横河武蔵野FCvs栃木ウーヴァFC:観戦レポート

武蔵野陸上競技上・通称「ムサリク」といえば、鳴り物禁止、芝生席、そしてマアニアックなスタジアムグルメ。チキン南蛮丼がお気に入りだったが、今回は無かったのか今はもう無いのだろうか。わざわざ朝ごはん抜きで来たのでブラジル料理の「黒豆シチュー」をいただく。日本人に馴染みがなく好みが別れそうな味を堪能したことでムサリクの第一の目的を果たした。そのほか、ムサリクではキュウリの一本漬けやグルグルと巻かれたソーセージなど普段は食べられないものを堪能できる。20110524-030752.jpg

腹と心を満たすと、スタジアム内をじっくり観察。天気がいいからムサリク名物の芝生席もさぞかし人気だろうと思ったが、それほどでもなかった。それもそのはずで、この日は最高気温28度の炎天下。28度で何が炎天下だとか思うかもしれないが、前日まで長袖のシャツを羽織らないと若干寒いくらいだったので、気温が一気に急上昇したことになる。実際はどれくらい暑かったといえば、その芝生席に居た観客のうち3名が半裸になるくらい暑かった。はてさて、見てるだけの観客ですら暑さにやられていたのにピッチを駆け回る選手達はさぞかしキツかったはずだ。
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前半は横河武蔵野の時間

立ち上がりにペースをつかもうとしたのは栃木ウーヴァFC栃木ウーヴァFCは前線の中央に張り付いた25若林学にボールを当ててから縦に速い攻撃を展開。横に広く使って両サイドバックを押し込んだ。

主導権を奪われそうになった横河武蔵野は丁寧にボールを回しながら遠くからでもシュートを放つなど、積極的に攻撃を仕掛ける。結果として前半はその大半の時間が横河武蔵野FCのペースで試合が運ばれた。横河武蔵野はピッチ全体を使ってボール回し、最終ラインに張り付いた小林陽介と橋場貴之が積極的に裏を狙うスタイル。ゆっくりボールを回したあと、ここだというタイミングで最終ラインの裏にボールを送り一気に攻めこんだ。

20分、横河武蔵野FCは左サイドの高い位置で22永露大輔がボールを保持すると、守備陣と駆け引きをしながら中央へ向かって前進。永露はゴール前中央で構えていた栃木ウーヴァFCの選手の注意を十分に引きつけると、同じく中央で構えていた9小林陽介の足元へボールを送った。ゴール目前の絶好機となったが、このパスはボールを受けた小林の足元に僅かに合わない。小林も強引な体勢で合わせたが、ボールはフワリとGKの手元へ向かった。

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その他にも多くの決定機を迎えた横河武蔵野だったが、無得点で前半を終えることとなる。それでも後半も得点と勝利が期待できる内容だった。

守備に時間を割いた栃木ウーヴァFCも攻撃を組み立てようと最終ラインからボールを繋ぐ。しかし前線の各所にボールを送ったところで横河武蔵野の速いプレスに苦しんだ。ところで横河武蔵野のプレーが彼らを上回ったのは確かだが、危険なパスミスが目立ったのも事実。前半の彼らは体が重く暑さに苦しんでいるように見えた。

栃木ウーヴァペースの後半

後半は栃木ウーヴァFCが主導権を握った。横に広く使い、縦にテンポ良くボールを回す攻撃を見せたように形こそ大きく変わらなかったが、重心を高くし、かつ変わらず仕掛け続けた事が横河武蔵野の疲労を誘ったと見える。守備では脅威になっていた横河武蔵野の2トップに対して徹底的にマーク。2トップに決定的な仕事をさせなかった。

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偶然と必然で生まれた得点

時は訪れた。主導権を握っていた栃木ウーヴァFCに絶好機が訪れる。後半18分、GK飯塚渉がパスミスを犯すと、これを34濱岡和久がゴール前右手で奪う。ボールを拾った濱岡は落ち着いて中央へ折り返すと、走り込んできた25若林学が無人のゴールに蹴り込んだ。

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前半とのギャップに苦しんだ上、暑さと、精力的に動いた前半の疲労から集中力を欠いたか。選手らに直接聞いたわけではないので考察に過ぎないが、栃木ウーヴァFCが横河武蔵野を追い込むほどタフに仕掛けた必然から生まれた、偶然のミスと言える。パスミスは仕方が無いとしても、最終的にゴールを決めた25若林学が横河武蔵野の守備の選手に走り勝っていたそれは十分勝者にふさわしいプレーだ。ともあれ、事故の様な1点で栃木ウーヴァFCが先制。リードした栃木ウーヴァFCは無理をせず重心を低くし、間もなくして守りきる体制に入った。

打開策実らず・・1点が遠い横河武蔵野

リードを奪われた横河武蔵野FC。先制された直後の後半19分、横河武蔵野はカウンターからチャンスを作る。22永露大輔が最終ライン直前でボールを保持すると、誰もが期待したように最終ライン裏にボールを送る。ボールが送られた先に走り込んでいたのは9小林陽介。小林はすぐさま右足を振り抜いてみせたが、ボールはGKが正面でキャッチした。

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堅守に苦しみ、ゴールが遠い横河武蔵野。機能停止していた2トップの一角である橋場貴之に変えて15長沼圭一を投入すると、サイドバック29伊澤篤に変えて14加藤正樹を投入したり、精力的にボールを保持し攻撃を組み立てて疲れきっていた10高松健太郎に変えて8桜井直哉を投入したりと打開を図った。

同点に追いつこうと最後まで走り抜いた横河武蔵野だったが、試合終了までゴールネットを揺らす事が出来なかった。残り時間が少なくなればなるほどゴール前でシュートをしようと意気地になり、前半序盤ほど積極的にシュートを放てなくなったのが勿体なかった。これで2勝4敗。上手に試合をコントロール出来ないあたりはまだまだ時間がかかりそうだ。しかしゴールへのプロセスは決して悪くはない。葛藤は長引くかもしれないが、一つの切っ掛けで勝ち続ける事も考えられる。横河武蔵野がどこで転換期を迎えるのか、シーズンを通してゆっくり観察したい。

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栃木ウーヴァFC、さらに上へ

今季2度目の観戦となった栃木ウーヴァFC。前回に続いて勝利を目の当たりにすることができた。2試合を観戦しての共通点は堅守を武器に戦ったこと。今回の栃木ウーヴァFCは前半劣勢にあったが、後半は横河武蔵野の攻撃を引き出す役割をした小林陽介と橋場貴之の2トップに的を絞った守備で攻撃を跳ね返し続けた。ジェフリザーブズ戦も後半からエンジンをかけてきた相手の猛攻をきちんと凌いで流れを掴んでいた。ゴール前中央で跳ね返すスタイルの守備は非常に安定しており、攻撃では決定機できちんと得点できる。

あどけなさを見せた昨年と比べて、今年は垢抜けているという話を前回の観戦レポートに書いたが、この日もJFLのチームとして胸をはれる戦いぶりだった。それはかつて全社や地域決勝の舞台で安定して上位に名を連ねた時のよう。本節を終えて栃木ウーヴァFCは3位に浮上。J2の舞台で飛躍する栃木SCに続き、栃木ウーヴァFCもまたJFLの頂点に向かって続いている。

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