NECトーキンが決勝大会辞退、松本山雅FCが繰り上げ参加へ

仙台にオールブルーの強いチームがありました。

NECトーキン

 皆様は横浜フリューゲルスというJリーグ屈指の強いチームがあったのはご存知だろうか。そんな掴み文句で話を切り出される時はたいてい横浜FCの話題か、もしくは良い話ではない。そして今回は横浜FCの話題は一切ない。こういう機会には必ず横浜フリューゲルスを思い出すことにしている。

 ファンにとって応援するチームをなくすと言うのは失恋するより辛いものだ。いや、経験はないが私も愛するヴェルディがなくなると想像しただけでぞっとする。チームを愛すると言うのは決して過大な表現ではない。「家と女房は変えられても、好きなサッカーチームは変えられない。」と言うが、サポーターにとってのサッカーチームと言うのはまさにその通りなのだ。

 「ソニー仙台とダービーやるぞ!」全社大会の準決勝で松本山雅FCに劇的な勝利を修めたときのNECトーキンファンの叫びが今でも耳に残っている。かつて存在したブランメル仙台vsソニー仙台」以来のダービーが杜の都に出来るようになる。Jでも屈指の動員を誇る仙台の地で企業チーム同士のダービー、どう盛り上がるのかと耽っていたものだ。そして輪になって喜ぶ選手とスタッフ、胴上げされた監督、拍手喝さいのスタンド、今でも鮮明に思い出せる。

 噂には聞いていたのだが、その話はいささか信じがたく、耳に入れようとしなかった。明確な情報が入った今ですら信じがたい。

 企業チームは脆い。サッカー部に限らず企業チームというのはどれだけ強かろうがあくまでも会社の上層から見れば付属物の一つに過ぎず、業績悪化となれば真っ先に目をつけられるのは仕方がない。JFLに所属しているならまだしも地域リーグのチームとなれば尚更なのだろう。企業チームにおいてチームが無くなるというのは仕方がないことなのかもしれない。

 NECトーキンサッカー部が事実上の廃部になったらしい。

松本山雅FCが急遽、決勝大会に繰り上げ進出へ

 問題はここからだ。NECトーキンは廃部を受けて決勝リーグへの参加を辞退した。最後に華を持たせてやってもいいのではとも思ったが、横浜フリューゲルスの天皇杯とは違い、この大会はJFL昇格を賭けた戦いであることから、消滅するチームが参加するべきではないので辞退という決断に疑問はない。議論の的となっているのはその穴埋めとして松本山雅FCが選ばれたことである。

さぁ行こうJFL

何のための補欠制度?

 レギュレーション上、決勝大会への参加チームが16チームに満たない場合の追加順は「全社2位:ホンダロック(3位から繰上げ)」「関東2位:日立栃木ウーヴァSC」「東海2位:矢崎バレンテ」「北海道2位:札幌蹴球団」「北信越2位:JAPANサッカーカレッジ」「四国2位:ヴォルティス・2nd)」「東北2位:FCプリメーロ(3位から繰上げ)」となる。今年は3枠が開いたのでホンダロック日立栃木ウーヴァSC矢崎バレンテが追加された。ちなみに私はこの補欠制度自体に疑問があるのだが今回は触れない。そして今回のNECトーキンの辞退を受けて追加するのなら矢崎バレンテの次の札幌蹴球団のはずだ。しかしこの補欠制度は組み合わせを決める際に適用されるルールであり、今回の大会直前の出場辞退のためのルールではないことも確かである。

地域リーグ決勝大会要項
参加チーム数およびその数
計16チーム
本大会は下記の区分により選出されたチームによって行う。
1. 9地域リーグより1チーム
2. 前回大会決勝ラウンド進出チーム(地域リーグ選出チーム)の所属地域より1チーム
(最大4チーム)(32回3チーム:関西・中国・九州)
3. JFL入りを希望する大学サッカー連盟所属より1チーム(学連から推薦された場合)(1チーム)
4. JFA優遇措置を承認された1チーム(JFA理事会承認された場合)(1チーム)
5. 全国社会人サッカー選手権大会1位チーム
(1位チームが各地域リーグから出場権を得ている場合)・・・・2位チーム
(2位チームが各地域リーグから出場権を得ている場合)・・・・3位チーム
なお、(1)?(5)で16チームに満たない場合は、下記の優先順位で出場チームを決定する。
1. 全国社会人サッカー選手権大会より1チーム

対象となるチーム各地域リーグから出場権を得ていない2位チーム。但し、2位チーム出場権を得ている場合は各地域リーグから出場権を得ていない3位チーム
2. 原則として(2)で参加する地域を除き、前年度各地域の全社連登録数の比率で配分する。
(関東、東海、北海道、北信越、四国、東北の順)
※(3)(4)については7月中旬決定、(5)については全国社会人サッカー選手権大会終了時決定。

全社枠としての出場なのか?

 北信越4位の松本山雅FCが出れるとしたらその資格は全社大会4位(正確には4位という順位は無いのでベスト4)という成績である。NECトーキンは全社枠からの出場なのでなんら不思議なことではないが、問題は全社のレギュレーション上、同大会の3位までにしか決勝大会進出の権利が与えられていないことにある。つまり松本山雅FCはベスト4ではあるが立場上は一回戦敗退のチームと変わらず、権利が与えられるはずがないのだ。

全国社会人サッカー選手権大会要項
備考
本大会の優勝チームに全国地域リーグ決勝大会への出場権を与える。
但し、下記の場合は、【準優勝チーム・3位チーム】に出場権を与える。
・本大会優勝チームが全国地域リーグ決勝大会に地域リーグから選出した場合は準優勝チームに出場権をあたえる。
・準優勝チームが全国地域リーグ決勝大会に地域リーグから選出した場合は、本大会3位チームに出場権を与える。

 そもそも大会まで1ヶ月を切ったこの時期での辞退は不測以上の何ものでもないのでわざわざ補充する必要がないように思える。NECトーキンが所属したCグループは静岡FCグルージャ盛岡レノファ山口の3者で争えばよいのだ。ナゼ、松本山雅FCが決勝大会に出れるのか。この「ナゼ」に対する回答はまだ得られていない。何ら「大人の事情」が絡んでいるとしか思えず、羅列できる理由は全てが憶測でしかない。おそらく「不測の事態における特別な処置としての推薦枠」ぐらいの理由となるだろう。実際、全社ベスト4、天皇杯4回戦進出というのは素晴らしい成績であり、またサポーターが多いことやアルウィンの存在も心を動かしたはずだ。短期間で遠征費を捻出できる資金力も考慮されているだろう。

 今回の件で全国社会人サッカー連盟という組織の不透明さが改めて明らかになった。Jリーグがチーム数を増やそうとしている以上、この大会はかなり重要な役割を担っているので、今一度、現行のルールを再考を願いたい。加えて、急遽出場となった松本山雅FCにも激励を送りたい。

関連ニュース
関連試合
関連レポート

検索

Twitter

Facebook