クラブ・ドラゴンズ vs 流通経済大学FC:観戦レポート

入口で配っていたモノクロのMDPに目を落とすと、選手のインタビューなど試合の見所がびっしりと書かれていた。そういえば、流通経済大学FCのホームゲームを観戦するのは彼らがJFLを戦っていた時以来となる。何かしら懐かしい気分になった。「ついに決戦のときがきた」。流通経済大学サッカー部の2軍に当たる「流通経済大学FC」と、流通経済大学サッカー部3軍に当たる「クラブ・ドラゴンズ」の流通経済大学ダービーが関東1部の舞台で初めて実現した。流通経済大学FCは割りと上位を狙える位置におり、前節は首位のエリースFC東京に勝利している。クラブ・ドラゴンズは1年ぶりの関東1部復帰となり、下半分の順位ではあるが2勝3敗でほぼ五分の戦績だ。試合は両チームのホーム「たつのこフィールド」で暖かな日差しの元で行われた。
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攻め続ける流通経済大学FC

クラブ・ドラゴンズのキックオフで試合が始まると、クラブ・ドラゴンズがその流れでいきなりシュートまで持ち込む。前半0分、クラブ・ドラゴンズは縦パス1本で中央突破に成功すると、抜け出したMF14唯井竣平がペナルティエリア内からシュートを放つ。シュートは体を寄せられて枠を捉えられなかったが、FCに負けてたまるかと言わんばかりの勢いでクラブ・ドラゴンズが先制パンチを食らわせた。
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クラブ・ドラゴンズの先制パンチに流通経済大学FCも負けていられない。前半2分、流通経済大学FCは左サイドを突破したFW11田宮諒の折り返しをDF25吉田哲矢がニアで受ける。ゴール目前で放ったシュートはGKに防がれた。これを皮切りに試合は流通経済大学FCのペースへと移行する。流通経済大学FCは最終ラインの裏を突く嫌なパスと、 縦方向の揺さぶりでクラブ・ドラゴンズを切り裂く。中でも左サイドバックに入っていたDF25吉田哲矢のオーバーラップとドリブル突破はクラブ・ドラゴンズにとって脅威になっていた。
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そして押し気味に進めていた流通経済大学FCが順当に先制点を奪う。前半20分、流通経済大学FCはゴール正面ペナルティエリア直前でMF6丸本侑平がボールを受けると、DFを振り切ってシュートを放つ。丁寧に放たれたシュートは転がりながらゴール右隅を目指し、GKの手をかすめてゴール左隅に収まった。
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尻上がりのクラブ・ドラゴンズ

流通経済大学FCが次々とゴールへ迫る一方で、クラブ・ドラゴンズは我慢の時間帯を過ごすことになる。4-4-2と2-4-4のフォーメーションを機械的に切り替えながら攻撃の機会を伺った。なかなかかみ合わず、サイドが上がったその裏を突かれる形で多くのピンチを招く事になったが、結果的にこのリスクは報われる。前半26分、クラブ・ドラゴンズはカウンターから縦パス1本でMF14唯井竣平が抜け出すと、迎えたGKと一対一の場面をきちんと制し、同点ゴールとした。
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クラブ・ドラゴンズが得点した事で試合は勢いを増し、多くの得点機を迎える事になる。前半35分、流通経済大学FCは流れるようなパス回しで中央突破をし、最後はMF8鈴木玲央がシュートを放つ。GKに防がれた。前半40分には右サイドを突破したMF23ユ・ロモンがシュートまで持ち込むが、DFに防がれる。ひとつひとつの崩しの形が非常に高性能で観客としてもあっという間の45分間を過ごす事ができた。
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攻めなくなったクラブ・ドラゴンズ

後半に入ると試合の様子は一変する。クラブ・ドラゴンズがさほど攻撃的な姿勢を見せなくなったのだ。流通経済大学FCのサイド攻撃を警戒してのことなのか、どこかで勝負の時間帯を設定したのか。クラブ・ドラゴンズが両サイドハーフとサイドバックが下がったままになったことで流通経済大学FCの攻撃も迫力を失った。流通経済大学FCはつなぎきれなくなると最後の手としてロングボールをトップに当てようとするのだが、これがなかなか収まらなかった。

それでも長い膠着状態の中でチャンスは生まれる。後半7分、流通経済大学FCはゴール前の混戦から最後はMF8鈴木玲央がシュートを放つもクラブ・ドラゴンズの体を貼った守備に屈する。後半35分には流れるようなパス回しで中央突破をし、最後はFW9小山博史がシュートを放ったが、ミートせず枠外へ外れた。後半40分には右サイドで得たFKから放り込みのこぼれ球をMF6丸本侑平がミドルシュートを放つが、クロスバーに当たって外れる。
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後半16分、クラブ・ドラゴンズは放り込みからこぼれ球をペナルティエリア内でFW12佐藤亮太がシュートする。十分な間合いをとって枠を捉えたシュートを放てていたが、GKにキャッチされた。後半27分にはカウンターから左サイドを起点に最後はペナルティエリア内でFW11石井雄輔がシュートを放ったが、これもGKにキャッチされた。
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クラブ・ドラゴンズが逃げ切りドロー

試合は更なる展開を迎えぬままに終了が告げられる。同点ながらゆっくりと試合を試合を進めるクラブ・ドラゴンズと、次の1点を狙いに行く流通経済大学FC。試合に対する意図を汲めば、クラブ・ドラゴンズがまんまと引き分けに持ち込んだ結果となった。同門対決とあり選手の差がはっきりとした中で行われた試合は互いに最低限の勝ち点を分け合うことになった。
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この試合は、試合におけるほぼ全てが流通経済大学の学生によって運営された。ボールボーイも流通経済大学の学生で、ハーフタイムに余興としてパフォーマンスを見せたのも流通経済大学の学生。観客は試合に出ていない選手が多く締め、一般客もピッチに立つ彼らを我が子のように(あるいは本当の我が子なのかもしれないが、)暖かい声援を送るような客ばかりだ。痛んだ選手を両チームの選手が抱えて外に出す光景など滅多に見られない。最近はスリリングで熱気に満ちた試合ばかりを選択してきたが、このアンダーカテゴリならではの温かで牧歌的な雰囲気はすっかり忘れてしまっていた。勝っても負けても引き分けでも拍手が送られる、古き良き勝負の世界がそこにはあった。

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