阪南大クラブvsバンディオンセ加古川:観戦レポート

「サッカーがある週末はやっぱええな。」関西在住である地域リーグ観戦仲間の何気ない言葉が、観戦を終えて東京に戻ってきた今でも印象深く残っている。震災の影響でJリーグとJFLが中断。震災の影響を全くといっていい程に受けてない西日本のサッカーオタクにとって、それが唯一で最大の被災なのかもしれない。関西の皆様お待たせしました。関西リーグの開幕です。

関西サッカーリーグ1部の開幕戦となったのは「阪南大クラブvsバンディオンセ加古川」の一戦。阪南大クラブは昨年、リーグ3位、全社ベスト8と飛躍。大学クラブゆえにチーム編成が毎年大きく変わるため、昨年の成績が指標になりにくいのは確か。しかし今年も大きな期待がかかる。バンディオンセ加古川は完全アマチュアチーム化してから成績が芳しくない。昨年も6位と低迷した。しかし今年からは加古川市が正式にバックアップに入ると、全国から大卒選手を補強。大きく生まれ変わることが期待できる。

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バンディオンセ加古川が早々に先制

さて、開幕戦ということで「緒戦独特の雰囲気」という表現が許されるので使用したい。ところがこの表現はこの試合においては十分な役割を果たさない。阪南大クラブにおいては使用を許されそうだが、バンディオンセ加古川に「緒戦独特の雰囲気」はなかった。

バンディオンセ加古川は立ち上がりから重心を高めに配置した4-4-2で阪南大クラブのゴールを襲う。すると開始5分、バンディオンセ加古川は左からペナルティエリア前へボールを送ると8池田昌広がこのボールを受ける。既にゴール前の守備を固めていた阪南大クラブ。この守り方はどうにも崩すことが出来まい。

ここで得た池田の判断はスルーパス。池田は阪南大クラブの最終ラインの裏へボールを送った。針に糸を通すようなパスとは正にこの事を言うのだろう。通しただけではない。そこに9寺本和弘がきちんと走りこんでいだ。完璧なタイミングで抜け出した寺本はGKとの一対一を冷静に制した。
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加古川、総員守備へ

先制したバンディオンセ加古川は勢いをそのまま2点目を狙いにいく・・こともできたであろう。ところがバンディオンセ加古川はすぐさま重心を低くし、守備的なサッカーをはじめた。一糸乱れず綺麗に整った4-4-2はJFLでよく見る光景。阪南大クラブの攻撃に迫力が無かったからかもしれないが、もしかしたらJFLでも通用する程の守備かもしれない。バンディオンセ加古川阪南大クラブに攻撃の形を作らせないまま試合を膠着へと導いた。

痛恨の失点は後の決勝点

試合に入りきれていない阪南大クラブにとってバンディオンセ加古川の守備は非常に高いハードルだったらしい。27分、攻めあぐねた阪南大クラブは痛恨のミスを犯す。DFからGKへと送られたバックパスは緩い弾道となってしまい、ルーズボールと化した。バンディオンセ加古川は9寺本和弘がこれを見逃さない。寺本はフィールドプレイヤーと化したGKと競り合ってルーズボールを簡単に我が物にするのであった。阪南大学出身である寺本和弘によって無人のゴールへと流し込まれたボールは、後にこの試合の決勝弾となる。

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後半、阪南大クラブ始動

前半の阪南大クラブは何も出来なかった。バンディオンセ加古川の牙城を崩すような攻撃が組み立てられない。この程度のチームではないはずなのだが。ただただ嘆いたハーフタイムを終えると、後半からは徐々にエンジンがかかる。阪南大クラブはボランチの位置から縦のボールがトップに入るようになると、縦にボールを動かして強固なバンディオンセ加古川のゴールへと迫った。

ひとつのチャンスで確実に得点

攻めど一向にチャンスすら作れない阪南大クラブ。無得点で終えることも辞さない状況だった。しかし昨年3位は伊達じゃなかった。阪南大クラブは後半20分、左サイドで27橋本貴織がボールを得ると、ゴール脇深くまで侵入してゴール前へ丁寧に折り返す。すると阪南大クラブはこの試合唯一のビッグチャンスを迎えることとなる。ゴール前に走り込んでいたのは9林大地。林はゴール前で構えていたディフェンスの前に体を入れると、ボールをワンタッチでゴールに流し込んだ。

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たったひとつのビッグチャンスをものにした阪南大クラブ。決定力の高さを示す得点となった。

失点を許したバンディオンセ加古川。失点をしたからといって決してバランスを崩すことは無かった。阪南大クラブの攻撃を跳ね返し続けたバンディオンセ加古川が2-1で開幕戦を制した。

加古川、もう一度あの場所へ

波乱万丈の歴史を残しているバンディオンセ。かつては関西で無類の強さを誇り、地域決勝のファイナルまで駒を進めた事すらあった。私がこのチームを見たのは数年の間なので、その頃のバンディオンセは全く知らない。しかし少なくともこの数年の中では最も完成度の高いサッカーをしていた。チームが一つになってサッカーをしてるのも非常に伝わってきた。リーグを通してこのサッカーが成熟された時、伏兵として全国の舞台に戻ってくるかもしれない。

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