中京大学FCvs長良クラブ:観戦レポート

観戦レポートとキャプションを打っておいてなんがだ、今回は岐阜市の話をしたい。岐阜市といえばJ2に所属するFC岐阜の本拠地長良川競技場や昨年使用した長良川球技メドウがあるのはこのブログにたどり着いた方ならご存知だろう。長良川に隣接する競技場だから長良川競技場と言っているのだが、長良川の長良とは実をいうと競技場がある長良川北部一帯の事をいう。長良川球技メドウに隣接する学校が岐阜市立長良中学校なのをご存知な方はいるかもしれない。長良川の名物である鵜飼も競技場から長良橋を挟んだ反対側で行われている。長良とは言わば長良川の中心地であり、岐阜市を代表する観光地なのだ。その長良にて成人するまで育った私はこの長良という地域を誇りに思っている。

その岐阜市長良に所在する高校に岐阜市立長良高等学校というのがある。岐阜市ではそこそこの進学校であり、スポーツでも野球やサッカーをはじめ岐阜市ではそこそこの成績を収めている。というのは私が岐阜市で暮らしていたときの話なので現在もそうなのかは知らないが、私の中の長良高校は岐阜市内で文武両道をいく高校というイメージだ。

今年から東海社会人リーグ2部で戦う事になった長良クラブとはその長良高校のOBで結成されたチーム。2008年には都道府県リーグ所属の非企業名クラブの全国大会である「全国クラブチームサッカー選手権大会」にも出場している。同大会ではぶっちぎりの優勝を果たしたSC相模原に敗れはしたものの1−2と善戦している。

さっきからそこそこを連発しているが、私に言わせれば長良とはそういうところなのだ。鵜飼も岐阜県を代表する観光スポットかと言われれば、高山や白川郷、下呂温泉には及ばない。岐阜市の中でも繁華街には程遠く、代表するスーパーであるユニー長良店も隣町である正木のマーサ21には遠く及ばない。隣の芝が青々としているだけかもしれないが、どうも長良と冠するものはあと一歩で1番に縁がない。

その長良から岐阜県を代表するチームが台頭した。それでもFC岐阜セカンドの2番手でしかないというのはさておき、地域リーグを追いかけている私にとってとても嬉しいことだった。是非なんとしてでもチェックしておかなければ。

降格チームに昇格チームが挑んだ試合

東海社会人リーグ開幕戦。長良クラブの対戦相手となったのは中京大学FC中京大学FCは中京大学のサッカー部で2軍に当たる。昨年までは1部に所属していたが、浜松大学FC芙蓉クラブと共に今季からは2部に降格。大学チームとあってメンバーは大きく変わっているかもしれないが、東海2部を戦うなら十分な実力を兼ね揃えたチームに違いない。

試合は港サッカー場で1部の「マルヤス工業vs矢崎バレンテ」に続いて行われた。

20110513-015401.jpg

試合が開始されても両者なかなか攻撃の形を作れない。細かいパスをつなげる中京大学FCがやや優勢に見えたというくらいだ。長良クラブは前線から激しくボールを追いかけて中京大学FCからボールを奪おうと試みる。

気合で勝る長良クラブ、追って奪ってループシュート炸裂

29分、中京大学FCは最終ラインで何気なくパスを回していると、これが何気なさすぎた。不用意に送られたパスは長良クラブの7夏原孝次に奪われてしまう。夏原は守備に囲まれながらも中央へ持ち込んで右足を振り抜いた。夏原に放たれたボールは枠を大きく外れるかと思われたが、軌道を急激に下方修正するとGKの手をすり抜けてゴールネットを揺らした。ここは伊勢湾に囲まれた港サッカー場。風がいたずらした可能性も否定できない。

20110513-015459.jpg
20110513-015508.jpg
20110513-015513.jpg

長良クラブが予想を覆す先制点を奪った。全く得点の気配がなかったので驚いたのだが、あとで振り返ってみるとそれは必然だった。長良クラブは走る量で中京大学FCを上回っていた。学生チーム独特の甘さを見せていた中京大学FCに対して、長良クラブはひとつひとつのプレーに対して最大限の努力をしていたように見えた。初めての東海社会人リーグということで気合が入っていたのだろう。1点のリードで折り返したハーフタイムには長良クラブのベンチから「勝てる!」「勝つぞ!」という大きな声が聞こえてきた。

やればできる!あっという間の同点弾

後半は1点のビハインドを受けて中京大学FCが仕切り直してくる。後半0分、中京大学FCは右サイドでFKのチャンスを得ると、ペナルティエリア内にボールを送り込む。送り込まれたボールは高く飛び上がった22番が頭で捉えてゴールへ流し込んだ。開始早々に中京大学FCが得点。あっさりと同点に追いついた。

20110513-015628.jpg
20110513-015636.jpg
20110513-015643.jpg

20110513-015650.jpg

後半の中京大学FCは前半と比べて真剣さに明らかな違いがあった。不用意なパスミスもなく、手を抜いた感じもない。中京大学FCはボールを回しつつサイドに開いて突破を狙った。

中京大学FCが速攻から逆転

中京大学FCはこの攻撃が実る。後半28分、左サイドを10番がひとりボールを持って抜け出すと、ペナルティエリア内まで持ち込み、守備を十分に引きつける。

20110513-015748.jpg
20110513-015755.jpg
20110513-015807.jpg

十分に引きつけたところで中央に折り返すと、後方から走り込んでいた24番が思い切りよくボールをゴールに叩き込んだ。

20110513-015817.jpg
20110513-015823.jpg

1部から降格した中京大学FCが昇格1年目の長良クラブに負けるわけがない。中京大学FCがいとも簡単に状況を一気に変えてみせた。

長良クラブがしぶとく同点

長良クラブは前線からどんどんボールを追ってショートカウンターをしかけるチーム。逆転を喫したからと言って決して後ろを向くことなく、タフにしかけ続けた。

後半33分、長良クラブは右サイドでFKを得ると、これを単純にゴールまえに放り込む。ゴール前でもつれたボールは詰めていた16羽賀貴大が強引に押し込んだ。

20110513-015959.jpg

20110513-020005.jpg

20110513-020011.jpg

逆転直後の同点劇。長良クラブの勝利へのこだわりが得点に表れたようだった。試合はこのまま終了を迎える。降格初年の中京大学FCを相手に昇格初年の長良クラブの健闘が目立った試合となった。

故郷の誇りがまたひとつ

試合が終わったのが16時。19時から長良川競技場での試合「FC岐阜vs東京ヴェルディ」を観戦予定だったので急いで競技場を後にした。中京大学FCの選手達の疲れきった表情は確認したが、長良クラブがどういう態度をとったのかを確認するのもままならなかった。

たかが引き分け。されど引き分け。冒頭で岐阜を代表するとか大きな修飾をつけてしまったが、このチームはおそらくそれほど大きなものを抱えるつもりはないと思う。しかし長良育ちでしかも長良クラブの系列(おそらく)の少年団に所属していた私にとってこの試合は非常に感慨深いものだった。貴重な勝ち点1を手にした長良クラブが今後どの様なドラマを重ねるのか楽しみでしかたがない。今度観戦の機会があったらもう少し余裕のある日程にしよう。

そしてこれだけ郷土愛を書き綴っておきながら長良川競技場ではFC岐阜に勝利した東京ヴェルディのゴール裏で歓喜を爆発させていたのだから我ながらおかしな話だ。決して生まれ故郷にそっぽを向いているわけではない。それはそれ、これはこれ。岐阜のサッカーにまたひとつ楽しみができた。

関連ニュース
関連試合
関連レポート

検索

Twitter

Facebook