ナビスコ杯年齢制限をJFLから考える(2/2)

意外と美味しい?年齢制限の副産物

 ナビスコカップのU-23大会化は、J2以下の優秀な若手が減る現象を起こしかねない。しかし、長期的に見れば実は全く問題がない。寧ろ利点の方が多く見えてくる。24歳以上の選手がJ1で飽和するからだ。カップ戦に向けて多めに雇われた選手はおそらくその半分が残念ながらJ1のチームにとって用済みになる。所属クラブにJ1リーグでは通用しないと判断された24歳以上の選手が向かう先はJ2やJFLなど下のカテゴリだ。J1各クラブが毎年5人の新人を取るとしたら、単純に各チーム5人、全90人がJ1から解雇となる。J1のトップアスリートと共に切磋琢磨され経験を積んだ彼らが下のカテゴリで充実していけば、Jリーグの底上げはどう考えても進んでいくことになる。

導入時期は慎重に検討すべき

 もちろん、問題はある。平均年齢が高いチームは若手を大量に補強しなくてはいけない。それは費用がかかることで、まずないと思うが来年からの導入とあらば育成プランの変更を余儀なくされ悲鳴をあげるチームが出てくる。ACLに出場しグループステージが免除されるチームに関してや、23歳以下の選手を試合が出来ないほどに保有できない場合はどうするのかに関しても検討しなくてはいけない。

 カップ戦の年齢制限に関して、スポンサーも前向きということで導入は現実的だ。やるなら一刻でもはやく導入していただきたい。しかし、早ければ来年と言うのは早すぎる。まず、J1昇格するであろう、レンタル選手豊富で予算に余裕がないモンテディオ山形が困る。それもそうだがせっかく若手育成の場としての地位も確立しつつあるJFL以下のJリーグを目指すクラブが選手を獲得しづらくなる。例えばファジアーノ岡山の主力はJリーグのクラブからのレンタルだし、栃木SCの多くは監督直々に集めた大卒の選手だ。流通経済大学をはじめとした大学チームにも少なからず影響は出ると思う。変則的な3回戦制で行われているJ2の2回戦制への移行も急ぐべき課題で、早く40チーム揃えてJ2を充実させるためにも、年齢制限の導入はもう少し待っていただけないだろうか。

 今回の奇策は若手の強化が主たる目的だ。その方法は若手に対するプロへの門を一気に開放し、選手を増やすことにある。増やすだけでなく、日本一がかかった大会に出場することで経験を積ませる事が出来る。果たしてナビスコ杯が若手の強化にどれだけの影響を及ぼすかはやってみないと分からない。しかし強化という面でその役割を果たすのはもちろんだが、その副産物として経験を積んだよい選手が下のカテゴリに流れ込みやすくなる。長い目で見れば下のカテゴリにとって、とてもありがたい制度となるだろう。

 提案した犬飼会長には嫌味の一つでも言いたくなるところだが、一つのJリーグ改革案として前向きに応援したい。

関連ニュース
関連試合
関連レポート

検索

Twitter

Facebook