地域リーグ決勝大会Cグループ:1日目

地域リーグ決勝大会が開幕

 異なるリーグのチームが集う大会は蓋を開けなければ分からないもの。ワールドカップやチャンピオンズリーグでいくら専門家が集って議論を交わしたところで予想の範囲を超えることは出来ず、開幕した途端にその議論の内容がいかに薄いものだったかが明らかになる。

 地域リーグ決勝大会が開幕した。戦前の予想通り、Aグループは2試合ともPK戦にもつれ込む混戦を見せ、B・DグループもV・ファーレン長崎カマタマーレ讃岐FC町田ゼルビア矢崎バレンテが順調に勝利している。そんななか、Cグループは最も荒れた会場と言っていいだろう。下馬評が低かったレノファ山口が決勝大会常連の静岡FCに勝利し、グルージャ盛岡松本山雅FCはシーソーゲームを演じてみせた。

地域リーグ決勝大会第1日目結果
Cグループ レノファ山口 2-1 静岡FC
Cグループ グルージャ盛岡 2-3 松本山雅FC
Aグループ AC長野パルセイロ 2-2
4PK2
ホンダロック
Aグループ 沖縄かりゆしFC 1-1
4PK3
バンディオンセ加古川
Bグループ カマタマーレ讃岐 2-0 日立栃木ウーヴァSC
Bグループ V・ファーレン長崎 4-0 アイン食品
Dグループ 佐川急便中国SC 0-7 FC町田ゼルビア
Dグループ 矢崎バレンテ 2-0 ノルブリッツ北海道

「レノファ山口vs静岡FC」:完成されたレノファ山口、気持ちで負けた静岡FC

 何とも緩い入り方だった。静岡FCはドリブルを中心に中盤を連動させてサイドから切り込む。上手なサッカーを披露するのだが、所々で集中力を欠き、気持ちの緩みが感じられた。逆に高い集中力で試合に入ったレノファ山口は、前線の高い位置で左右と中央に構えたFWを起点にカウンターを仕掛けるという、シンプルながら非常に完成度の高いサッカーを披露した。レノファ山口の個々の能力は決して優れているとはいえない。静岡FCの選手の方がよくボールをキープできるし、シュート体制に持っていくのも上手だ。しかし、そのギャップを見事に徹底された戦術で埋めてみせた。

 レノファ山口が完璧だったわけではない。課題は守備にある。相手が静岡FCだったからとはいえ、最終ラインの裏を突かれてピンチを招く事が多かった。それでも1失点で終えたのはGKと運に助けられた部分が非常に大きい。今更修正は出来ないだろうが、弱点としてグルージャ盛岡松本山雅FCに突かれる可能性が高い。

決勝大会

グルージャ盛岡vs松本山雅FC」:詰め掛けた背番号12が眠れる雷鳥を呼び覚ます

 勝因は他でもない、地域リーグでは反則級の大サポーターによる声援だ。それに尽きる。前半の松本山雅FCは歯車が全く噛み合わず、簡単なパスミスを犯すなど集中力を欠いた。そこを逃さず先制したグルージャ盛岡もさすがだ。しかし、勢いの衰えるどころかどんどんテンションが上がっていくサポーターの声援は、会場をものの見事にホームスタジアムにしてしまう。そしてそれに後押しされるかの様に松本山雅FCの狂った歯車が噛み合いだし、全社の頃の強い松本山雅FCを呼び覚ます。結果的に逆転勝利という最高の終え方をした。

 戦術的にアプローチすると、体が重い前半の時間帯を、ロングボールやセットプレーという苦し紛れの攻撃でも繰り返すことで、相手にペースを与える事無くやり過ごしたのが大きい。結果的に後半にもその勢いを持ち越すことが出来、後半1分のスーパーゴールが生まれた。その後もサイドチェンジを巧みに使い、ボールキープが出来る小澤選手を右サイドに入れた事でサイド攻撃に厚みが生まれた。30分と33分のゴールはその右サイドからによるものである。

 グルージャ盛岡は前半開始早々と、同点直後といういい時間帯に確実に点を重ねられるあたりに試合巧者としての強さを見せた。だてに東北リーグを無敗で勝ち抜いていない。しかし引いて守る時間が多かったため、攻撃の形を見せてもらう事無く試合が終わってしまった。

決勝大会

本命は松本山雅FC、対抗は静岡FC

 異論はなかろう。サッカーの質と選手の能力、選手層、何をとってもこのグループで松本山雅FCを上回るチームはない。静岡FC松本山雅FCに匹敵すると言っても過言ではないが、何とも精神的に脆い。レノファ山口が突いてみせたように必ず隙を見せる。東海リーグではそれで勝ち抜けただろうが、グルージャ盛岡はそれを逃さないだろう。

 静岡FCが勝てるとしたら松本山雅FCだ。松本山雅FCは全社や今回の試合で見せたように試合運びに難がある。グルージャ盛岡のように効率よく得点を重ねるという器用なことは出来ないので、静岡FCとはノーガードの打ち合いとなってもおかしくない。要するに明日の第二試合「静岡FCvs松本山雅FC」がこのグループの運命を分ける一戦となる。

 第一試合の「レノファ山口vsグルージャ盛岡」はレノファ山口のチャレンジシリーズ第2弾といったところか。戦前の予想はグルージャ盛岡の勝利で間違いない。しかし、静岡FCを沈めたオランダ式のサッカーがグルージャ盛岡にどこまで通用するか見ものである。

 まだまだ分からない。第2戦というのは選手層の違いが如実に現れる。それに加えて、ライバルに間近で手の内を見せているので弱点は必ず突かれる。第2戦でそのチームが本当に強いかどうかが分かる。正に総力戦。最後の最後まで目が放せない。

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