アルテ高崎vsMIOびわこ草津:観戦レポート

台風14号が関東地方を襲った。東京湾をかするように通過する台風14号の影響が試合の開催に影響しないわけがない。この日行われる予定だったJ1湘南ベルマーレvs大宮アルディージャは天候と交通機関の麻痺により開催が延期された。
関東平野の比較的奥の方に位置する群馬県高崎市もさすがに台風の影響を受けたが、大雨が降り続いた程度で済んだのは不幸中の幸いだろう。
アルテ高崎vsMIOびわこ草津。昨年までよく観戦にきたアルテ高崎のホームゲームも今年はこれが始めて。MIOびわこ草津については3年ほどJFLを見てきたが初観戦となる。
雨脚は台風接近に伴って徐々に強くなり、小雨程度だった雨は試合の経過と共に土砂降りへと変わって行った。

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MIOびわこ草津、電光石火の先制点

今年のアルテ高崎はどんなサッカーをするのか。MIOびわこ草津とはどんなチームなのか。それをまずじっくり見ようと腰を据えるのだが、どうやらこれは失敗だったらしい。MIOびわこ草津が最初のチャンスでゴールを得る。
1分、MIOびわこ草津はゴール前中央でボールを保持すると、簡単にボールを最終ラインの裏へ送り込んだ。このスルーパスに抜け出したのは4尾上勇也。尾上は慌てたアルテ高崎の守備ラインを簡単に割くと、はたまた簡単にゴールへとそれを送り込んだ。

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MIOびわこ草津が見せた開始早々の先制劇。私もまだ試合に入り切っていなかったが、アルテ高崎もまだ試合に入り切っていなかったように見えた。

攻めど攻めど攻めきれぬ

ホームで負けていられない。アルテ高崎はサポーターの檄を受けながら攻撃を仕掛け続ける。アルテ高崎は中盤にボールが収まったらすぐにスルーパスで最終ラインの突破を狙い続ける。スピードはさる事ながら高い集中力が必要とされるであろう。1点を追うアルテ高崎は積極的に攻撃を仕掛けた。しかし前半はその殆どでオフサイドをとられてしまう。アルテ高崎MIOびわこ草津の高い最終ラインを割る事ができなかった。
先制して余裕をもったMIOびわこ草津は強かった。守備では一糸乱れぬ4バックがアルテ高崎の攻撃を完全に封じては少ない手数で攻撃を組み立て続けた。

アルテ高崎が露呈した欠陥をMIOびわこ草津が突く

ところで、この試合においてアルテ高崎には致命的な欠点を露呈していた。それは守備ラインと中盤の連動が上手くいっていなかったこと。精力的に攻撃を仕掛ける中盤に対して、最終ラインの押し上げが足らず、その間に大きなスペースを作られていた。先制点のシーンもそのエリアをMIOびわこ草津に上手に使われてしまった形だ。
29分、MIOびわこ草津はまたしてもアルテ高崎が空けたスペースから得点を奪うことになる。MIOびわこ草津は中盤で4尾上勇也がボールを受けると、尾上はそのまま右へボールを流して展開する。流されたボールを受けた選手はノーマークの状態で落ち着いて中央へ再びボールを送った。ファーサイドで待ち構えていた19出口司に渡ればゴール確実だ。しかしボールはアルテ高崎の守備に阻まれると、そのままゴールネットを揺らした。MIOびわこ草津がオウンゴールで追加点とする。MIOびわこ草津が少ないチャンスを生かして2得点のリードで前半を折り返した。

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後半、反撃のアルテ高崎

後半にはいるとアルテ高崎の欠点は修正された。4-4-2の布陣はコンパクトに収納されており、MIOびわこ草津に前半のような攻撃を組み立てさせなかった。それどころか、攻撃に厚みがました分、得点の匂いが強くなった。
後半10分、アルテ高崎は後方から最終ラインに送り込まれたボールに対して11伊藤和基が反応する。伊藤はMIOびわこ草津の守備ともつれながら、シュートこそ打てなかったがPKを獲得した。アルテ高崎はこのPKをその伊藤が決めて1点を返す。さあ、反撃だ。

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攻撃が機能し始めたアルテ高崎が立て続けにチャンスを作る。後半17分には右サイドから抜け出した5小川裕史がGKとの一対一の場面を迎える。ようやく迎えた同点のチャンスだ。しかし小川がよく狙って放ったシュートは僅かゴール左にそれた。

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それでもMIOは強かった

この日のMIOびわこ草津は強かった。アルテ高崎の怒涛の攻撃を受けながらも、前半は有効に使えていたスペースを封じられながらも、サイドへボールを運んでは好機を伺い続けた。
後半44分、MIOびわこ草津は左サイドでボールを保持すると、ゴール前へ鋭いクロスを放り込む。軽いお見合い状態になったGKとアルテ高崎の守備の隙をこのクロスが突くことになった。ゴール前で合わせたのは10木下真吾。すがりつくアルテ高崎を振り払うかのようにMIOびわこ草津が追加点を奪った。

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止まらないMIOびわこ草津。後半ロスタイムにはまたしても左サイドから得点を奪う。左サイドから送られたクロスにファーサイドで応えたのは14伊藤和也。伊藤はボールを足元で収めると、冷静にそれをゴールへと突き刺した。試合はこのまま終了。MIOびわこ草津が4-1でアルテ高崎に勝利した。

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ぶつけられたブーイング、更に上へアルテ高崎

アルテ高崎の試合を見たのは今年が始めてだというのは冒頭で述べた通り。何かしら新鮮なものを目の当たりに出来ると期待していったのだが、その期待は良くも悪くも裏切られた。
そこにあるのはいつも通りのアルテ高崎だった。攻撃偏重のイケイケドンドンスタイルは万年最下位と言われたシーズンから今も変わっていない。昨年の前期に見せた守備面やサイドでの強さこそ衰退した感じはあるが、基本的なアルテ高崎のサッカーは変わっていなかった。
運営に関しても、ボランティアと登録外選手が中心となっている試合運営形態は変わっていない。消えた白線を何度も引き直す登録外選手に、雨で凍えながらも試合を円滑に進める運営スタッフ。大雨でひと手間ふた手間余計にかかった試合だったからこそ、改めてアルテ高崎の温かさを強く感じた試合となった。
変わったと感じたのは試合終了後の一幕。惨敗したアルテ高崎の選手に容赦ないブーイングがぶつけられた事だ。これに関しては偶然、私がアルテ高崎の不甲斐ない試合を見てなかったからかもしれない。試合後にぶつけられたブーイングは更に上を目指す意思の表れとして次の観戦機会になるであろう来季まで記憶しておきたい。

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