レイジェンド滋賀FC vs 奈良クラブ:観戦レポート

KSLカップ決勝戦。関西1部2位の奈良クラブと関西2部のレイジェンド滋賀FCが対戦した。しぶとく、賢く勝利を重ねてきた奈良クラブに対し、レイジェンド滋賀FCは大量得点を繰り返してど派手に勝ち上がってきた。優勝候補の奈良クラブに勢いのレイジェンド滋賀FCが挑む形となった。会場は引き続き長居第二陸上競技場。
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レイジェンド滋賀FCの健闘

両サポーターが会場の空気を温める一方で、ピッチ内は混沌となっていた。主導権を握ろうと両者とも激しくぶつかり、ボールを丁寧に回す。ボールはせわしなく右往左往を繰り返した。ある意味で緊張感に包まれた。奈良クラブは低い位置でボールを奪うと、丁寧にかつ素早くボールを前へ運び、攻撃の起点を作る。前半16分、奈良クラブはペナルティエリア手前でボールをキープしたFW13辻村剛史が強引にシュートを放ったが、左に外れる。3バックを敷くレイジェンド滋賀FCは守備陣がよく集中しており、奈良クラブの選手を一切フリーにさせなかった。
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レイジェンド滋賀FC奈良クラブの攻撃を警戒しつつ、サイドから速攻でゴールへと迫る。前半21分、レイジェンド滋賀FCは左サイドでボールをキープしたFW11岩田尚記がシュートを放ったが、防がれる。
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前半29分、レイジェンド滋賀FCは左サイドを突破したFW18石倉淳が勢いそのままにシュートを放ったが、左サイドネットを叩く。
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先の3位決定戦でBIWAKO S.C HIRAが守り勝ちをしたばかりだったので、レイジェンド滋賀FCの健闘についつい注目してしまう。

見せつけた奈良クラブの勝負強さ

なかなか攻め込みきれなかった奈良クラブだったが、繰り返していれば突破口は開けた。前半40分、奈良クラブはペナルティエリア手前でワンツーを仕掛けると、FW13辻村剛史が突破に成功し、GKとの一対一を迎える。奈良クラブがこの試合でようやく初めて、決定機らしい決定機を迎えた。奈良クラブはこの場面で放ったシュートこそGKに防がれてしまったが、こぼれ球をMF11池田昌広が押し込んで先制点とした。ことごとく防ぎ続けてきたレイジェンド滋賀FCがここにきて綻ぶ。たった一つの綻びを逃さず得点してしまった勝負強さはさすがだ。奈良クラブが順当に先制点を奪った。
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綻んだレイジェンド滋賀FC、1点をとった奈良クラブ。逆転した焦りと勢いはそのまま点差を広げる。前半45分、奈良クラブは左コーナーキックからこぼれ球をDF6橋垣戸光一が押し込んで2点目とした。1点ならまだしも2点の差は余りにも重い。奈良クラブの勝負強さは予想の域を超えていた。
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ワンサイドゲーム、スタート

後半にはいると奈良クラブの一方的な試合となった。単純にレイジェンド滋賀FCの運動量が落ちた結果として奈良クラブが前半より冷静にボールが捌けるようになり、のびのびとサッカーを展開できるようになっていた。その差は得点差としてはっきり表れてしまう。後半5分、奈良クラブは右サイドで得たFKから放り込んだボールをDF3伊澤篤が頭で合わせて3点目とする。
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後半14分、奈良クラブはFW7牧悠二は本日1点目。縦パスに抜け出したFW7牧悠二がGKとの一対一を丁寧に制して4点目とする。
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後半25分、奈良クラブは縦パスに抜け出したMF11池田昌広がペナルティエリアでボールをキープし、フリーで駆け上がってきたFW13辻村剛史に預けると、丁寧にGKをかわしてゴールネットを揺らした。
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怒涛の得点ラッシュ。一度崩れたバランスを立て直すのがこれほどに難しいものなのか。レイジェンド滋賀FCは後半18分にはMF10宇野和人が2枚目の警告を受けて退場してしまう。しかしどれだけ劣勢になろうとレイジェンド滋賀FCは諦めない。気持ちを全面に出してさえいればセットプレーくらいは獲得できるもので、レイジェンド滋賀FCはこの機会をうまく生かした。後半30分、レイジェンド滋賀FCは右コーナーキックからゴール前で零れたボールを14が拾い、ゴール前で構えていたDF8石橋勇二に送る。DF8石橋勇二は丁寧なトラップから右足を振り抜いて一矢を報いた。
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トドメの2発容赦なし!奈良クラブがKSLカップ初優勝!

この時点で奈良クラブが5-1とリード。どうしようもない点差がついてしまっているわけだ。奈良クラブはここで多少なり遊びを入れてきても不思議ではなかったが、全く容赦しなかったあたりは鬼だ。

後半44分、奈良クラブはペナルティエリアで粘り強くボールをキープし、後方に下げたところをMF17吉波毅顕が蹴り込んでゴールネットに突き刺した。
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後半45+3分、カウンターで抜け出したFW22田代主水がペナルティエリアでキープし、折り返しをMF10李成浩が押し込んだ。
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奈良クラブが7-1で勝利。「鬼だ」と言ったが、この1分1秒を大切に戦う姿勢は全国を勝ち抜く一つのキーポイントとなる。なぜこのチームが地域決勝に出れなかったのか。あまりにも勿体無い出来だ。奈良クラブはリーグ優勝こそ叶わなかったが、KSLカップを制して2012年の悔しい悔しいシーズンを締めくくった。
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レイジェンド滋賀FC、大敗も盛り上げ役として

レイジェンド滋賀FCは決勝という舞台で大敗を喫してしまった。しかしこれまでの快進撃は成績を見る限りでも本当に素晴らしい。準決勝と決勝の間が空いていなければもしかしたら別の結果が表れたかもしれない。

レイジェンド滋賀FCが素晴らしかったのは盛り上げ役として一役買った点にもある。レイジェンド滋賀FCはサポーターが事前にTwitterなどで積極的に告知をし、プロレス的煽りを行った。粗品を用意して来場者に配るなどのおもてなしも準備がいい。誤解のないように言っておくと、お金をかけたから素晴らしいというのではない。その場を盛り上げようと自主的に仕掛けた姿勢が美しかった。チームがチームなら「それはスタッフの仕事」とサポーターが一蹴するかもしれないし、「余計な事をするな」とスタッフが跳ね除けるかもしれない。これだけ大掛かりに動けているのはチームがまとまりを見せている証拠だろう。・・決勝まで来ているのだから愚問か。試合をいかに盛り上げるかというのは個人的に今年一番考えたテーマであり、レイジェンド滋賀FCはその答えの一つをもっていた。

レイジェンド滋賀FCは来年、日本一賑やかな地域リーグとなる関西1部舞台に戦う。試合は大敗となってしまったが、「レイジェンドの試合、ちょっと行ってみようかな」と思った人は少なくとも居たのではないだろうか。しかし来年の関西1部の賑やかなことよ。

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