松本山雅FCvsFC町田ゼルビア:観戦レポート

雪を被った日本アルプス。冬のアルウィンと言えば昨年の地域決勝を思い出す。1万人が見守ったJFL昇格の歓喜から1年が経とうとしている。昇格した当初はなかなか全国レベルのサッカーに対応できず苦しんだ。それでも戦力を入れ替えながらチームは大きく成長し、後期は前々節まで5連勝、11戦負けなしを記録。4位以内というひとつの目標まであと一歩のところまで上り詰めた。相手は2位のFC町田ゼルビア。上位を相手に勝利しラストスパートへの狼煙を上げたい。
FC町田ゼルビアはシーズンを通して安定した強さを発揮した。優勝こそ叶わなかったが、4位以内当落線上から2位まで上り詰めている。成績面ではJリーグ参入へ文句なしの状態だが、環境面が整わずに来期のJリーグ参入は断たれている。
両者共に前節は敗れている。上位チームとして連敗は絶対に許されない。

photo:01

寄り切って町田先制

試合はFC町田ゼルビアの攻勢で入った。FC町田ゼルビアは前線での高いボールキープ力を発揮。冷静に松本山雅FCの守備をあしらってはゴールに迫り続けた。
17分、FC町田ゼルビアは17鈴木崇文が松本山雅FCの守備陣が構えるゴール正面にボールを送る。送られたボールは守備陣を躊躇させる絶妙なポイントを捉えた。このパスに反応したのは7勝又慶典。勝又はトラップひとつで松本山雅FCの守備の裏を突いた。GKただ一人が構えるゴールを前にした勝又は、あとは冷静に流し込むだけだった。

photo:02
photo:03
photo:04

攻勢のFC町田ゼルビアが順当に先制点を奪った。

カウンターの松本山雅

防戦一方の松本山雅FC。意図して引いていた様ではあったが、結局は先制を許すことになった。しかしながらFC町田ゼルビアの前に屈したというよりは自滅に近い。
松本山雅FCは丁寧にボールを回すFC町田ゼルビアに対して、必死にボールを追いかける。見た目はファイト溢れるいいプレーだ。しかしすぐ飛び込むプレーを繰り返すことでFC町田ゼルビアに十分なスペースを提供し続けてしまった。
そういうものの、勢いとスピードは松本山雅FCのサッカーの真髄。攻撃面ではサイドからカットインする形でFC町田ゼルビアのゴールを襲う。41分、松本山雅FCはカウンターから右サイドを起点に速攻を仕掛ける。最後はゴール正面で11小林陽介が強烈なシュートを放ったが、FC町田ゼルビアのGK吉田がしっかりとセーブした。

photo:05

カウンターからチャンスを作り続けた松本山雅FC。しかしながら厚みの無い攻撃はGK吉田を中心に落ち着いて守るFC町田ゼルビアの脅威とはならなかった。

ただ一瞬のいたずら

後半に入ると、松本山雅FCは引いていた中盤を前目に置くことで攻撃に厚みを作る。サイドからだけでなく、中盤からも攻撃を組み立てられるようになった。守備的になっていた町田ゼルビアを松本山雅FCが徐々に押し込む。
後半7分、松本山雅FCはゴール前まで侵入を成功すると、24木島徹也がボールを保持した。木島徹也は大きく切り返してゴール前に立ちふさがる町田の守備をかく乱すると、冷静にボールをゴールへと放り込んだ。

photo:18

放たれたシュートはGK吉田の傍をすり抜けてゴールを一直線に目指した。ところが木島徹也のシュートには最後の壁が立ちふさがる。ゴールラインでカヴァーに当たっていた3藤田泰成が右手一本でシュートを阻んだのだ。当然、主審は藤田にはレッドカードを掲示し、松本山雅FCにPKを与えた。サッカーに限らず、事故はつきものだが、思わぬ接触事故で形勢は一気に逆転することとなる。

photo:06

PK失敗も同点

今日も大勢詰めかけた緑のサポーターが待ちわびた得点シーン。キッカーの7北村隆二が放ったシュートはゴール左隅を捉えた。ところが、北村のシュートは今度はGK吉田が右手一本で防ぐ。またしてもGK吉田がチームの窮地を救った。この日のGK吉田は非常に安定していた。守備と上手に連携して松本山雅FCの波状攻撃ですら次々と防いだ。

photo:07

しかしながら、安定した守備を続けていたFC町田ゼルビアとはいえ、守備の人員が欠けるのは例外だった。ましてPKという最大のピンチを防いだ後で集中を欠くのは仕方がない。
そんなFC町田ゼルビアの隙を松本山雅FCほどのチームが見逃すはずがない。PK失敗直後の後半9分、松本山雅は左サイドから送り込まれたクロスに木村勝太がドンピシャのヘディングを合わせる。ボールは一直線にゴール右隅を捉えた。何はともあれ、松本山雅FCは一人少ないFC町田ゼルビアから同点ゴールを奪った。

photo:08

止まらねえ俺たち松本

スピード感あふれる松本山雅FCの攻撃が噛み合った時ほど怖いものはない。守備の立て直しに時間を費やしていたFC町田ゼルビアに容赦なく襲いかかった。後半23分には右サイドから2玉林睦実がペナルティエリアに侵入。折返せば一点もののチャンスを迎えた。しかし玉林が上げたクロスは軌道半ばにして阻まれた。勢いづく松本山雅FC。逆転弾は時間の問題だ。

photo:09

対するFC町田ゼルビアは中盤の要である11酒井良を下げて、4雑賀友洋を投入。中盤を削って守備を整え直していた。更には松本山雅FCの勢いを殺す様に、チーム全体でゆっくりと時間を使いながらプレー。少人数でのカウンターから一発逆転を狙いつつも、引き分けすら辞さない戦い方を選択した。

町田ゼルビア、これが上位の上位たる強さ

松本山雅FCが勢いで押し込むか、FC町田ゼルビアが一発逆転をといくか。勝ったのはFC町田ゼルビアだった。後半30分、カウンターから7勝又慶典が左サイドを一人で突破。ゴール前まで持ち込むと、勢いそのままにマイナス方向のパスを送った・・かと思いきやボールは一直線にゴール右隅に向かった。GKを欺くゼロ角度からのシュートが決まった。一生のうちに何度も見れないであろうファインゴールでFC町田ゼルビア松本山雅FCから再びリードを奪った。

photo:10
photo:11
photo:12
photo:13

4位以内確保へ負けられない松本山雅FC。一人少ないFC町田ゼルビアのゴールを襲い続けた。後半34分にはペナルティエリア内でボールを保持した弦巻健人が右足でシュートを放ってサイドネットを揺らす。後半38分には木島徹也が右から上げたクロスを28弦巻健人が今度は頭で合わせる。続く後半38分には左からの展開から中央にいた13石田祐樹が左足を振り抜く。

photo:14
photo:15
photo:16

松本山雅FCの攻撃は実らなかった。再びリードを奪ったFC町田ゼルビアは冷静な守備で松本山雅FCの攻撃をやり過ごして1点を守り切った。これがJFL上位のチカラ。Jリーグに行きたくば、この町田を乗り越えていけと言わんばかりの勝負強さを見せつけての勝利だった。これぞJFLの面白さであり怖さ。

photo:17

翌日行われた4位HondaFCと5位V・ファーレン長崎の試合はHondaFCが勝利。6位松本山雅FCは3試合を残してHondaFCとの勝ち点差が7に広がった。松本山雅FCの今期4位位内は非常に厳しくなった。

関連ニュース
関連試合
関連レポート

検索

Twitter

Facebook