ノルブリッツ北海道 vs 栃木ウーヴァFC:観戦レポート

JFL入れ替え戦第1戦。地域決勝3位のノルブリッツ北海道がJFL最下位の栃木ウーヴァFCをホームに迎えて・・のはずが、この時期に北海道でサッカーを出来るところが無いとあって栃木市陸上競技場での開催となった。ノルブリッツ北海道はそれだけならばまだしも、前日入りに使う予定だった航空機が欠航になり、当日入り。早朝に道内で集合して乗り込んだとか。到着も昼を過ぎてからとなり、キックオフ時間も1時間ずらすことになった。エピソードを聞く限りだと万全のコンディションとは到底思えない。
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試合の焦点はひとつ。ノルブリッツ北海道の堅守戦術を、得点力不足の栃木ウーヴァFCが打ち破れるか。ノルブリッツ北海道は全勝優勝した北海道リーグで僅か2失点しておらず、地域決勝も守備的戦術を武器に戦ってきた。栃木ウーヴァFCはJFL最下位ではあったが、観戦した試合では常にJFLクラスの完成度の高いサッカーを披露してくれた。栃木ウーヴァFCを観戦して感じた問題はただ一つ、シュートが決まらないこと。今日の栃木ウーヴァFCは当たりを引けるか。
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勢いで押し切った先制点

試合はいきなり動きを見せた。前半4分、栃木ウーヴァFCは右サイドから放り込んだボールを長身のFW25若林学が頭ひとつ飛び抜けて叩き込んで先制点とした。栃木ウーヴァFCは立ち上がりからボールを丁寧に動かしてノルブリッツ北海道の守備を切り裂こうとしていた。誰か一人が前線でボールを持った時に誰か一人が必ず顔を出す。的確なポジショニングでノルブリッツ北海道の守備を混乱させた。
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ノルブリッツ北海道は集中して試合に入るまで時間がかかった。あまり対戦経験が無いのはお互い様として、さすがに移動疲れを察せずに居られなかった。栃木ウーヴァFCのボール回しに翻弄され、マークを外す場面が目立つ。そのなかでの失点だった。

落ち着いたノルブリッツ北海道

前半をしばらく過ごしたあと、ノルブリッツ北海道がようやく落ち着きを見せる。落ち着くまでたかだか10分程度だったのだから、尚更失点が悔やまれた。ノルブリッツ北海道は地域決勝でも見せた4バックの前に守備的MFを置く守備的布陣を栃木ウーヴァFCを相手に披露する。すると、途端に栃木ウーヴァFCの決定機は激減し、ノルブリッツ北海道のカウンターの機会が増えた。

前半8分、ノルブリッツ北海道は最終ラインでボールを得たFW18山田庸介がシュートを放ったが、クロスバーを叩く。その前にそもそもオフサイドではあったが、隙を少しでも見せれば追いつける事を示した。
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ノルブリッツ北海道の狙い通りの同点弾

前半39分、栃木ウーヴァFCはペナルティエリア内でボールを奪い、後方から走り込んでいたMF34濱岡和久に預け、MF34濱岡和久はシュートを放ったが、シュートは枠をわずかに外れた。
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今年は栃木ウーヴァFCの試合を幾度か見たが、攻めている割に得点を奪えずもがく様子が非常に印象的だった。そして残念ながらこの日も攻めきれない。1点リードしているのだから焦る必要は無いのだが、「あのとき決めておけば・・」という流れは一般的に失点につながる。

前半43分、ノルブリッツ北海道は縦パス1本で抜け出したFW18山田庸介がGKとの一対一を制してゴールネットを揺らす。パス一本で崩そうとするこの形、実はノルブリッツ北海道は常に狙っていた形だ。単純ながら効果的なカウンターから一発の形。守備に重きを置き、少ないチャンスを生かそうとするからこそ生まれるゴールへの執着がこの一瞬に実った。前半は1-1で終える。
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栃木FW若林外れ、ノルブリッツ北海道に勢い

後半に入るに当たり、栃木ウーヴァFCはFW25若林学に替えてMF11市川稔を投入する。先制点も上げたエースを下げたその意図はおそらく怪我だ。FW25若林学は前半16分に接触プレーで担架搬出されていた。その後はプレーを続けていたが、大事をとったのだろう。この結果、栃木ウーヴァFCはターゲットを失い、ノルブリッツ北海道の守備を崩せない時間帯が続いた。

ノルブリッツ北海道栃木ウーヴァFCが変化した煽りで攻める時間帯が増えた。ノルブリッツ北海道は2列目の位置でよくボールを奪えている。まるで4バックの前にさらに4バックが敷かれているかの如くボールを奪い続け、そのおかげでノルブリッツ北海道はショートカウンター気味の攻撃を仕掛ける機会が増えた。加えてノルブリッツ北海道はもったいぶらずシュートを放つので、栃木ウーヴァFCは気が抜けない。

後半10分、ノルブリッツ北海道は左サイドコーナー付近でFW18山田庸介がボールを奪い、カウンターの機会を作る。FW18山田庸介はすかさず折り返し、走り込んでいたMF7赤坂匡章がすかさずシュートを放ったが、シュートはGKに防がれた。
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勢いづくノルブリッツ北海道、ついに逆転

ノルブリッツ北海道の勢いが増す。ノルブリッツ北海道は前半の立ち上がりを除くと非常に良く集中してプレーできており、尚且つ対人プレーでも優位に立つ。振り返ってみると逆転ゴールをあげるのは必然の流れだったのかもしれない。後半12分、ノルブリッツ北海道はペナルティエリアでFW18山田庸介が放ったシュートが決まり、逆転に成功した。
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ホームで負けられない栃木ウーヴァFC

観客数は902人。栃木ウーヴァFCのホーム観客動員が500人前後であったこと、ノルブリッツ北海道はさほど動員力がないことから、その注目度が伺える。栃木ウーヴァFC側のメインスタンドはほぼ満席だったらしく、ゴール裏ではいつもより多いサポーターが絶え間無くチャントを歌い続けた。ノルブリッツ北海道ホームの代替会場とはいえ、ここ栃木市は栃木ウーヴァFCのホーム。ホーム2戦というアドバンテージがありながら敗れるわけにいかなかった。

後半29分、栃木ウーヴァFCは左サイドから繋ぎ、最後はペナルティエリアでMF11市川稔がシュートしたが、DFにブロックされる。
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後半34分、栃木ウーヴァFCは左サイドで得たフリーキックから頭で一度落としたボールをDF33岡田祐政が押し込んでゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定が下った。
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ノルブリッツ北海道が引いて出てこないのをいいことに栃木ウーヴァFCは試合終盤へかけて攻めて攻めて、攻め続ける。しかし集中して守るノルブリッツ北海道は人に対して的確に体を寄せ続け、スペースに対しては根を張り巡らすように埋め続ける。栃木ウーヴァFCはついに追加点を奪えることなくフルタイムを迎えてしまった。
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逆境乗り越え、ノルブリッツ北海道が先勝

試合はノルブリッツ北海道が2-1で勝利。航空機のダイヤが乱れ、直前入りとなるアクシデントに関わらず、逆転勝利を収めてしまう力強さは感心した。栃木ウーヴァFCにしてみれば、ノルブリッツ北海道が守備的戦術をとってくる事は恐らく織り込み済みだったのだろう。ノルブリッツ北海道はそれ以上にワントップに入ったFW18山田庸介やFW17畠山直人が最前線で十分にボールをキープできていたあたりが意外ながら鍵だったのかもしれない。入れ替え戦はノルブリッツ北海道が先勝し、一歩リードした。来週に行われる第2戦で全てが決まる。
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