府県リーグ決勝大会ブロックリーグ第2節1日目

紅葉の季節

 春を思わせる穏やかな気候でサッカー日和というよりは昼寝日和となった奈良県橿原市。試合開始まで時間に余裕があったため、公園のベンチで横になると動けなくなる。暖かな日差しにボールボーイもウトウトする。試合が円滑に進まないから立っていなさい。橿原陸上競技場は橿原神宮に隣接する総合運動施設橿原公苑内にある施設の一つで、メイン側には非常にしっかりとしたスタンドが用意されている。バックスタンド側には紅色に染まった山が顔をのぞかせ、気候と掛け合わさり秋の長閑な空気がスタジアムを包み込む。

 関西府県リーグ決勝大会の2日目が行われた。1ブロック3チームに分かれて一回戦総当りのリーグを行い、上位1チームが決勝トーナメントに進出する。本日はその第2節。初めて顔を出すチームもあれば、今日で運命が決まるチームもある。

府県リーグ決勝大会ブロックリーグ第2節結果
Aブロック 海南FC 0-2 JST
Bブロック 三菱自動車京都 12/14 紀北蹴球団
Cブロック 東大阪FC 12/14 桂向FC
Dブロック 奈良クラブ 5-1 阪南パニックスFC

海南FCvsJST:地元で見せた意地・・JSTが無難に勝利

 寝起きのまどろんだ状態でメイン中央の絶好のポジションに陣取ると、主審を査定しに来たらしい関係者にぐるりと囲まれて個人的に一気に空気が重くなる。第一試合「海南FCvsJST」が始まる。繰り広げられたのはゆったりとした非常に温い試合。ミスがミスをよび、試合を組み立てるなど高度な展開は全く期待できない。初戦を1-0で勝ち抜いている海南FCが中央の守備を固めて辛うじて試合の主導権を握っていたように見えたが、JSTの積極的なシュートの嵐には耐えられず、いつの間にか主導権はJSTに移っていた。結果は2-0。JSTが海南FCに勝ち点で並ぶも得失点差で上回り、首位に立った。全2試合を終えた海南FCは首位の可能性を失い、敗退が決定した。
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奈良クラブvs阪南パニックスFC:規格外の奈良クラブ

 穏やかな気候と温い試合で眠気に支配されかけた第2試合。奈良クラブサポーターのアップテンポなチャントで目を覚ます。査定を終えた関係者も一瞬、何事かという反応を見せるが「Jリーグを目指してるらしい」と言って納得する。奈良クラブサポーターの方が「奈良クラブニュース」というビラを会場の人に配布していたので、それを完全に無視していない限り奈良クラブが「Jリーグを目指してるらしい」というのは周知の事実となっていた。試合は5-1の圧勝。個人の力の差を見せ付ける形で奈良クラブが決勝トーナメントに駒を進めた。阪南パニックスFCが関西地域でどれほどのレベルなのかは分からないが、あれだけ圧倒的な力を見せられるのならば奈良クラブの自動昇格は間違いないだろう。

 しかし、それまでだ。全社で松本山雅FC相手に何も出来なかった理由が明らかになった。奈良クラブは府県リーグの緩い空気に浸ってしまっていた。それは大量リードした気の緩みではなく、最初からそうだった。得点シーンも個人技でねじ伏せるシーンや隙だらけの相手の隙をついたものが殆どで、得点の形として上手に出来たのは先制点のみと記憶している。長い道のり、現段階ではそれでよいが、試合を組み立てるようにならなければ全国の舞台は難しい。それどころか、万が一決勝トーナメントでそれが出来るチームと対峙してしまうと、苦戦を強いられるはずだ。

ここからJリーグ-府県決勝

 都道府県リーグらしからぬカメラを抱えた地元メディアのスタッフが右往左往し、このカテゴリでは多いほうであろう十数人のサポーターの声援に合わせて地元の観客から手拍子が贈られる。ホームタウンらしい光景が見られたのは嬉しいことであり、個人的な収穫でもある。特に試合後の選手とファンが一緒になって喜びを表現する様子は今やよく見る光景ではあるが、簡単なことではない。試合後、満面の笑みを期待して奈良クラブサポーターのコールリーダーの方に挨拶をしに行ったら、彼は苦い顔をして「まだまだです」と言った。上から目線で申し訳ないが、奈良クラブはまだまだ強くなれる。
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