ジェフリザーブズvs流通経済大学FC:観戦レポート

JFL前期「裏」天王山

 裏天王山。天王山と表現すれば、なにかしら高貴な雰囲気を出すことは出来る。しかし裏天王山の現実は最下位の擦り付け合い、いわゆる残留争いという日を当ててはならない戦いだ。私自身、不本意ながらサポーターとして裏天王山を何度も経験しているが、その雰囲気は独特である。勝てないチームを象徴するように大雑把な攻撃が繰り返され、苦し紛れに放つシュートに天を仰ぐ。サポーターは我武者羅に走り回る選手に胸を痛め、涙を浮かべながら声を絞り出す。それが両チーム共に繰り返されるのだからそれは正にサッカーの地獄絵図ともいえる。J1でそれならJFLはどうなのだろうか。17位ジェフリザーブズvs18位流通経済大学FC。そこに繰り広げられたのは地獄絵図と表現するには失礼極まりない、非常に生き生きとした試合だった。

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目まぐるしい前半戦

 立ち上がりはジェフリザーブズの時間帯となった。サイドの高い位置を基点に攻撃を仕掛けて流通経済大学FCのゴールを襲う。立ち上がりからCKのチャンスを幾度か掴むなど、とにかく勢いよく攻め続けた。8分には左サイド浅い位置からのクロスをファーで構えていた宮内亨が丁寧に合わせてゴールネットを揺らす。ジェフリザーブズが勢いをそのままに先制したかと思われたが、判定はクロスに合わせた宮内亨のオフサイドだった。

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 押され気味だった流通経済大学FCもカウンターで応戦する。サイドの裏のスペースに積極的に配球して数的有利をつくり、縦に速い攻撃を仕掛けた。流通経済大学FCは惜しいシュートを幾度も放ってはジェフリザーブズのゴールを脅かしてみせた。

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 ペースを握っては与えを繰り返すめまぐるしい展開。何も知らずにこの試合を見たとしたらまさか裏天王山と言える一戦だとは思うまい。それぐらいに両チームは繰り返しチャンスを作り出し、ゴールに迫った。

荒れた後半・・

 後半も立ち上がりはジェフリザーブズが試合を支配する。立ち上がり早々にCKのチャンスを掴むと、前半の続きをするかのように流通経済大学FCとめまぐるしい試合を展開してみせた。

 落ち着くとこをを知らないこの試合はこのペースのまま試合を全うするつもりなのだろうか。そう思っていると試合は少々思わぬ方向で落ち着きを得ることになる。後半20分頃からジェフリザーブズの福士徳文が痛んだのをはじめとして、両チームの選手に負傷者が相次いだ。両チームベンチからは怒号が響き渡り、ピッチ内外共に殺伐としはじめた。

攻め続けていたジェフリザーブズが先制!

 負傷者の入れ替えを済ましたところで試合はようやく動き出す。後半35分、ジェフリザーブズは宮内亨が左サイドでボールをキープすると、グラウンダー性のクロスを配球する。そこに走りこんだのは安川洋介だ。安川洋介はGKを背にして再びボールをキープすると、後方でフリーになっていた佐藤悠希に折り返した。佐藤悠希は容易なパスを丁寧にゴールに蹴りこむと、これを先制点とした。前半から再三のチャンスを作っていたジェフリザーブズが待望の先制点を挙げた。スタジアムは歓喜と言うよりは安堵の雰囲気に包まれた。あと約10分守りきればジェフリザーブズの勝利だ。

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ドラマティック流経FC!終了間際の同点劇

 この試合、JFLとは違う何かに似ていた。ひたすら我武者羅に走り、一生懸命にシュートを放つ。それはまるで高校や大学のサッカーそのものだった。流通経済大学FCはもちろん、ジェフリザーブズも多くが20代前半の選手。今思えば、若さあふれる両チームの対戦でドラマが起こらないはずがなかった。後半41分、流通経済大学FCの堀川俊大がPA内左サイドで突破を試みるとジェフリザーブズの石垣勝矢はこれを倒してしまう。判定はファウルで流通経済大学FCにPKが与えられた。

 どうやらこの日繰り返されていた激しい体のぶつけ合いがフラグだったらしい。あまりにも秀逸すぎるこの試合のシナリオを書いたのは誰なのだろうか。キッカーの内山俊彦はGKの逆を突いて丁寧にゴール左隅に放り込んだ。流通経済大学FCは土壇場で同点に追いついた。

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そして逆転へ・・

 しかしこのドラマのクライマックスは始まったに過ぎない。後半ロスタイム、小山博史がPA内左斜め45度から丁寧に放ったシュートはGKの左手を抜けてゴール右隅のネットを揺らす。歓喜と沈黙に二分されたスタジアム。逆転を許したジェフリザーブズは終了間際まで攻め続けたが、鳥養祐矢のヘディングシュートが枠をそれると試合終了が告げられた。

 流通経済大学FCが直接対決を制して最下位を脱出した。

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降格候補とは呼ばせない

 最下位を譲り合う決戦とは思えぬ激闘を繰り広げた両チーム。しかしまだ16位との勝ち点差は広いままだ。得点こそ取れたもののその瞬間が非常に遠いのは共通して代わりがない。改善を繰り返さなければ順位が上がるのは難しそうだ。しかしチーム全体として戦えていること、攻撃のコンセプトが割りと明確であることが両チームを降格候補と言わせない。まだ時間も試合数も有る。足元をみつつ進化し続けることで浮上のきっかけを掴みたい。

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