ナビスコ杯年齢制限をJFLから考える(1/2)

急務となった若手の強化

 1ヶ月でこれほど世間を騒がせた人物も少ないだろう。犬飼日本サッカー協会会長がJリーグ改革案の第2弾として「ナビスコカップのU-23化」という奇策を発表した。確かに、アテネ五輪や北京五輪の惨劇、ワールドユース予選敗退など若い世代に明るいニュースがなく、若手の強化は急務だ。はたしてこれは犬飼会長の元からの考えなのか、それとも天皇杯ベストメンバー問題対策なのか。この話題はベストメンバー問題と絡めて絶好の叩き台となっているのだが、あくまでも下のカテゴリからの目線でカップ戦年齢制限問題を考えてみたい。

カップ戦の年齢制限導入をシミュレーション

 そもそもトップチームに交えてU-23チームを保有しようとするとどれだけのメンバーが必要になるのだろう。カップ戦メンバーのレギュレーションを五輪と同じとすると、OAは3人としてU-23の先発は8人。そしてベンチが7人。1試合をこなすのに最低限15人のU-23選手が必要となる。そして怪我や出場停止などの要素を考慮すると単純にFW・MF・DF各ポジションに2人ずつとして6人。合計21人が必要になった。

 例えば、ジェフ千葉のトップチームの人数は26人。うち23歳以下はたった6人。さて、このチームにカップ戦用のチームを作ろうとするとU-23の選手をあと15人加えなければいけない。

 なぜ数あるJ1チームの中からジェフ千葉を例にとったかというと、真っ先にJFLのジェフリザーブズが気になったからだ。ジェフ千葉の場合は手っ取り早い。ジェフリザーブズから選手を引き上げてこればいいのだから。ジェフリザーブズには23歳以下の選手は13人いる。15人には達しなかったが、カップ戦はこれでやりくりできるだろう。その代わりジェフリザーブズは残り8人となるが。

J2・JFLから若手が消える?!

 年齢制限付のカップ戦を行おうとすると、J1のクラブは多くて現状の0.5倍の選手を加えて確保しなければいけなくなる。少子化問題や選手保有にかかる費用はさておき、この制度を採用しようとするとJ1に一気に人が集まることになる。導入にあたり各チーム10人の若手を補強したとして180人のJ1リーガーが増えることになる。その180人はどこからかき集められるのか。新卒から安く頂くのも悪くはないが、カップ戦を勝ち抜くためにある程度戦力を整えようとすると、真っ先に白羽の矢が刺さるのがJ2やJFLの若手だろう。つまり、J2とJFLは一気に弱体化する。例を挙げるなら、ジェフリザーブズは間違いなく戦えなくなるし、今年であれば北京五輪代表の豊田はモンテディオ山形に、JFL得点争い上位の喜山はファジアーノ岡山にいなかっただろう。そしてもちろん新卒の取り合いはカップ戦に出れるJ1が優勢となり、活躍の場が限られるJ2以下のカテゴリのチームはレンタルを含めて若手を取りにくくなる。J2創設時以来の氷河期の到来だ。

 ただ、長期的に見れば実は全く問題がない。寧ろ利点の方が多く見えてくる。ベストメンバー規定問題で揺れるなか突拍子もなく出てきた改革案だが、実はかなりの名案である可能性がある。

<続く>

検索

Twitter

Facebook