栃木県国体選抜 vs 岐阜県国体選抜:観戦レポート

ぎふ清流国体サッカー競技成年男子第1回戦。開催地代表岐阜県(赤)と関東代表の栃木県(白)が対戦した。栃木県は栃木ウーヴァFC(JFL)やヴェルフェたかはら那須(関東1部)の選手が中心となって構成している選抜チームとなり、関東予選で千葉県(2010年3位)と東京都(来年開催地)に勝ってきた。絶対の人口を有する首都圏2チームを退けて出場してしまう栃木県チームのおそろしさたるや。

対する岐阜県はFC岐阜セカンド(東海1部)の単独チームで挑む。この大会ために作られたFC岐阜のセカンドチームがどのような花を咲かせるのか。岐阜県のサッカーシーンにおいてその真価が問われる重要な大会となる。試合には台風接近にも関わらず多くのFC岐阜サポーターが訪れており、緑色のポンチョがスタンドに散見される。日曜日よりの使者のメロディに乗せた「we are GIFU! we are GIFU! lalala〜♪」とお馴染みの応援歌に合わせて選手入場を迎えた。
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慎重な開催地代表、貫禄の関東代表

勝利を義務付けられた開催地岐阜県がどのよに出てくるかという点でまずは注目したのだが、やはりというべきかかなり慎重に入ってきた。栃木県が丁寧にボールをさばいて攻め込んでくる一方で、岐阜県はひたすら火消しに回る。それにしても栃木県はさすが関東代表というべき出来のよさだ。その最たるはバックライン。栃木県は3バックと2人のサイドハーフが連携してスライドするような4バックを形成する。こりれにより溢れた方のサイドハーフがフリーマンとなって栃木県の攻撃を構成した。岐阜県が的確で素早い守備を続けたため、栃木県は大きなチャンスを得ることなく前半を終えてしまうのだが、貫禄を見せつけた。
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守勢に回った岐阜県は少ない機会から得点を伺う。前半16分、岐阜県は左サイドから放り込んだボールをゴール正面でFW9松江克樹が足元で合わせる。シュートは大きく外れたが、栃木県の鳥肌を立たせるには十分な攻撃だった。「あれを決められないのは松江らしくない」と口にしていたのは自分の後ろで観戦していたFC岐阜セカンドの選手と思わしき方々。FC岐阜セカンドの主砲であるFW9松江克樹のミスには緒戦の緊張感を感じずにはいられなかった。
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厚い攻撃を仕掛ける栃木県と、弱者の戦い方に徹する岐阜県。両者の意図がかみ合ったまま大きな動きがないままに、前半の35分間をスコアレスで終えた。

攻め続ける開催地、会場を盛り上げる

雨脚が強くなり、いよいよ台風が接近してきたところで後半を迎える。ぎっしり埋まっていた岐阜県側の観客席も、ポンチョを着て動かない人、控えめに傘をさす人、図々しく傘をさす人、藤棚の下へ避難する人と、それぞれ本性を表した。非常時というのはつくずく本性が暴かれる。暴かれたのはピッチ上また然りであり、岐阜県がいよいよそのベールを脱いだ。
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後半は栃木県が前半で疲弊してしまったのか、前半ほどに攻めてこなくなる。一方で岐阜県は多くのチャンスを創造した。後半5分、岐阜県はゴールか正面でボールを受けたFW13深山翔平が狙い澄ましたシュートをはなったが、GKに弾かれる。後半9分は左サイドからつないで最後はペナルティエリア内でFW13深山翔平がDFを背負ってシュートをはなったが、GKのファインセーブにあった。岐阜県のチャンスに合わせて歓喜とため息を同じくする観客席。国体はいわゆるサポーターという存在が希薄だからこそ、観客の生の感想がハッキリと表れて面白い。これぞ国体、これぞ開催地代表の試合。
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後半23分、岐阜県はカウンターの中央突破からMF12瀬古朋広がシュートを放つ。GKに食い止められたこぼれ球をFW9松江克樹が詰めるなど岐阜県は得点に対する貪欲さをはっきりと表し、会場のボルテージを上げる。
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エース松江が先制点

雨脚と会場のボルテージをこの試合最大にしたところで、スコアは動いた。後半25分、岐阜県は中央突破から左サイドに開いたFW9松江克樹がゴール右隅へ確実に流し込んで先制点とした。
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試合はこのあと、栃木県の猛攻にあうが、岐阜県が一切の攻撃を受け付けず逃げ切った。岐阜県が1-0で栃木県を下し、開催地代表としてまずは一つの役割を果たした。
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FC岐阜セカンドの集大成として

関東代表に名を連ねていたのが北関東の茨城県と栃木県ということで、違和感があった。一つくらいは名を連ねていてもおかしくない首都圏4都県がいないのである。しかしその違和感はこの試合をもって解消された。栃木県は非常に組織的で面白いサッカーを繰り広げていたからだ。残念だったのはくじ運くらいなもので、相手が開催地代表ではなかったら、例えばこの前後の試合のチームが相手だったら勝っていても不思議ではないと思えた。千葉県や東京都を退けて勝ち上がったのも納得できる。

その栃木県を抑えて勝ちきった岐阜県も開催地として立派なものだ。並々ならぬプレッシャーだったに違いない。これでひとつ大会の波に乗れることだろうと思う。開催地岐阜県代表として、FC岐阜セカンドの集大成として、この大会を実りあるものにしていただきたい。
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