FC町田ゼルビアvsV・ファーレン長崎:観戦レポート

江戸川で平日ナイター1557人

スーツにタオルマフラー。サッカー観戦を殆どしない人間にとってそれは異様な光景に映るらしい。以前、友人とスーツでサッカーを見に行こうとして他の友人に笑われたのを思い出した。そんな異様な光景が見られるのが平日ナイターの試合。多くの人が半ば無理をして駆け付けてきたのだろう。特にこれはJFLの試合だというのだから、それはもう非常にコアなサッカーファンが集まったはずだ。
FC町田ゼルビアV・ファーレン長崎のJリーグ順加盟対決。JFL昇格同期対決。上位対決。この対戦カードは角度を変えたらいくらでも煽り文句が出てきそうなくらいの注目の一戦となっていた。それを裏付けるかのように、平日ナイターの試合にも関わらず集まったのは1557人。金曜の夜に少し早目の週末がキックオフされた。

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必然の町田ペース

FC町田ゼルビアは速いプレスからボールを奪うとテンポよくボールを繋いで積極的に攻めるチーム。V・ファーレン長崎は低い位置でボールを奪ってからサイドを縦に鋭く抜け出すカウンターを得意とするチーム。試合は攻撃の町田と守備のV・ファーレン長崎がその特徴を色濃く出た。必然的にFC町田ゼルビアが攻勢で試合を進める。
開始から20分程はずっと町田が攻め続けた。開始1分には左サイドをオーバーラップした酒井良がゴール前へグラウンダー性のクロスを上げる。GKとDFの間を通す絶妙なパスだった。触ればゴールの状態だ。しかし走りこんでいた勝又の足には僅かに届かなかった。

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徐々に流れは長崎へ

V・ファーレン長崎は丁寧にラインコントロールして反撃の機会をうかがう。V・ファーレン長崎がようやく攻勢に出たのは25分が経ってから。町田が疲れたところでようやく攻撃権を譲り受ける形となった。V・ファーレン長崎はサイドチェンジを効果的に織り交ぜてサイドを上手に利用。縦に速いカウンターからチャンスを量産した。
30分には左で起点を作ると逆サイドに一度振ってから素早く中央へ展開する。PA前でボールを受けたのは有光亮太。有光はすぐさま切り替えしてDFを振り切ると、すかさず左足を振り抜いた。これは僅かに左へ逸れてしまったが、V・ファーレン長崎が最もゴールに迫った瞬間だった。

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V・ファーレン長崎が攻めているからと言って町田が完全に守備的になっていたわけではない。今度は町田がカウンターを試みるようになった。しかしV・ファーレン長崎は丁寧なラインコントロールで町田のカウンターを殆ど許さない。しばらくV・ファーレン長崎の時間帯が続いた。
両者が長所を発揮しあった前半戦。非常に濃い45分をありがとう。

一瞬のほころび・・逃さなかった町田ゼルビアの強さ

後半はV・ファーレン長崎が先手を打つ。3回連続でCKを得るなど好機を作り続けたがあと一歩を押し込めなかった。前半には見せなかった攻撃的なV・ファーレン長崎。押し込むにつれてどんどんとラインが高くなっていったのはいた仕方がない。
FC町田ゼルビアはそれを見逃さない。ショートカウンターから2トップが連続でチャンスを得る。後半13分には勝又慶典が左サイドから中央へ持ち込んで粘り強くシュートを放つ。しかしこれはGK近藤健一が落ち着いて掴んだ。同13分には右サイドからPA内でボールを得た木島良輔がマークを振り切ってシュートを放つ。またしてもGK近藤に阻まれた。

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連続でビッグチャンスを作ったFC町田ゼルビアにいよいよ得点の匂いがしてきた。FC町田ゼルビア・ゴールショーの開演だ。
1点目は後半17分。酒井良が中盤でタメを作ると、右サイドに走り込んでいた星大輔へスルーパスを送る。最終ラインを抜け出した星は素早く中央へ折り返した。ボールはGK近藤を通り越してファーサイドへ流れる。そこに走り込んでいた勝又はそれを簡単にゴールネットへ突き刺した。

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2点目は19分。右サイドをペナルティエリア内で突破した酒井良が中をよく見て優しいクロスを上げる。中央で構えていた木島はそれをゴールへと豪快に頭で叩き込んだ。

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3点目は20分。カウンターから木島が一人でPA内に侵入すると、粘り強くボールをキープ。相手の守備を十分に引きつけたところで、走り込んできた味方にボールを預けた。そこには勝又、柳崎、星と3人もの選手が走り込んでいたのだが、ゴールゲッターとなったのは柳崎祥平。V・ファーレン長崎の守備は完全に崩壊していた。FC町田ゼルビアV・ファーレン長崎が立て直す間もなく一気に勝負を決めた。

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一瞬で3点を失ったV・ファーレン長崎も反撃を試みたのだが、余裕をもって守るFC町田ゼルビアの守備は堅く、崩せなかった。リアクションサッカーの限界というべきか、V・ファーレン長崎は完全に引いた状態の相手を崩すだけの手段を持ち合わせていなかった。ビッグチャンスを立て続けに作ったFC町田ゼルビアはそのままV・ファーレン長崎を寄り切った。

町田じゃなくても町田のホーム

ひとつ忘れていたことがある。今回の試合会場となった江戸川陸上競技上は鳴り物禁止という話題だ。江戸川陸上競技場は鳴り物どころかメインスタンドの声だし応援禁止という、サポーターにとって何とも厳しいルールの中で行われた試合であった。それでも気がつけばスタジアムは鳴り物禁止を感じさせない盛り上がりを見せていた。
試合内容が良かったというそれもあるだろう。ホームのFC町田ゼルビアが勝ったというのもあっただろう。しかし、もし消極的な試合だったとしても盛り上がりは変わらなかったかもしれない。鳴り物がなくても手拍子で盛り上がれる応援を扇動した町田サポーターとそれに応えたメインスタンド。それはいつも野津田運動公園で見ていた光景と何ら変わりがない。場所がどこだろうと、どんな応援規制がかかろうと、そこはやはりFC町田ゼルビアのホームゲームだった。
今期は普段のホーム野津田が使えない。FC町田ゼルビアは残りのホーム試合で市外近隣の競技場を点々とすることになっている。それでもそこにゼルビアがある限り、町田は町田のホームゲームを作り上げていくことだろう。

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もちろん、変わらず元気に声援を送り続けたV・ファーレン長崎サポーターの存在も欠かせなかったのは言うまでもない。平日にもかかわらず遠くから東京までお越しいただきありがとうございました。

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