[TM]FC町田ゼルビアvsSC相模原:観戦レポート

野津田車庫の停留所から徒歩で少々。山路を堪能することになるが決戦前のウォーミングアップあるいは新緑浴と思えば悪くない。TMだからというわけでもなく、今季からシャトルバスが廃止になった野津田運動公園町田市陸上競技上。青空と春一番に包まれたいい天気だったが、体調が優れず常に寒気と戦っていたため正確な気候をお伝え出来ないのが残念で仕方がない。だったら行くなという指摘は野暮です。

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速すぎるパス交換、早すぎる先制点

TMと言えば半分、せいぜい70%程度の全力で流すのが常。TMに対する両チームの位置づけによって試合内容や結果はガラッと変わる。今回の両チームの位置づけは何処にあったのか。答えな間もなくして明らかになる。開始5分、町田ゼルビアは右サイドを3人で素早くボールを回すと、1本のスルーパスが右サイドを突き抜ける。一瞬の出来事に目を奪われていると。7勝又慶典が無人のライン裏にボールと共に抜け出した。

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何が起きたのか分からなかった。外から見ていてわけが分からなかったのでピッチに立っていたSC相模原の選手はもっと混乱したかもしれない。勝又はサイドを十分に駆け上がると、中央に折り返す。最後はファーサイドで15柳崎祥兵が合わせてゴールに流し込んだ。

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完璧すぎる先制劇。これをいきなりやられて得点を許さないチームはないだろう。町田ゼルビアこの後も縦に素早くボールを動かしてSC相模原を翻弄。町田ゼルビアはこの試合に対して調整だとか戦術の確認だとか甘い考えは持っていなかったらしい。全力でSC相模原をねじ伏せにきていたとしか思えない。

9分には町田ゼルビアは左からゴール前へ簡単にボールを送り込む。フリーでボールを受けた17鈴木崇文が余裕を持ってゴールネットを揺らした。

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SC相模原は最初のシュートで1点返す

手も足も出ないSC相模原。ここまで翻弄されるこのチームを見るのは非常に新鮮だった。町田ゼルビアのスピードに徐々に対応するとサイドから突破口を探る。

15分、SC相模原はこの日最初のシュートを特典に結びつける。SC相模原は右サイドを深く侵入すると、マイナス方向にクロスを上げる。ぽっかり空いた中央ペナルティエリア外のスペースで待っていた選手がいた。彼は右足でそれを捉えるとゴール左隅に流し込んだ。SC相模原は苦しみながらも1点を返す。クロスで振り切られた町田ゼルビアの失態は新監督ポポヴィッチの怒りが象徴した。

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30分、不意を突かれた町田ゼルビアは新加入のセルビア人であり勝又の新たなパートナー11ディミッチがペナルティエリア内で倒されてPKを獲得する。このPKは相方である7勝又慶典がきちんと沈めた。再びリードを広げてしまうあたりが憎い。

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意地の追加点

SC相模原も意地を見せる。39分、SC相模原は右サイドでFKを得ると、単純にゴール前へと放り込む。放り込まれたボールは構えていた前線の選手の頭を経由してゴールへと向かった。

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しかしながら放たれたシュートは町田ゼルビアの守備に阻まれてしまう。甘い攻撃となってしまったが、町田ゼルビアの守備がそれ以上に甘かった。跳ね返したボールはセカンドボールを狙ってポジションを下げていたSC相模原の選手の元へ進む。彼はは容赦なくその左足を振り抜くと、今度は誰にも触れられることなくゴールネットを揺らした。

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高い決定力を発揮したSC相模原が中央での守備に甘さを見せる町田ゼルビアにしっかり食いついた。

はたいてたたいて追加点

再び1点差に詰め寄られた町田ゼルビア。すがるSC相模原をなんとか振り払いたい。町田ゼルビアは再び攻撃のギアを一段上げる。42分、町田ゼルビアは右サイドの低い位置からペナルティエリア前へボールを送る。素早く上げられたそれは10ディミッチがファーサイドで簡単にはたき、中央で7勝又慶典がゴールめがけてブチ込んだ。

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打ち合いとなった1本目。ここまで激しくなるとは全く予想していなかった。開幕1週間前だったから景気付けたかったか、あるいは生活圏を同じくする相模原が相手だったからか。ここまでするのであればもっといい相手が関東にいただろうに。

膠着の後半・・町田がとどめの追加点

後半も激しくボールを動かす町田ゼルビアが主導権を握る。しかしながら、町田ゼルビアの突破口となっていた勝又慶典はじめサイドの要所はSC相模原に封じられていた。対応力の高さはSC相模原もさすがのものがある。もどかしい時間が続いた。

膠着した2本目でスコアが動いたのは終了間際。町田ゼルビアはペナルティエリア内で19北井佑季が倒されるとPKを獲得。本日2度目となったPKは1度目と同じく勝又慶典がきちんと沈めた。

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格の違いを見せつけるかのように圧倒する町田ゼルビアに対してSC相模原もだまってやり過ごしていたわけではない。サイドから最終ライン裏にボールを通して突破を図った。

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90分を終えて5-2で町田ゼルビアが勝利。JFL優勝候補が関東二部のチームに対して格の違いを見せつけた。細かく素早い縦パスの交換からサイドチェンジを織り交ぜる町田ゼルビアの破壊力ある攻撃はJFL各チームの脅威になること間違いない。守備面でまだ約束事が徹底されていないようだったので課題は残っているが、来週迎える開幕戦「南北多摩合戦」を快勝で乗り越えた暁には連勝街道を突き進む町田ゼルビアの様子が目に浮かぶ。

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惨敗のSC相模原・・かすかに見せた力強さ

監督に昇格請負人と言われる戸塚哲也氏を迎え、今季から関東リーグに参戦するSC相模原。町田との差がありすぎた為にほとんど何も出来ずに終えた感じになってしまったが、町田ゼルビアの守備をかき回した前線のスピードとサイドの突破力は地域リーグ全体を見てもやはりトップクラス。終了間際に一人少なくなるあたりを含めても昨年までのDNAを失っていない。次の観戦機会がいつになるのかは不明だが、関東の戦いを経て成長を遂げたSC相模原を見るのが楽しみで仕方がない。

手が届く距離

「ゼルビアのいいところは垣根が低いところ」TM終了後、知り合いのゼルビアサポーターが仰った。しかも別々の人物から別々のタイミングで。ただし彼らが言うところの垣根は微妙に違っていた。一人は試合後に選手と交流する子供達を見ながら言った。一人は試合後に談笑するコアサポーターと一般サポーターを指して言った。場面は異なるが、繋がりやすさ繋がりの強さという意味が変わるわけではない。

Jリーグ参入に向けて改修した町田市陸上競技場は今回始めて訪れることとなった。スタジアムを巡るエピソードはさておき、気になった点がいくつかあった。そのひとつにスタンドとピッチを分かつ手すりの低さがある。どこからでも乱入可能なこの高さは、Jリーグを運営する上での安全面で大丈夫なのか。そんな些細な小言を思いついたのだが、今は後悔している。

試合後にいつまでたっても手すりにしがみつき、選手の名前を大きな声で呼ぶ子供達。それに笑顔で答えるゼルビアの選手。いい光景だとおもいつつとある光景を思い出す。それは町田ゼルビアがJFLに昇格する地域決勝の決勝ラウンド。決戦を前にしたチームは町田から駆けつけたサポーターと共に円陣を組み、終了間際にはベンチに下がっていた酒井良がサポーターのチャントに合わせて手を叩いていた。優勝が決まるとサポーターも選手も関係なく抱き合って喜んだ。ピッチと観客席を分かちていた一本のロープは辛うじて面目を保っていた。地域リーグを戦っていようがJFLの優勝候補であろうが町田ゼルビアをとりまく敷居の低さは変わることがない。

町田市陸上競技場をめぐる議論はよく行われるが、私は今回のTMを通じてひとつの意見を得た。町田ゼルビアのホームは野津田運動公園町田市陸上競技場でなければならない。町田市陸上競技場のスタンドは手を伸ばせば選手に届く距離でないとならない。追加で改修工事が行われる事は決定的となっているそうだが、町田らしさゼルビアらしさが引き立つ競技場になる事を祈っている。

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※得点の時間は公式記録が無いため、手元での集計を参考にしています。
SC相模原の選手名については公式に番号と選手名の整合がとれるものが無いため記載を控えております。

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