横河武蔵野FC vs Y.S.C.C.:観戦レポート

日本フットボールリーグ第8節。横河武蔵野FCが昇格組のY.S.C.C.をホームに迎えた。Y.S.C.C.にとっては近場のアウェイということで多くのサポーターと下部組織の子が応援に駆けつけていた。迎える横河武蔵野FCはこの日がホーム武蔵野陸上競技場での開幕戦。昨年はこの舞台でなかなか勝てなかったが、今年の調子からすると心配はなさそうだ。強い日差しがあるわけでもなく、穏やかな暖かさに包まれた、安定のムサリク13時キックオフ。
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横河武蔵野FCが勢いよく

試合は立ち上がりから横河武蔵野FCが支配する。横河武蔵野FCは全体を高く保ち、素早いチェックからボールを奪う。奪ったボールはシンプルにサイドの高い位置に送られ、Y.S.C.C.の守備を崩しにかかった。

前半3分、横河武蔵野FCは立て続けにコーナーキックを得ると、2本目のコーナーキックからFW23冨岡大吾が高く飛び上がり完璧なタイミングでヘッドを放つ。前半6分にはカウンターから抜け出したMF20都丸昌弘が飛び出していたGKをかわしてゴール前にクロスをあげる絶好機を迎えた。

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横河武蔵野FCY.S.C.C.を全く自由にさせなかったし、攻撃に関しても必ずといっていいほどシュートで終えるか、最悪でもコーナーキックなどのセットプレーを得られている。そのセットプレーもほぼ全ての場面でシュートで終われていた。一方的な展開に横河武蔵野FCが先制する未来は安易に予想できた。

Y.S.C.C.がファーストシュートで先制

横河武蔵野FCが優位に進める中で流れを掴みたいY.S.C.C.だったが、苦し紛れのロングボールは横河武蔵野FCに掃除され、全くといっていいほどにボールが繋がらない。何かのきっかけでも掴めればと思っていた中で得たフリーキックが得点になってしまうのだから面白い。

前半16分、Y.S.C.C.は敵陣後方で得たFKから簡単にゴール前へボールを放り込むと、フリーとなったDF21齋藤紀臣が頭で合わせて流し込んだ。Y.S.C.C.にとってこれが最初の攻撃であり、最初のシュート。圧倒的な横河武蔵野FC優勢の流れの中、セットプレーひとつでスコアを変えてしまった。
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とにかく攻めるしかない横河武蔵野FC・・しかし

失点しても焦らない横河武蔵野FC。いく度もの素晴らしい攻撃を仕掛けられているとあり、自信をもって変わらず仕掛け続けた。 前半18分、横河武蔵野FCはカウンターから最後はFW23冨岡大吾がシュートまで持ち込むも、DFに防がれる。この流れで得たコーナーキックはDF2小山大樹が頭で合わせるも枠外に外れた。
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横河武蔵野FCが本方に素晴らしい仕掛けを繰り返している一方で、Y.S.C.C.に追加点が入ってしまう。 前半34分、Y.S.C.C.は右コーナーキックからのクロスをニアサイドにいたDF6松田康佑が足元で流し込んで追加点とする。
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攻め続けた横河武蔵野FCをあざ笑うかのようにY.S.C.C.がセットプレーから2得点を奪い、前半の45分を終えた。これぞフットボールの醍醐味というべきか。横河武蔵野FCにとっては充実した試合内容と裏腹なスコアを残すことになった。

平均年齢最年少応援団結成!ホームの雰囲気で1点返す

後半にはいると横河武蔵野FCはバックスタンドの中央にサッカー少年を集める。前半から横河武蔵野FCの下部組織の子達が一生懸命に応援をしていたが、他の子供達を合わせることで大応援団を結成していた。誰の仕掛けなのかはさておき、武蔵野陸上競技場で稀に見る・・というか初めて見る光景によりホームの雰囲気が作られた。
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後半は立ち上がりからY.S.C.C.が丁寧にボールを回してペースを握っていたが、ホームの雰囲気により横河武蔵野FCがペースを取り戻す。後半8分、横河武蔵野FCはカウンターから右サイドに深く入り込み、折り返しそこねたこぼれ球をFW9関野達也がシュートする。そのシュートのこぼれ球をさらにFW23冨岡大吾が踵で押し込んで1点を返した。
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次の1点も遠く・・

1点を返した横河武蔵野FC。攻撃が次々とハマるこの調子いけば逆転も可能だ。横河武蔵野FCはとにかく攻め続けた。後半31分、横河武蔵野FCは右サイドのクロスからゴール前でフリーになっていたFW24枠山翔が頭で合わせたが、GKに防がれる。そのこぼれ球をさらにMF7岩田啓佑が蹴り込もうとしたが枠を外した。
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後半40分、横河武蔵野FCはMF7岩田啓佑が左斜め45度の位置からコースを突いたループシュートを放ったが、GKに防がれた。後半44分には、左サイドでボールを受けたMF20都丸昌弘のドリブル突破を起点に、右へ左へ揺さぶりながら最後はMF7岩田啓佑がゴール左からシュートを放つ。至近距離でのシュートだったが、枠を捉えられなかった。

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これ以上になく美しい試合

2対1という僅差で出方が難しいのはリードしているY.S.C.C.の方。守り切るのか、突き放すかでピッチ内の意見が割れると隙となって最悪の展開を迎える。そんな中でY.S.C.C.は後半41分にMF23須原明康に替えてFW24井上和馬を投入。3点目を取りに行く作戦を明示し、結果的に最後まで乗り切ることになった。Y.S.C.C.が2-1で勝利。攻撃的なカードを切ってきたことや、後半の立ち上がりに主導権を握ろうとしていた点を総合すると、おそらくは意図しない試合運びだった。これまで見てきたY.S.C.C.は劣勢でも主導権を取ろうとポゼッションにもこだわるチームという印象があっただけに、相手のペースに引き込まれてもなお少ない機会で得点を奪い勝ち切ってしまうその戦い方は新鮮に映った。この完璧なまでのアンチフットボールはどこで習得したのか。Y.S.C.C.の新たな一面を目の当たりにした。
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余談だが、会場には横河武蔵野FCが招待した子供達や、Y.S.C.C.の子供達がたくさん訪れていた。1,286人という観客動員数の3分の1はそれらの子供達だったのではないだろうか。横河武蔵野FCY.S.C.C.のそれぞれの子供達が一生懸命に声だし応援していた姿も微笑ましかったが、それ以上にピッチ上で鑑となる戦いを繰り広げていたことがとても心に響いた。両チームの成り立ちは異なるが、アマチュア最高峰の舞台で2つの素晴らしいアマチュアクラブが魅せたこの戦いは、非常に美しいものだった。20120430-222158.jpg

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