アルビレックス新潟vsFC町田ゼルビア:観戦レポート

0分、アルビレックス新潟がボールをセンターサークルから蹴り出すと、町田ゼルビアの選手が一気に襲いかかってきた。7勝又慶典は新潟から早速ボールをかっさらうと、一気に前進する。混乱する新潟の選手をドリブルでぶっちぎった勝又はペナルティエリアに入る手前でボールを解き放った。JFL町田ゼルビアがJ1アルビレックス新潟に宣戦布告をした瞬間だ。

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JFLからの使者町田ゼルビア、新潟に参上

天皇杯3回戦が今年最後の3連休に分散して行われた。天皇杯といえばアマチュアチームがプロに勝利する番狂わせが序盤の見所となる。誰かが決めたわけでもないのに毎年決まって起こる番狂わせ。今年の天皇杯においてJリーグのチームがが登場した2回戦でそれを達成したのは僅か2チーム。ひとつがJFLシードの町田ゼルビアでもう一つが宮城県代表のソニー仙台だ。町田ゼルビアはJ2東京ヴェルディを破って3回戦の会場である新潟県東北電力ビッグスワンスタジアムに乗り込んだ。アルビレックス新潟に勝つために乗り込んだ。
0分、勝又のシュートがゴールポストをかすめて外れる。町田ゼルビアはこれで一気に勢いづいた。勝又がやるなら俺もと言わんばかりに名乗り出たのは2トップの相方である木島良輔。町田ゼルビアは3分に左サイドでFKのチャンスを得ると、28星大輔がゴール前にボールを放り込む。木島は一人抜け出して頭でそれを捉えたが、合わせきれなかった。

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開始早々から勝負をかけてきた町田ゼルビア。アルビレックス新潟はそれを軽くあしらうと、早速反撃にでる。4分、新潟はカウンターから14三門雄大がハーフェラインを超えたとこで抜け出して決定機を得る。三門はそのままボールをゴール前へ運んでGKとの一対一を制した。完全に1点ものだったが、ボールは枠外へ転がっていった。

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決定機を作りあった町田ゼルビアとアルビレックス新潟。両者にとってこの試合は記念受験も親善試合でもない。天皇杯を賭けた真剣勝負なのだというのをピッチで表現した。

攻め急ぐ町田、鎮める新潟

町田ゼルビアはなお勢いよく攻め続ける。町田ゼルビアはサイドから丁寧にパスをつないで切り込むいつも通りのサッカーを披露。何をそんなに急いでいるのかというくらいに町田ゼルビアが攻め続けた。
やがて町田ゼルビアの勢いが途切れる。いや、アルビレックス新潟に途切れさせられた。10分頃、アルビレックス新潟はまるで町田に対して落ち着けと言わんばかりに後方でボールを回して時間を稼ぐ。すると町田ゼルビアの勢いは完全に沈黙。一転してアルビレックス新潟が攻める時間が増える事になる。

隙を逃さず新潟先制

24分、アルビレックス新潟は17内田潤が左サイドでボールを持つとそれを簡単にゴール前へ放り込む。新潟は町田の最終ラインと中盤の間が空いていたのを見逃さなかった。町田が作ってしまっていたスペースに陣取っていたのは田中亜土夢。田中は放り込まれたボールに頭から勢いよく飛びかかると、ボールは軌道を変えてゴール右隅へと転がっていった。

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遠い同点ゴール

先制狙いだった町田ゼルビアが先制点を奪われた。格上を相手にこれ以上苦しい展開はあるまい。それでも町田ゼルビアは完全に主導権を握ったアルビレックス新潟に対して食らいついた。
町田ゼルビアは前半終盤に連続でCKのチャンスを得る。しかしセットプレーでJ1のチームに勝るのは難しく、最後に木島が放ったシュートはゴール右へと逸れていった。1点が遠い。得点を取るというのがこんなに難しい事だったとは。

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追加点を奪うだけの簡単な仕事

そんな難しい仕事をJ1アルビレックス新潟は簡単にやってみせる。前半ロスタイム、右サイドからペナルティエリア内に侵入した22西大伍は町田ゼルビアの守備が整った中央へボールを送る。町田にとって誰かが触れば防げたピンチ。しかしそれが出来ないくらいに絶妙な呼吸でボールは中央の田中の足元へ収まった。田中がそれをゴールに放り込んでアルビレックス新潟が追加点とした。

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激しい探り合いとなった前半戦はアルビレックス新潟が2点のリードを得て終了する。勝ちに来た町田ゼルビアにとってこんな屈辱的な結果はあるまい。せめて一矢報いておかねばならない。

さあ町田、反撃だ!

後半3分、記念すべき瞬間が訪れる。町田ゼルビアは左サイドから28星大輔と6太田康介のコンビネーションで前進すると、そのままペナルティエリア内に侵入する。前を向いた状態でボールを保持した太田は中央で構えていた勝又にボールを送った。ゴール目前でボールを受けた勝又はそのまま反転してシュートを放てばヒーローだ。

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新潟の守備にマークを付かれていた勝又は冷静だった。フリーでゴール前へ走りこんで来た太田に再びボールを返す。太田は落ち着いて受けたボールをゴールへと放り込んだ。町田ゼルビアが公式戦でJ1から奪った初得点は太田康介。ところが勝ちに来た町田にとってそれはただのゴールに過ぎない。町田はすぐさまボールを拾って自陣に戻った。

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動かぬ試合・・ゴールまであと僅か

楽勝ムードから一転、緊張感が張り詰めた東北電力ビッグスワンスタジアム。追加点を狙うアルビレックス新潟は町田ゼルビアを一方的に押し込んだ。攻める新潟、守る町田。
後半22分、アルビレックス新潟はペナルティエリア内右で15本間勲がボールを受ける。必殺の得点パターンに入った。あとは折り返したら合わせるだけでゴールが生まれる状態だ。しかしこれは後方から走りこむタイミングを伺っていた内田と呼吸が合わなかった。ボールはチャンスエリアを通り抜けて町田にボールが渡った。

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本気のアルビレックス新潟に対して町田ゼルビアは歯が立たなかった。最もゴールに迫ったのは後半33分の直接FK。町田ゼルビアはゴール正面やや遠目の位置でFKのチャンスを得ると、17鈴木崇文が直接ゴールを狙う。絶妙な軌道を描いたボールはクロスバーの僅か上を通過した。

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惜敗

町田ゼルビアは1-2でJ1アルビレックス新潟に敗れた。敗れはしたものの、町田ゼルビアにとってJ1から奪った得点1は非常に歴史的な1点だ。カテゴリ2差であれば大差で終わることも珍しくない組み合わせであることも考えると、1-2というスコアも悪くない。
客観的に悪い結果ではないが、町田ゼルビアに対して「よくやった」「善戦だった」という前向きなコメントはできない。その理由は試合後にサポーターの元へ挨拶に来た選手一人一人の顔を見れば分かる。誰一人としてその結果に満足をしていなかったのだ。それは敗者の顔そのもの。町田ゼルビアは来期のプロリーグ参入への道が断たれた。しかしチームの戦う姿勢はプロそのものだ。町田ゼルビアはアルビレックス新潟に悔しい敗戦を喫した。

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