名古屋SC vs VONDS市原:観戦レポート

全国クラブチームサッカー選手権大会。4日連続4連戦の4日目、決勝戦を迎えた。決勝に残ったのは東海地区代表の名古屋サッカークラブと、開催地市原市代表のVONDS市原。愛知県リーグ1部3位と千葉県リーグ1部4位が頂点で当たった。決勝の舞台は市原臨海競技場。快晴に恵まれた会場は暖かな陽射しと程よい微風が絶好のコンディションを構成した。

押すVONDS市原、押される名古屋SC

名古屋SCのキックオフで始まった前半戦はVONDS市原が支配する。VONDS市原は後方から丁寧にボールをつなぐと、サイドの高い位置へボールを運び、攻撃を組み立てる。2分、VONDS市原はFW2相川拓輝が左サイドから侵入すると、中央で構えていたFW14宮内亨にボールが渡った。宮内は足元でボールを落ち着かせると、迷いなくシュートを放つ。しかし、きつめのカーブがかかったシュートは落ちきらずクロスバーを超えた。7分には宮内のクロスからMF17木村直純がファーサイドで合わせたが、打ち上げてしまう。開催地代表のVONDS市原が優位に試合を進めた。

押されていた名古屋SCだったが、攻撃的姿勢を見せなかったわけではない。名古屋SCはVONDS市原の人数をかけた守備を前になかなかボールを前に運べずにいたが、遠くからでも積極的にシュートを放つなど、可能な限りで打開を図った。 VONDS市原が優位に進めていたが、名古屋SCも負けていない。攻守をはっきり分かちながら、両チーム共に得点の匂いがする。決勝戦に相応しい緊張感のある試合となった。

拮抗した決勝戦で先制点を奪ったのは押されていた名古屋SCだった。24分、名古屋SCは左コーナーキックを得ると、クロスをMF22宮前達也が頭で合わせた。ニアにいた選手を囮に使った連携プレー。名古屋SCが貴重なセットプレーで先制した。前半は名古屋SCがこのリードを守りきって1-0で終える。

名古屋SCが決定的な追加点

後半に入っても試合の構図は変わらない。ただし、名古屋SCが前半に比べて積極的に攻めれていたのが印象的だった。後半7分、名古屋SCはペナルティエリア内でMF10酒井亮がボールを保持し、空いて守備の注意を引きつけると、右で構えていたMF20松田康宜にボールを渡した。フリーでボールを受けた松田は落ち着いてゴール左を狙い、きれいに叩き込んだ。名古屋SCが少ない機会で2得点。勝利をグッと引きつけた。

VONDS市原が開催地の意地を見せる

開催地代表として決して負けられないVONDS市原。スタンドから「市原頑張れ!」と怒号が飛ぶ。ホームである上に、ボールも回せているとあり、VONDS市原は不甲斐ない試合をして終えたくない。

2-0というスコアには魔物がとりつく。次の1点をつかむのはどちらか。VONDS市原が意地を見せた。後半14分、VONDS市原はGKのクリアミスをFW2相川拓輝が拾う。その時点でGKのポジションが前目になっていたので選択肢は幅広かったが、相川は冷静だった。相川はボールを保持して相手の守備陣を十分に引きつけると、オーバーラップしたFW14宮内亨にボールを渡した。宮内はこのボールをきちんと足元に収めると、きちんとゴール内にボールを放り込んだ。開催地のVONDS市原が2点のビハインドから1点を返した。

スコアが2-1となったところで、試合は激しくなる。VONDS市原が前線に人数を割き重心を高く保つと、名古屋SCがカウンターを仕掛け続けた。VONDS市原が追いつくのか、名古屋SCが逃げ切るのか。後半25分、VONDS市原は左コーナーキックからフリーのMF7濱屋祐輝が頭で合わせたが、シュートは枠外へ飛んで行く。後半34分、名古屋SCは左サイドから仕掛けたカウンターからマイナスのボールをMF12金城勇弥が合わせたが、ボールは左ポストを叩いた。追加点は近い。

試合は劇的な展開を迎えた。35分、VONDS市原は右サイドからのクロスを送り込む。最後は中央に走り込んでいたFW14宮内亨がDFともつれながら足元で捉え、ゴールネットを揺らした。開催地VONDS市原が掴んだ維持の同点弾。VONDS市原が2点のビハインドを追いつき、試合は20分間の延長戦に突入した。

開催地代表・VONDS市原が大逆転勝利で初優勝

延長戦はVONDS市原が攻め続けた。しかし名古屋SCの粘り強い守備がVONDS市原の攻撃を跳ね返す。VONDS市原は延長前半10分にMF7濱屋祐輝が右からのクロスを頭で合わせたが、ボールは枠を外れた。このまま1点が遠いまま試合を終えてしまうのか。

延長に入るに当たり、会場の熱気は少ない人数なりに高まっていた。戦況を見つめる観客は地元の方が殆どと考えられる。「市原頑張れ!」声援と拍手がVONDS市原の選手を後押ししていた。

試合が動いたのは延長後半1分。VONDS市原は右サイドでボールを保持したFW2相川拓輝が相手GKと最終ラインの間へ鋭いボールを送り込む。VONDS市原はこのクロスをファーサイドにいたMF6佐藤誓哉が足元で合わせて押し込んだ。VONDS市原がついに逆転に成功する。

VONDS市原はさらに延長後半3分、FW14宮内亨が最終ラインの突破に成功すると、GKをもかわし、無人のゴールにボールを流し込んだ。地元観客の声援を受けたVONDS市原が延長戦の末、4-2で逆転勝利。開催地の役割を果たす優勝を飾った。

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