坂戸シティFC vs 青梅FC:観戦レポート

関東社会人大会準決勝。埼玉県王者の坂戸シティFCと東京都王者の青梅FCが対戦した。来年の関東リーグに昇格できるのは1〜2チーム。JFLと関東リーグの狭間にいる栃木ウーヴァFCSC相模原の具合によるため、本大会終了時点でも2位が昇格できるかは決まらない。一つ言えるのはこの試合で負けると都県リーグ残留が決まってしまうということ。会場は熊谷スポーツ公園陸上競技場。最高の防寒対策をしたにも関わらず、全く意味がなかったあたりはさすが熊谷市。
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決して攻めさせない

緊張感に包まれて始まった試合は緊張感を醸し出しながら進められる。立ち上がりから両者とも得点への意欲は見せるのだが、互いに守備が集中していて決定的な場面を迎えられない。攻撃に人数を割くほどリスクをかけず、たんたんと時間を消費した。

能動的に攻めていたのは青梅FCの方か。青梅FCはサイドハーフが高めの位置で陣取り、攻撃の起点になろうとする。ある程度収められているのだが、クロスを自由に上げさせてもらえずに苦労した。

坂戸シティFC青梅FCの攻撃をある程度享受しつつ、奪ったボールは積極的にサイドの裏へ送り込む。単純ではあるが、スマートであるが故に、この大一番では非常に有効だった。前半22分、坂戸シティFCが右サイドの突破からゴール前へボールを送り込むと、ゴール前で波状攻撃の機会を得た。しかし青梅FCの守備陣も冷静に対処しており、最後の場面でオフサイド判定が下った。
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均衡を破ったエースFW岩田朗

絶妙なバランスを保つ試合展開。どちらかがバランスを崩すか、突破口を切り開くかしなければ動かない。そんななか、前半の終盤に向けて青梅FCがコツを掴み始める。前半41分、青梅FCは左サイドをワンツーで抜け出したMF6坂本隆がペナルティエリア内でシュートを放ったが、シュートは右に外れる。青梅FCがこの日最初にビッグチャンスを迎えた。そしてこの場面が先制点へのヒントとなったのだろう。
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前半45分、青梅FCはカウンターから左サイドを抜け出したFW10岩田朗がそのままペナルティエリアまでボールを持ち込み、GKの逆を突く最高級のシュートをゴール左に叩き込む。坂戸シティFCは最も警戒すべき選手を完全に自由にしてしまった。このゴールをもって前半は締めくくられた。
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引いた青梅FC、攻めるしかない坂戸シティFC

後半に入りると試合の様子は一変する。青梅FCが極端に守備的な布陣を敷いてきたのだ。折り返し地点にして青梅FCは早くも守り切り体制に入る。これで坂戸シティFCが攻める機会は増えたわけだが、そう簡単にゴール前まで侵入させてもらえない。打つ手がない程の手詰まりになってしまった。このような場面で重要になってくるのがセットプレーの機会。幸いにして坂戸シティFCは敵陣で多くのプレーができていたのでセットプレーの機会も多かった。後半18分、坂戸シティFCはゴール正面遠目の位置で得たFKをMF10大貫真吾が直接狙うが、GKの正面を突いた。
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坂戸シティFCがセットプレーから2得点で逆転

引いた青梅FCに対して坂戸シティFCの攻撃が止まらない。手前味噌だが、セットプレーが重要になってくるという読みはあながち間違いではなかった。後半26分、坂戸シティFCは左コーナーキックからあげたボールをMF22久保田祐介がゴール正面でGKと競り合いながら頭で押し込んで同点とする。
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後半33分、坂戸シティFCは右コーナーキックからこぼれたボールをペナルティエリア内でFW21鈴木竜基が押し込んで逆転ゴールとする。攻め手を緩めることなく仕掛け続けた坂戸シティFCと、早々と守り切りの体制に入ってしまった青梅FC。勝利に対するその姿勢の差が後半のスコアに現れたように見えた。
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青梅立て直せず・・坂戸シティFCが逃げ切り決勝進出

形勢が丸っと変わってしまった。青梅FCは思い腰を上げて攻めに転じなければならない。同点になった後の後半29分には左サイドから組み立て、MF88平松翔がペナルティエリア内でシュートを放ったが、DFに当たる。跳ね返りをさらにシュートしてみせたが、そのこぼれ球も決めきれなかった。
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試合は坂戸シティFCが2-1でリードしたまま残り時間を消費して終了を迎える。時を遡るが、後半に入るに当たり、坂戸シティFCのベンチからは「楽しもう!」と声が上がっていた。この状況で「楽しもう」という声が出るチームがどれだけあるだろう。実際、坂戸シティFCは本当に楽しそうにプレーしているようで、一つ一つの場面を大切に戦っていた。結果としてふたつのセットプレーから勝利を引き寄せている。得点に貪欲になっていた坂戸シティFCと、追加点を放棄した青梅FCが相対した時、勝利の神様は前者の味方についたということ。青梅FCももちろんサッカーに対して真面目に取り組んでいる素晴らしいチームではあるのは念のための補足です。「楽しんだ方が勝つ」というその典型を目の当たりにした気がした。埼玉県王者の坂戸シティFCが東京都王者の青梅FCを破り、関東昇格をほぼ手中に収めた。
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