九州INAXvs沖縄かりゆしFC:観戦レポート

沖縄かりゆしFCが連覇へ一歩前進

 地域リーグはその殆どが終盤に入り、今年も続々と決勝大会進出チームが決定している。関東からは日立栃木ウーヴァSC、関西からは三洋電機洲本、北進越のJAPANサッカーカレッジ。九州サッカーリーグも未消化試合を残しながら先週の試合で決勝大会進出チームが決定しており、それが首位の沖縄かりゆしFCと2位のヴォルカ鹿児島になる。最低限の目標である決勝大会進出枠の2位以内は達成したがまだ優勝は決まっていない。今期圧倒的な成績で君臨する2強の一角、沖縄かりゆしFCは九州サッカーリーグ連覇に向けて九州INAXと対戦し、勝利を収めた。

九州INAX 1-3
(0-3)
沖縄かりゆしFC
後半33分 今村晃輔 前半11分 小寺一生
前半14分 関隆倫(PK)
前半31分 浅野大地

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かりゆしペースの前半

 沖縄かりゆしFCのサッカーはサイドを基点に中央で勝負するという、このカテゴリではごく一般的で有効な戦術をとっている。昨年の決勝ラウンドに進出したFC町田ゼルビアレノファ山口FCが得意とした形だ。

 沖縄かりゆしFCの鍵となるのがエース番号10を背負う関隆倫。沖縄かりゆしFCは早いプレスでボールを奪うと右サイドに構えている関隆倫にボールを集める。すると関は得意のドリブルで中央に切り込んだり、サイドをえぐったりとやりたい放題に九州INAXのサイドをかき混ぜてみせた。前半11分の先制点は右サイドからクロスを上げて小寺の得点を演出し、14分には自ら右サイドのドリブル突破を試みてPKを誘発。3点目は中央で受けて相手DFラインを縦に切るスルーパスを送り込み、アシストを記録した。MVP級の活躍ぶりだ。それだけ関隆倫が組み立てる右サイドからの突破と組み立ては脅威であり、間違いなく決勝大会でもキーマンとなる。

 沖縄かりゆしFCは九州INAXに攻撃を許さないまま、前半に易々と3点を奪って試合を決定付けた。

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逆襲のINAX!かりゆしは耐え切れず。

 後半になると戦況は一変する。セーフティスコアを得た沖縄かりゆしFCは消極的になり、それと呼応するように九州INAXの反撃が始まる。九州INAXがまず見せた変化は当然、関へのマークを強化すること。すると関は後方の援護があまりなくなったこともあり、意気消沈する。左サイドにポジションを変えるなど変化を見せるが、結局後半は目立った場面を作ることが出来なかった。

 しかし九州INAXは3点ビハインドの状況で守備を見直しても仕方がないわけで、攻撃にも変化を出さなければいけない。そこで九州INAXが見せたもう一つ見せた変化が、サイドの深い位置を上手に使うようになったことだ。沖縄かりゆしFCの弱点は重厚なサイド攻撃の裏に出来るスペースにある。沖縄かりゆしFCはサイドバックが上がったスペースのケアを上手に出来ず、時折広大なスペースを提供してしまうのだ。九州INAXは前半こそ中央を半ば無理に突破しようとして形を作れなかったが、後半は左右をワイドに使うことで沖縄かりゆしFCを押し込んだ。そして後半33分、左サイドを突き進むとそのまま右サイドに展開。フリーで構えていた今村が左足で見事なミドルシュートを決めて1点を返した。

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沖縄かりゆしFCは地域決勝を勝ち抜けるか!?

 まず、今日の試合を見る限り沖縄かりゆしFCは関隆倫に大きく依存している。もちろん、キャプテンの小寺一生をはじめその殆どの選手がそれぞれのポジションで個性を発揮できており、エースがいなくても十分強いチームであることは間違いない。しかし当たり前のことではあるが、エースへの依存傾向を強く感じたので、エースが機能しなかった場合の対処法も考えなければいけない。

 それよりも致命的な欠点を何とかしなければいけない。沖縄かりゆしFCの弱点はサイドバックの裏というのは先に述べたが、その原因に当たるのが攻守の切り替えの遅さだ。攻撃に関しては元気に上がっていくのだが、不意にボールを取られたときに中盤の選手の下がりがワンテンポ遅く感じた。集中力が切れがちといえばいいのか。戦術が攻撃的であるがゆえに起きる欠点ではあるが、ハイレベルなチームと当たったとき、カウンター一発でやられることは容易に考えられる。九州INAXの後半の反撃に耐え切れなかったことも不安要素であり、1点を守りきるための守備が出来ないと決勝大会を勝ち抜くのは難しい。
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地域リーグだから楽しめる試合会場

 ところで、今回は雨天で延期された分の試合として開催され、臨時の会場として用意されたのは佐賀運動公園の球技場だった。球技場とは聞こえはいいが、公園の一角のような場所になるため、観客席はなく椅子がまちまちと置いてあるだけのものだ。昨年の決勝大会の会場であったスポーツパークあかんまや、北海道サッカーリーグで使用されている北電江別、東海社会人リーグでの豊川グラウンドのような全体を見渡せる傾斜があるグラスエリアもない。本当にフラットな場所で見ることになった。

 サッカーを見るには上からの視点が重宝されがちだが、ベンチレベルの視点で、なおかつ目の前で、試合を観戦するというのは、なかなか迫力があって面白かった。J2のヴァンフォーレ甲府がエキサイティングシートというベンチ脇のスペースを利用した観客席を導入しており、これがなかなかの人気だという。地域リーグとプロの試合を比べられても・・と思われるかもしれないが、一種(社会人)の真剣勝負という立場は変わることがない。間近で迫力があるプレーが見られる。これもまたマイナーな地域リーグならではの面白さなのかもしれない。
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