ノルブリッツ北海道vs札大GOAL PLUNDERER:観戦レポート

春の北海道

 個人的に北海道に訪れたのは3回目になる。一度目は小学校時代の夏休み、2度目は去年のゴールデンウィーク、そして今回の3度目はそろそろ春から夏に代わろうとする時期となった。北の大地の冬というものを体験したことがないのでこの気候がその土地にとっていかがなものかというのはあまりよく分からないが、太平洋沿いの日本の標準的な気候の中で育った私にとって、それは極寒以外の何物でもなかった。石狩川の比較的広大な河川敷に設けられた北海道電力サッカー場、通称北電サッカー場に与えられた環境は保冷剤を敷き詰めたような芝生と、風量最大の扇風機で氷でも溶かしているかのような強冷風。防寒を怠ったのは失態だったが、隣接する札幌市は半そででも十分なぐらいだったので自分を責めることは出来ない。これが北海道の気候なのか。

ノルブリッツ北海道vs札大GOAL PLUNDERER:スタメン
ノルブリッツ北海道vs札大GOAL PLUNDERER:前半終了
ノルブリッツ北海道vs札大GOAL PLUNDERER:試合終了

9地域最弱の地

 北海道サッカーリーグ。9つある地域のうち最弱といわれている。それは全国大会の数字が明確に示しており、数字を見れば見るほどその最弱という言葉には断トツという修飾語がつけられる。それがいかがなものか、それを知るのが今回の目的のひとつだ。そして結論のひとつちすて、そこには地域リーグの風格はなかった。いや、地域リーグの風格どころの話ではない。目の前に用意されたのは最低限の環境だった。選手がいて、相手がいて、スタッフがいて、4人の審判がいて、ゴールマウスが2つあって、コーナーフラッグが立っている。きれいな芝生で行われているのが奇跡のように思えた。まして、見世物とは程遠い。電光掲示板や時計など未来の秘密道具であって、観客席は概念でしか説明がつかない。なるほど、その光景を目にしたところで北海道サッカーリーグがどういうリーグなのかよく分かった。

 試合は3?3のドローで終わった。札大GPが個人技で2点を先行するとCKの混戦から1点を加えて3?0。世間一般ではセーフティと呼ばれるスコアだ。しかしノルブリッツ北海道が後半41分から怒涛の追い上げを見せる。足どころか気持ちまで停止した札大GPに対して強引に、正に強引に3点をねじ込んで追いついた。スコアだけ見れば面白いゲームだが、実際には間の抜けた結末だ。札大GPがリードしていたのは偶然に過ぎず、勝つ気がなかったと言われれば納得してしまう出来だった。

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今年の地域決勝、北海道勢の行き先は

 まだ気が早いが、ノルブリッツ北海道や札大GPは地域リーグを勝ち抜いたときに地域決勝でどこまで出来るかを考えたい。まずはノルブリッツ北海道だが、今年も期待できない。個々の能力は地域リーグにあらず、戦術に関しても確かに左サイドを中心とした攻撃の形は作れているが、その一つ一つが不安定で脅威がない。今日の試合を見る限りは勝点1が目標だ。しかし伸び白はある。それは運動力だ。単調に終わっていた攻撃も例えばサイドバックのオーバーラップを巧みに交えたときには可能性を感じた。アンカーになっていた選手がポジションを広く取ることで攻撃にバリエーションが増えていたように感じる。これらバックの人間がもっと攻撃参加できればプラスアルファの戦術が生じてバリエーションが増える。攻撃の引き出しを増やすことで一次ラウンドの組み合わせ次第では決勝ラウンドへ進出する可能性が生まれるだろう。

 札大GPはもっと伸び白を感じた。というのも、チームとして成り立っていないからに過ぎないのだが。守備はそこそこ出切るのだが、攻撃に関しては2トップに任せきりと言っても過言ではない。しかしそれでも後半40分まで3点のリードをもって優位に進められたのは選手個々の能力が突出しているからと考える。ボールキープとそこそこ正確なフィードが出来る選手が揃っており、1対1の場面では問題なく優っていた。このチームがもし、確固たる戦術をこなせるようになったら昨年のレノファ山口FCのように各地域のチャンピオンを驚かすことが可能になるかもしれない。
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北海道のサッカーは強くなるのか

 昨年末の秋春開催への移行をめぐる議論でコンサドーレ札幌が激しく非難した。冬なんかにJリーグが開催できるかと。今なら言える、秋春開催は不可能だ。それは北海道でサッカーが出来る環境は非常に限られるからだで、小春日和に関東で言うところの厳冬を自身が体感したから間違いない。秋春開催なんかにしたら本当に何も出来なくなる。

 北海道ではサッカーを見れない。Jリーグを除く第一種の道内最高の試合を十分な環境で見られないというのは非常に不幸なことだ。この状況が続く限り北海道のサッカーが緊張感がある状況で行われることはなく、発展する未来を描けない。しかし、ものは言いようというもので、北海道には無限の夢が描ける。改めて訪れた北の大地は大きく、真っ白なキャンパスだった。
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