レノファ山口FCvs浜松大学FC:観戦レポート

 第一試合の結果を受けて、レノファ山口FCが自力突破を達成するにはPK負け以上の結果が必要だった。ところがPK負けでは勝ち点差が3になるため、最終日で松本山雅FCに勝っても+8点もある松本山雅FCの得失点差を上回るのは至難の業だ。そのため、より現実的に突破を目指すなら2日目の浜松大学FC戦に勝つのが最善だ。そして欲を言うなら勝ち点で並んだときのために少しでも多くの得点を取っておく必要があった。要するにレノファ山口FCに求められたのは浜松大学FCに大量得点勝ちをすることだ。

 大量得点勝利といわれれば一見すれば無理難題のようだが、過去のデータを見る限りはそうでもない。浜松大学FCは全社で沖縄かりゆしFCに6-0で敗れており、つい昨日の松本山雅FC戦も6-0で敗れているからだ。沖縄かりゆしFCに引き分けたレノファ山口FC浜松大学FCから6点以上を奪うのは非常に現実味を帯びた目標だった。

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低調すぎた前半戦

 前半は浜松大学FCが積極的に攻める。慎重に試合に入ると落ち着いてボールを回し、中盤を支配した。それでもレノファ山口FCの守備を崩すには至れず、遠目からのシュートに終始した。守備では徹底的にボールを外に蹴り出して安全性を重視する。昨日の大敗がよほど衝撃的だったのか、浜松大学FCは過剰なまでに守備で安全な選択肢を選び続けた。

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 9得点が必要だったレノファ山口FCは、どうも様子がおかしい。レノファ山口FC浜松大学FCの攻撃に対して丁寧に跳ね返すことしかせず、積極的に攻撃を仕掛けなかった。終盤にこそ両サイドの高い位置を起点に得意のサイド攻撃を仕掛けたが、決定的なシュートはわずか1本、25分に左サイドのクロスから柏原渉が頭で合わせた1回のみだった。前半の45分間はほとんど見せ場が無いまま終えた。

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さぁレノファ、攻撃だ。

 レノファ山口FCが攻勢に出たのは後半になってからだった。前半から続けていたサイド攻撃から浜松大学FCのゴールを襲う。最初の決定的な場面は後半4分。右サイドを突破した柏原渉はフリーで中に走りこんでいた中川心平にグラウンダーのクロスを上げる。浜松大学FCのDFとGKを振り切った完璧なチャンスを迎えた中川心平は勢いをそのままに左足でボールを捉えてゴールへと送り込んだ。しかしこれはポストに当ててしまい、得点には至らない。このまま無得点で終えてしまうのか。焦りを感じさせず淡々とプレーをするレノファ山口FCの選手対して、山口県から駆けつけたサポーターからは怒号が投げ込まれる。何でもっと攻めない。点を取らなきゃ首位の松本山雅FCを追い越せない。

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追い風は突然

 ところで、この日の主審はあまり上手な方ではなかった。ジャッジの基準が曖昧でスタンドのフラストレーションは事あるごとに上昇していった。ピッチにいる選手のストレスはもっと高かったことだろう。相手が主審である以上耐えるしかなかったが、耐え抜いたことで事態が好転することもあるようだ。

 それは後半10分の出来事となる。浜松大学FCの土田太陸が混戦でラフプレーととられて主審に2枚目の警告と退場を言い渡された。確かに警告に値するプレーではあったが、釈然としない。土田太陸は味方選手になだめられながらも気持ちを抑えられず、着ていたユニフォームをピッチ脇で脱ぎ捨てるとスパイクを脱いで控え室へと去っていった。土田太陸の非紳士的な態度は許されるものではないが、ピッチ内のフラストレーションはかなり高騰していたといえる。何はともあれレノファ山口FCの追い風は自然と吹いた。

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そして先制点

 浜松大学FCが一人少なくなったところで試合の主導権は完全にレノファ山口FCに譲渡される。そしてレノファ山口FCが待望の先制点を奪ったのは後半20分になってからだった。右サイドをドリブルで深く進入した福原康太がDFを振り切ってクロスをあげると、クロスは中川心平を経由して中央にフリーで走りこんでいた安田忠臣の元へと渡る。安田忠臣はこの難しくも決定的な場面で丁寧にゴール左隅へ流し込んだ。待ちに待った先制点を挙げた安田忠臣は自身のユニフォームを掴んでサポーターの元へと走った。

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そして大量得点

 先制点を挙げたレノファ山口FCだったが、これで終わるわけにはいかない。少しでも一次リーグ突破の可能性を高めるためには大量得点が必要だからだ。サポーターの元へ走っていった安田忠臣はベンチから早く戻れと怒鳴られる。遅くなったがようやくレノファ山口FCの第2戦は始まった。レノファ山口FCベンチはスーパーサブの兒玉光史を投入して追加点を奪いにいった。

 そして試合は動く。レノファ山口FCの2点目は後半26分。兒玉光史のスルーパスから抜け出した藤井仁詩がゴールに流し込んだ。完全に波に乗ったレノファ山口FCは後半28分にも勢いをそのままに3点目を奪う。兒玉光史がPA内でDF2人を交わしてゴールに叩き込んだ。レノファ山口FCは狙い通りを通り越してお約束となった兒玉光史の活躍でリードを3点に広げた。

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 浜松大学FCも一人少なくなったからといって諦めたわけではない。低くなっていた重心を選手交代で高くしてバランスをとると、起死回生の一発を狙い最後まで諦めない姿勢を見せた。しかしレノファ山口FCの壁、全国の壁はあまりにも高かった。あと一歩の決定的な場面を演出するところで仕事をさせてもらえず、最後までゴールを奪うことはできずに無得点で終える。

 レノファ山口FCは後半35分に右サイドのFKから中川心平が頭で合わせて4点目を奪って浜松大学FCに止めを刺した。

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レノファ山口FC 4-0
(0-0)
浜松大学FC
後半20分9安田忠臣
後半26分13藤井仁詩
後半28分兒玉光史
後半35分中川心平

レノファの本気度に疑問

 サッカーで4-0といえば十分なスコアだが、一次リーグを突破するにはぜんぜん足らないスコアだった。レノファ山口FCは最終日となる明日、首位の松本山雅FCと対戦する。勝ち点差が1のため、90分以内で勝てれば勝ち点で上回って一次ラウンド突破が決まる。しかしPK勝ちでは勝ち点で並んでも得失点差で上回れない。つまりレノファ山口FCは90分以内で勝つしかないのだ。ところがもし9得点以上を達成できていれば、レノファ山口FCは一次ラウンド突破の条件に「松本山雅FCにPK勝ち」という選択肢を追加できた。

 レノファ山口FCが攻撃的になったのは後半に入ってからだった。レノファ山口FCはなぜ今日の試合で大量得点を取りにいかなかったのだろうか。松本山雅FCや沖縄かりゆしFCが浜松大学FCからそれぞれ6点ずつ奪えるのだからレノファ山口FCもそれ以上のスコアは十分な目標になったはず。本気になれば9点は獲れたかもしれない。最初から無理と割り切っていたのか、リーグのことは考えずに試合に入ったのか、まさか計算ができなかったのか。いずれにせよ理解に苦しむ。浜松大学FCを押し込むだけの実力が無い?そうは見えないが。

 ぶつくさ言ってみたものの松本山雅FCに勝てばよいという条件は変わらない。レノファ山口FCは2年連続の一次ラウンド突破を賭けて最終日に松本山雅FCと対戦する。

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