秋春制への移行をJFLから考える

犬飼会長が秋春制への移行を語る

 先日、JFAの公式サイトにて犬飼会長が自身のマニュフェストともいえるシーズンの秋春制への移行について意見を述べた。秋春制というのは秋に開幕して春に終幕するシーズンのことで世界の多くのリーグがこの制度を採用している。現在、日本では春に始まり秋に終わる春秋制を導入している。分かりやすく言い換えると冬を中心にリーグを行うのが秋春制であり、夏を中心に行うのが春秋制である。

JFA公式サイト:犬飼会長の芝生で語ろう:シーズン制の移行を考える

秋春制がトップリーグの価値を高める

 自分の立場を明らかにしておくと、私は秋春制推進派だ。その最たる理由は2つあり、ひとつは日本人選手が欧州にスムーズに移籍ができるようになること、もうひとつは欧州から優秀な外国人選手を獲得しやすいことだ。日本人選手にとってスター選手が集う欧州の舞台で揉まれる事にメリットがあるのは言うまでもない。もうひとつ、外国人選手もスムーズに移籍できるようになることでJリーグ草創期のようにスター選手が集うことが将来的に期待できる。これは国内の日本人選手にとってもより多様な経験を得られる点でいい事であり、なおかつ興行面でも多くの動員が見込めるなどの点でプラスである。つまり、これはJ1リーグの活性化につながる。こうしてJ1の価値を高めることは下部リーグに所属するチームの士気をより一層高めることになると同時に金銭が大きく絡む自治体やスポンサーとしても動きやすくなるだろう。

最大のハードルは日本の文化

 犬飼会長が自ら言うように、秋春制への課題は多い。寧ろ現状ではメリットよりデメリットの方が多いと感じるぐらいだ。改めて羅列することはしないが、今回はJFL以下のクラブの視点から秋春制への問題点を指摘する。

 秋春制への移行はJリーグだけの問題ではない。ところが、クラブチームは確かにリーグにあわせて運営をすればよいが、企業クラブや学生を絡めたときにどうなるのかが不透明となる。4月に始まり3月に終わる一般企業の道理を崩すわけにはならず、もしJFLも合わせて秋春制に移行するとしたらリーグが盛り上がる4月にチーム編成が変わるといった事態が置きかねない。1年ごとにメンバーが変わる流通経済大学などの学生チームは特に難しくなる。とはいえ、JFLを春秋制のまま続けるとしたら、将来的に導入するとされているJリーグ参入入れ替え戦はいつどのように行うのか。入れ替え戦に敗れたチームはどのようにJFLに参加するのか。加えて、雪国からJリーグ参入を狙うクラブのハードルを上げることになることも忘れられない。これらを総合的に考えるとJリーグの秋春制への移行は日本のサッカー界全てに関わる大問題なのだ。

 日本の4月始業の制度にJリーグの秋春制を導入するには無理があり、ギャップは避けられない。そして何かを変えようとしたときに「どこか」にしわ寄せが行くのは仕方がないことだ。最初は誰しもが納得できる制度にはならないだろう。サッカーファン一人一人が意見を出し、よく議論をした上で移行に踏み切っていただきたい。

秋春制移行

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