SAGAWA SHIGA FCvs松本山雅FC:観戦レポート

JFL後期第10節。10月ということで今年も残す所3ヶ月となった。JFLでは本節、ガイナーレ鳥取がJリーグ参入条件である4位以内を決める事になるのだが、いよいよシーズンはクライマックスへと突入する。
SAGAWA SHIGA FCvs松本山雅FC。2位のSAGAWA SHIGA FCに上位進出を狙う松本山雅FCが挑戦する形の試合となった。SAGAWA SHIGA FCは今季ホームで負けなし。勢いづく首位ガイナーレ鳥取を捕らえるためには勝利以外許されない状況だ。松本山雅FCは先日、Jリーグの入会予備審査を条件付きで通過。順位さえ達成すれば来期のJリーグ参入が見えてくる状況になった。
松本山雅FCは終盤に向けて追い上げるためにも最強門番SAGAWA SHIGA FCはどうしても叩いておきたい。会場は琵琶湖のほとり、佐川急便守山運動公園陸上競技場。降りしきる小雨の中で試合は行われた。

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SAGAWA SHIGA FC支配の前半戦

前半はSAGAWA SHIGA FCが完全に試合を支配する。SAGAWA SHIGA FCは前線でテンポ良くボールを回す、普段通りの攻撃を披露してみせた。その攻撃的なスタイルはいかにも優勝を狙うチームに相応しい。SAGAWA SHIGA FCはまるで松本山雅FCの守備が無かったかのように攻め続けた。
いくら試合を支配されているとはいえ、松本山雅FCにチャンスが無かった訳では無い。むしろ先に決定機を作ったのは松本山雅FC松本山雅FCはSAGAWA SHIGA FCの攻撃を粘り強くはね返し続けるとカウンターで応戦。前半3分に松本山雅FCはカウンターから左サイドを突く。最後は11小林陽介が抜け出してファーサイドに流し込んだが、枠は捉えられなかった。

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10分には左サイドコーナー付近から25大西康平がゴール前に放り込む。ファーサイドで9木村勝太が相手守備と競り合いながら折り返すと、中央にいた小林がフリーでボールを叩いた。しかしこれはボールをきちんと捉えきれず、シュートは彼方へ飛んで行った。

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松本山雅FCが繰り出すカウンターは、北信越Lを戦っていたかつての松本山雅FCを彷彿させた。監督が変わっていないというのもあるのだろう。選手が入れ替わっても山雅のDNAは受け継がれている。JFL昇格前にチームの基盤を作らなくてはならないとつくづく感じた。苦しい時に帰るべき戦術があるのは非常に心強い。

これがカウンターだ!SAGAWA SHIGA FCがお手本となる先制点

攻勢のSAGAWA SHIGA FCとカウンター頼みの松本山雅FC。最初にスコアを動かしたのはSAGAWA SHIGA FCだった。
SAGAWA SHIGA FCは松本の攻撃を凌いだ36分にカウンターを仕掛ける。松本山雅FCの守備が整わないうちに9中村元が右サイドでボールをキープすると、SAGAWA SHIGA FCはチーム全体で押し上げる。数的優位を作ったSAGAWA SHIGA FC。中村は中央に走り込んでいた22求衛昭紀に素早くボールを送る。22求衛は戻ってきた松本山雅FCの守備に囲まれたが、迷わず後ろへボールを送った。そこに走り込んできたのは29御給匠。御給は勢いをそのままに右足を振りぬくと、ボールはすっぽりとゴール右隅へ収まった。

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ゴールに絡んだ選手だけでなく、3人、4人とフリーの選手を生み出した完璧なカウンター。まるで松本山雅FCにカウンターとはこうするのだと教えているようだった。
前半は完璧すぎる内容と結果でSAGAWA SHIGA FCが試合を支配。松本山雅FCは中盤で攻撃を構成すべき弦巻健人に全くボールが収まらなかった。このままSAGAWA SHIGA FCが押し切るのか。

松本、全く違うチームへ変身

後半、白のユニフォームを着て出てきたのは全く別のチームだった。11人総入れ替えか。まさかそんなはずはないが、松本山雅FCはそれぐらい別のチームと化して後半戦を戦っていた。
後半5分、松本山雅FCは2玉林睦実から小林へと繋いで右サイドを突破する。小林は速いクロスをゴール前へ送った。このクロスに合わせたのは弦巻。弦巻は守備の死角からすっとニアサイドに飛び出すと、頭で綺麗にそれをゴールへと送り込んだ。松本山雅FCの攻撃を牽引する弦巻が自ら得点を記録する形になった。

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形勢逆転!スコアも逆転!

松本山雅FCに起きた大きな変化は中盤でボールが収まっていたこと。松本山雅FCはボールを相手から奪うと、まず中央の弦巻にボールを預ける。弦巻は持ち前のテクニックで溜めを作ると、正確無比なパスで攻撃を組み立てた。松本山雅FCの攻撃が機能してくると、SAGAWA SHIGA FCは攻める機会を失ってしまう。気がつけば「攻めの松本山雅FC、カウンター狙いのSAGAWA SHIGA FC」という構図になっており、前半と真逆の状態となっていた。
守山に激震が走る。後半35分、松本山雅FCは大西が右サイドからふわりとしたクロスを送る。ゴール前で構えていた13石田祐樹は高く跳びあがってそれを捉えた。SAGAWA SHIGA FCの守備は集中力を切らしていたのか、3人いながらそれを阻止できなかった。石田が頭で叩きつけたボールはゴール左に吸い込まれていった。後半戦を完全に支配していた松本山雅FCがついに逆転に成功した。

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ところで、松本山雅FCのメンバーを見ると実に新鮮な面子となっている。北信越リーグを戦ったメンバーでスターティングイレブンに残っていたのは約半分。やはり地域リーグのメンバーでJFLを戦うのは難しいという事か。
終盤に入ると松本山雅FCは見覚えのあるメンバーを次々と投入してくる。北村隆二、須藤右介、柿本倫明。するとどうだろう、チームの戦い方は非常にスマートになった。やはり熟練のコンビネーションに勝るものは無いのだろうか。

門番破り、Jリーグへ大きな一勝

後半戦を前半やられた以上に完璧に試合を支配した松本山雅FCが逆転で勝利。SAGAWA SHIGA FCが後半に放ったシュートが0本というのだから驚きだ。強敵との一戦を目の当たりにしようと駆けつけたサポーターの喜び方は、それはもう異常だ。まるで優勝を決めたかのような歓喜を目の当たりにする。後半だけとはいえ完璧な内容で昨年王者をねじ伏せたのだから当然だろう。「今まで見てきた試合の中で5本の指に入る試合だった。」と語った北信越リーグ時代からのサポーターの言葉が非常に印象的だった。
松本山雅FCはこれで順位を5位に上げた。来期のJリーグ参入は非常に現実的な目標となっている。

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