さいたまSC vs SC相模原:観戦レポート

関東リーグ1部開幕戦。チーム数増加で大改造が施された関東リーグ1部は今年、関東2部からSC相模原エリースFC東京クラブ・ドラゴンズの3チームが加わった。SC相模原は昇格組の一角であるのだが、昇格組というほどの初々しさは微塵も無く、昨年は全社準優勝に地域決勝4位という雲の上の成績を収めている。そのSC相模原は今年から満を持して関東1部に初挑戦することになった。対するのは2年連続で関東1部2位という成績を残しているさいたまSC。関東1部の優勝候補が開幕から当たることになった。会場はさいたま市の秋葉の森運動公園サッカー場。雲一つない晴天が春らしい穏やかな気候を提供した。
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攻めきれるSC相模原、苦戦するさいたまSC

前半1分、SC相模原が最初の得点機を迎える。SC相模原は左CKであげられたクロスをフォアで構えていたDF20鈴木祐輔が頭で捉える。打点が高く叩きつけるようなヘディングシュートは詰めにきていたGKの正面を捉えた。開始早々の得点機をはじめ、押し気味に進めたのはSC相模原だった。SC相模原は左サイドはMF15吉岡航平とDF17小澤雄希が、右サイドはMF7大野恭平が高い位置でボールを保持できており、クロスもよく上げられる。上手くシュートに繋げられなかったとしてもCKに繋げられるなど、攻撃の機会は多かった。

対するさいたまSCはトップのFW53杉下聖哉やFW10清水大輔にボールは収まるのだが、SC相模原の守備陣になかなか前を向かせてもらえない。前半16分には波状攻撃の機会があり、 前半28分にはカウンターからFW53杉下聖哉の遠目からのシュートを生むなど健闘は見せたが、攻める機会はとても少なかった。

耐えて、耐えて、押し込んだ先制点

時間の経過と共にさいたまSCがSC相模原の攻撃スタイルに慣れてくると、いよいよ試合は手詰まりを迎える。前半はこのまま終わるのかと思いきや、試合は意外な展開を迎えた。

前半44分、さいたまSCは前線でボールを保持しタメを作ったFW10清水大輔がふわりと浮かせたスルーパスをGKの前へ送り込む。あるいはシュートミスだったのかもしれないが、この際はどちらでもよい。このスルーパスに反応したのはFW53杉下聖哉だった。FW53杉下聖哉はGKと交錯しながらこのボールを捉えると、しっかりと押し込んで先制点とした。
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先制したのは押されていたさいたまSC。耐えて、耐えて、一つのチャンスをものにしてしまった強さは流石上位常連チーム。新参のSC相模原にきちんと昇格祝いを送り込んだ。・・そう思っていた矢先に事態は急展開を迎える。前半45分、SC相模原はMF15吉岡航平が左斜め45度の位置からゴール右隅に流し込んで同点とした。あっという間の同点劇。さいたまSCが先制して気を緩ませてしまったか。背景はどうであれ、ちょっとした隙を逃さなかったSC相模原は、さすが全国レベルの試合を肌で感じているだけはある。
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勢いを増すSC相模原

後半は完全にSC相模原のペースとなった。後半のSC相模原はあまり長い時間ボールを持つことをせず、よりシンプルにゴール前へボールを送り込むよう心がけており、前半以上の迫力をピッチ上で発揮した。形にこだわらないシンプルなプレー。さいたまSCは前半に増してなかなか攻めに転じることができなかった。そしてSC相模原はこの流れから逆転に成功する。後半7分、MF15吉岡航平が右斜め45度の位置からゴール左隅に巻くような軌道のミドルシュートを蹴り込む。このシュートが綺麗にゴール左隅へと収まり、逆転弾となった。
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逆転しただけで終わらないあたりに今年のSC相模原の強さを感じた。SC相模原は後半16分にFW18宮川大輔に替えてFW9森谷佳祐を、後半21分にMF15吉岡航平に替えてDF2天野恒太を投入すると、両選手が更にSC相模原の攻撃のアクセントとなった。FW9森谷佳祐がドリブルで切り込み、DF2天野恒太が巧みなボールキープから高い位置で攻撃の起点となる。SC相模原の攻撃は更に迫力を増した。

後半32分、SC相模原は右サイドのボールキープから逆サイドにふると、逆サイドにいたFW11松本祐樹がこれを丁寧に足元へ落とし、確実にゴールへ放り込んだ。
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後半38分には左CKからファーで折り返したボールが混戦となり、こぼれたところをFW11松本祐樹が押し込んだ。押し切って4得点。攻めた時間だけ得点を重ねてしまう決定力は流石だ。
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さいたまSCは後半43分に流れるようなパスワークからFW15宮島利幸がゴール右上をよく狙ったシュートを放つなど、最後まで食らいついて見せたが、後半はこれといった攻撃を見せること無くフルタイムを迎えることになる。4-1で相模原が勝利。関東1部初挑戦となるSC相模原がまずは幸先の良いスタートを切った。
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強すぎるぜSC相模原

拮抗した試合となるかと思われたが、結果的にSC相模原が4-1で勝利。SC相模原が関東1部の上位陣にどれだけの勝負ができるのかというのが一つのテーマになっていたが、その答えは十分すぎるほどの勝負が出来るとなる。SC相模原は球際で本当に強い選手が揃っているし、アマチュアではあまり培われない狡猾なプレーも上手い。去年から引き続き在籍している選手などは狡猾なプレーとは似て非なる「粗いプレー」をすることもあったが、体制の変化によりだいぶ中和された印象だ。勝つために、より多く点を取るために何をしたらいいのかというシンプルな課題に対して真っ直ぐに答えを出せている。まだまだリーグ戦の日程を進めてみなければ分からないが、関東1部の優勝候補という位置づけで間違いなさそうだ。
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SC相模原の対抗馬として期待されたさいたまSCだったが、期待は大きく裏切られることになった。しかし安直にSC相模原の対策に走るのでは無く、自ら仕掛けるサッカーを最後まで貫いたのが好印象だった。FW53杉下聖哉やFW10清水大輔をポストに素早くシンプルに崩すスタイルの攻撃はSC相模原に風穴を開けたように今年も関東1部で猛威を振るうのだろう。

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