栃木ウーヴァFCvsジェフリザーブズ:観戦レポート

紅色の垣根を前景にしたことで鮮やかな桃色の背景が際立つ。諸事情で遅れてやってきた開幕戦は春の模様をきちんと残してくれていた。青空が覗き込むピッチはきれいな緑色に輝いていた。試合前、青色のユニフォームを身にまとって現われた栃木市長は「栃木ウーヴァFCのために芝を張り替えました」と説明。栃木市における栃木ウーヴァFCの存在の大きさを強く実感した。JFL初年であった昨年の様なよそよそしさは全くない。栃木市にウーヴァありと言わんばかりの堂々たる試合が用意されていた。

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試合前、「両チームによるエール交換です」のアナウンスに続いて両チームによるエール交換が行われた。交わされたエールは4種類。ともに開幕を迎えられなかった「ソニー仙台」のコール。被災地となった「東北・関東」のコール。がんばろニッポンの気持ちを込めた「ニッポン」コール。最後に両チームの名前を呼び合って締められた。これは「Japan Football Lovers」の活動に基づいたもの。両チームだけでなくJFLの全サポーターの意思によるものです。

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攻めるホーム栃木ウーヴァFC、守るジェフリザーブズ

前半は栃木ウーヴァFCが攻勢で試合をすすめる。栃木ウーヴァFCは縦にボールを動かしながらサイドを突破。サイドチェンジを織りまぜながらよくボールを動かしてジェフリザーブズのゴールに迫った。突破した後はクロスから攻撃を仕掛ける。しかしながらジェフリザーブズの中に絞った守備がそれをしぶとく跳ね返し続けた。

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ジェフリザーブズは後方に重心を置きつつ少人数で速いカウンターをしかける。ジェフリザーブズは高い位置でボールを奪うと、すかさず両サイドの裏にボールを配給。素早い展開から決定機を作り続けた。

前半立ち上がりにはトップチームから帰ってきた10金沢亮が右サイドを深くえぐって折り返す。ボールは19福田健の足元に収まった。福田があとは押しこむのみと思われたが、栃木ウーヴァFCの必至の守備に阻まれた。

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その後もサイドから崩し続けたジェフリザーブズ。守勢ながら多くの決定機を作り続けたにもかかわらず、最後の一押しが足らなかった。

非常に攻撃的でスリリングな展開となった前半戦。かくして45分をスコアレスで終えたわけだが、90分スコアレスというのは全く考えられなかった。それ程に両チームゴールに迫るシーンが前半は多かった。

後半一転、ジェフリザーブズが攻勢に

後半に入るとジェフリザーブズが戦い方を変えてくる。ジェフリザーブズはサイドを高めにして攻撃に人数をかけた。後半の頭に勝負をかけてくる戦術はジェフリザーブズが普段から得意としている形だ。やはり開幕戦の4失点敗戦は何かの間違いだ。ジェフリザーブズは本来の強さを失っていない。

そう思ったのだがどうも様子がおかしい。あとひとつのパスが噛み合わず、決定機では前半に続いて決めきれない。攻めても攻めきれないもどかしい時間が続いた。

ジェフリザーブズが試行錯誤している一方で栃木ウーヴァFCは虎視眈々とカウンターの機会を狙ってた。攻めるジェフリザーブズとカウンター狙いの栃木ウーヴァFC。前半とは真逆の試合展開となった。

カウンター一発!栃木ウーヴァFCが均衡を破る

ジェフリザーブズがバランスを崩したところで試合は動き始める。先手をとったのはカウンター戦術の栃木ウーヴァFCだった。後半21分、栃木ウーヴァFCは攻め込んでいたジェフリザーブズからボールを奪うと、左サイドの高い位置にボールを送り込む。そこにはサイドバックが上がった跡の広大なスペースが広がっていた。

送られたボールを受けたのは34濱岡和久。濱岡はサイドから中へ斬り込むようにボールを運ぶと、十分に相手選手を引きつけた上で左サイドの空いたスペースに再びボールを送り込む。次にそのスペースに抜けだしたのは32竹内優。竹内は迎えたGKとの一対一をきちんと制してボールをゴール右隅に流し込んだ。

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後半勝負に出たジェフリザーブズだったが、この勝負に勝ったのは栃木ウーヴァFC栃木ウーヴァFCがホーム開幕戦で先制に成功した。

突然の降雨、突然の追加点

いよいよ試合が動き始めた栃木市陸。ところが動き始めたのは試合だけではなく気候もガラっとかわった。青空と競り合っていた灰色の雲が雨粒をピッチに降り注ぐ。突然訪れたお天気雨は本降りとなりスタンドを混乱に陥れた。

先制されて焦るジェフリザーブズ、突然の降雨に焦るスタンド。焦りを見せなかったのは先制に成功した栃木ウーヴァFCだけだった。

肩の荷が下りた栃木ウーヴァFCが得点を重ねる。後半25分、栃木ウーヴァFCは右サイドの浅い位置からゴール前へボールを放り込むと、32竹内優が頭で流し込む。序盤の暫定ながら得点ランキング2位に食い込む今季3得点目は、栃木ウーヴァFCのホーム開幕戦勝利をぐっと引き寄せる追加点となった。

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栃木ウーヴァFCはロスタイムにも得点を追加する。ロスタイムに途中出場した10三輪宏真が敵陣右サイドで相手からボールを奪うと、そのままゴールを目指して前進。出場して最初のチャンスできちんとゴールに流しこんでみせた。

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気がつけば栃木ウーヴァFCが3得点。得点差程の差は見られなかったが、栃木ウーヴァFCが精度の高いカウンター3発でジェフリザーブズを押し切った。

2試合7失点・・

開幕2連敗で無得点7失点。開幕から窮地に立たされたジェフリザーブズ。崩壊とも言えなくはない数字を記録してしまった。しかしながら、今日の試合を見る限りにおいてこれを崩壊と表現するには違和感がある。決して100%負ける内容の試合ではなかった。

ポイントと感じたのは後半の立ち上がり。前半の守勢を転じて前がかりにして攻撃に出た所できちんと得点出来なかったところにある。勝負に出たが故の失点だったので失点そのものを後ろ向きに考える必要はない。

失点よりもむしろ1点を取れなかったところが問題だ。サイドを縦に突破して崩す従来のスタイルから攻撃の形は組み立てられているのだが、最後の最後で咬み合わない場面が続いた。あとひとりそこにいれば、あと少し早く動いていれば。細かい連携を取り切れていないあたりが非常にもどかしかった。

2戦連続アウェイで戦ったことも影響してるようだった。つまりコンディションの問題もあると思う。前半はジェフリザーブズの選手がピッチに倒れるシーンが多く、実際に前半で退いた佐藤悠希は負傷交代だった。

微妙な齟齬がフラストレーションを募らせ、守りきれなくなり、ラフプレーに走る。負のスパイラルに陥ってしまっているジェフリザーブズが開幕していきなり直面したトンネルから抜ける日はいつになるのだろうか。コンディションで言い訳がきかなくなるホームの試合に期待するとともに、今季のジェフリザーブズが完成したときの快進撃に今から心を踊らせることにした。

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栃木市から青色のシャツが消えている・・?

試合後、公園のベンチで思い出したかのように餃子を食べていると、奥様方の会話に耳が傾く。「スポーツ用品店に行っても青い練習着全然ないのよね。あるのは高いブランドものばかり。」果たしてウーヴァの影響なのか否か。真相は闇の中。何にせよ、スタジアムがあって、おらが街のチームの試合があって、たくさんの人が笑顔になれる。サッカーがある生活が戻ってきた喜びを感じるとともに、地域に密着したチームづくりはJFLをしても可能であるのだと知らしめられた1日でもあった。20110430-051518.jpg

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