐は守備を固めてきた。

カマタマーレ讃岐は中盤以降の6人ががっちりと守備のブロックを形成する。対する横河武蔵野FCは前線に4人を並べる非常にアンバランスな布陣を敷く。横河武蔵野FCはカウンターも辞さないリスクをかけてきた。

やがてリスクをかけた甲斐もあり、横河武蔵野FCの攻撃が得点に近付きはじめる。後半4分、横河武蔵野FCは右斜め前で得たFKからMF6遠藤真仁が直接狙う。鋭いシュートではあったが、ゴールを僅かに外れた。
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カマタマーレ讃岐がカウンター2発で突き放す

後半8分、カマタマーレ讃岐は選手交代のカードを切る。FW9石田英之に替えてDF22神崎亮佑を投入した。3トップ1シャドウの超攻撃的布陣から攻撃の駒をひとつ守備にまわした。数字で表すならば4-3-0-2のフォーメーション。早くも逃げ切り体制に入った。

後半10分過ぎという速い時間帯で1点のリードを守りきりにはいったという戦い方には分かりやすくも是非を問うべきリスクの高い戦いかただ。今回の場合は一人少なかったという事情があるので例外的ではあるが、余程の自信がなければこの戦い方は選択できない。この状況で1点を守りきって勝てたのならばイタリア人も絶賛するほどの立派な試合となるのだが、1-0で勝てたらなどという評価はカマタマーレ讃岐にあまりにも失礼だった。

後半15分、カマタマーレ讃岐はカウンターから抜け出したFW11西野泰正がGKとの一対一を制して2点目をあげると、後半24分にもカウンターからFW21岡本秀雄が得点して突き放す。カマタマーレ讃岐は押し込まれる展開の中、狙い通りにカウンターを炸裂させて勝負を決めてしまった。
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いつもに増して攻めきれない横河武蔵野FC

横河武蔵野FCが攻めてカマタマーレ讃岐が跳ね返すという淡々とした作業がピッチ内で繰り返される。後半は前半ほどの激しさもなく、ただ時間の経過を見守るのみになっていた。守備を固めたカマタマーレ讃岐の思い通りの展開だ。横河武蔵野FCはFW小林陽介を投入するなどアタッカーの枚数を増やしたが、それも殆ど形にならない。後半39分、横河武蔵野FCはペナルティエリア内でボールを受けたFW11小林陽介が反転してシュートまで持ち込んだが、DFに体を寄せられて十分なシュート体制をとれず、枠を捉えられなかった。
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後半に尻上がりのように調子をあげるタイプの横河武蔵野FCも、今回は全くその特性を発揮することなく試合を終えてしまった。

変わらぬ強さカマタマーレ讃岐

90分を終えてカマタマーレ讃岐が3-0で横河武蔵野FCをふりきった。1点リードで一人少ないという状況は攻めるのか守るのか難しい状況のはずだったが、カマタマーレ讃岐は守ってカウンターという確固たる戦術を迷いなく施行することで2点を追加して完勝に至った。北野誠監督が就任してから3年目のシーズン。四国リーグ時代にも守備が硬いチームとして定評があったが、それはJFLの舞台でも全く変わらなかった。ひとつの現象として、昇格したチームが大きく戦力補強して全く違うチームになることはよくあるが、カマタマーレ讃岐は補強こそしているが戦い方に全くの変化がない。素晴らしいチーム作りがされているようだ。また、サポーターをも含めたチームの一体感を感じられたのも強く印象に残った。今年、唯一Jリーグ加盟が狙えるチームと言われているカマタマーレ讃岐。J2下位のチームはもっとJFLの順位も気にした方がいいかもしれない。
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