三菱自動車水島FCvsジェフリザーブズ:観戦レポート

豪雨の笠岡

 大気の状態が不安定だとか何とかで週末から西日本を中心に局地的な豪雨に見舞われた。JFL後期第6節「三菱水島FCvsジェフリザーブズ」の一戦が行われた笠岡運動公園陸上競技場も例外ではなく、激しい雨の中でキックオフの笛が吹かれた。

酷かったのは気候だけではない。当然、豪雨にさらされたグラウンドは巨大な水溜りのようになる。選手が走れば水しぶきが跳び、滑り込めばトラックが水溜りを跳ねるような水しぶきが起きた。それはそれで見るほうは楽しめたが、サッカーをするのにはいいピッチコンディションとはいえない。

 しかし、そのなかでも競技を行ってしまうのがサッカーで、サッカーをするのにピッチコンディションは選ばない。その分、選手が選択できるプレーは限られてしまうが、イレギュラーに止まるボールは「何が起きるか分からない」の定型句に重みをつける。サッカーの面白さの一つを目の当たりにした試合となった。

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三菱水島FC 0-1
(0-0)
ジェフリザーブズ
後半1分 宮内亨

止まない強雨、主導権は三菱水島

 私が理解している三菱水島FCのサッカーはとにかくサイドにボールを運ぶサッカーだ。サイドからのクロスを目的とする・・苦し紛れの戦術と言うと失礼だが、とにかく左右をワイドに使う戦術を今まで見てきている。しかし、この試合ではサイドにこだわることなく、とにかく前線の開いたスペースにボールを放り込むパワープレーだった。

 なるほど、ピッチコンディションが悪いのを逆手にとってゴール前でのイレギュラーを期待したということか。それ以前に、ボールがピッチを転がってくれないので攻撃の形を作りようがなかったと言うのもあるが、セオリー通りの賢い戦術だ。そのセオリー通りのサッカーを展開した三菱水島FCはジェフリザーブズを十分に苦しめて、試合の主導権を握った。

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耐え抜いたジェフ

 長旅に加えてバッドコンディション。ジェフリザーブズにとって置かれた状況は最悪だった。単純な戦術を取ってきた三菱水島FCに対して、ジェフリザーブズはそれでも何とかいつも通りにサイドから攻撃を組み立てようとするのだが、案の定上手くいかない。前半は我慢の時間が続いたが、ジェフリザーブズは前半の苦しい時間帯を耐え抜いた。そしてこれが功をなす。

 天はジェフリザーブズを後押しした。ハーフタイムを境に雨が体感できないぐらいの小降りになったのだ。雨が小降りになるとジェフリザーブズは本来の堅い守備からサイド攻撃への形を何とか作れるようになる。後半から攻勢に入るジェフリザーブズ得意のゲームプランが成功したともいえる。得意としているゲームプランと天候がマッチした結果、後半1分という狙い通りの時間にそのサイドからの崩しから泥臭く1点をもぎ取った。

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攻め続けた三菱水島、ジェフの城壁は崩せず

 それでも三菱水島FCはひたすら放り込んだ。雨が止んだとはいえ、ピッチの状態が大きく変化することなく、失礼ながら三菱水島FCの技術では上手に組み立てられないのだ。しかし1点を取って若干の余裕ができたジェフリザーブズの守備が時間の経過とともに適応するのは明らかだった。三菱水島FCは放り込めどジェフリザーブズを崩せず、シュートを打てど跳ね返される。最後まで抵抗して見せたが単調な攻撃ではジェフリザーブズの厚手の壁は崩せなかった。バッドコンディションを逆手に取った三菱水島FCはそれを活かせずに連勝を逃した。

 勝利を逃した三菱水島FCだが、決して下は向けない。チーム全体の雰囲気は非常によく、チームの戦術も一貫している。最下位のチームと言えばJ1で残留レースをするチームはフロントなど現場以外欠陥があるチームというイメージがあるが、三菱水島FCはそのイメージとはまったく異なる。チームとして欠陥があるわけでなく、純粋に、あと少しの技術が足らないのだ。気持ちで何とかなるかならないかは分からない。ひとつのきっかけでがらりとチームは変われる。当たり前のことだがシーズンの最後までこのまま強い気持ちで戦い抜いてほしい。

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